コラム 第3回 「昼間に見える星」

                                                        
                             新潟日報夕刊「ホワットくんの自然・科学案内」(7月3日掲載分)

 昼間に星を見ることができるでしょうか?

 「太陽が明るいから見ることができない」というのは正確な答えではありません。
 地球からは,太陽の光が空気中の分子やちりに当たって波長の短い青や紫の光を反射させるため,空全体が明るく(青く)なり,見えにくくなってしまうのです。空気のない漆黒の宇宙空間では,太陽と一緒に星の輝きを見ることができます。
 
 月以外で昼間,肉眼で見ることができる星はあります。私たちの住む地球のすぐ内側で太陽を回っている惑星「金星」です。
  一番明るいときで−4.3等星(1等星の100倍の明るさ)になり,その時には青空の中にぽつんと白く輝いて見えます。
 
  この昼間に見える「金星」。 人騒がせな事件を起こすことがありました。第一次世界大戦が始まる前年の1913年。国際情勢が不安定な時期に金星を敵国の飛行機と早とちりして互いの国を激しく非難するという事件が起きました。また,第2次大戦中にも金星に向かって大砲を放つということがよくあったそうです。動いている雲間に光る金星は,急降下してくる飛行機にそっくりだったといわれています。
 
 では金星以外の星は見ることができないのでしょうか。
 「太陽にじゃまされないように,煙突の底から空を見上げると,昼間でも星が見えるのではないか?」
  こんな考えをもとに,今から17年前,テレビのある番組で実験が行われました。昼間にちょうど真上に来ること座の「ベガ」(0等星)を,煙突の底から見てみようというのです。結果は,空が明るすぎて全然見えませんでした。空気の薄い,高い山に登れば,見ることができるのではないかと言う人もいます。ただし,よほど視力の優れた人でないかぎり,昼間に星を見ることは難しそうです。

  しかし,望遠鏡を使うと,ある程度明るい星であれば昼間でもみることができます。科学館では全天で1番明るい恒星の大犬座のシリウス(−1.6等星)をはじめ,1等星ほどの明るさの星を昼間に確認しています。青空をバックに輝く星のまたたきは,とても印象的です。きちんとセットされていれば(望遠鏡の軸が天の北極を向いている),比較的口径の小さな望遠鏡でも昼間の星を見ることは可能なのです。
 望遠鏡をお持ちの方は,太陽を直接見ないようにして(目がこげてしまう)昼間の星に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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昼間に撮影した星・惑星
2000年4月25日 PM1:30〜
新潟県立自然科学館60㎝反射望遠鏡
SONY Digital Mavica MVC-FD88にて撮影
各2〜3枚コンポジット
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