コラム 第11回
「星座の生い立ち」新潟県立自然科学館春の特別展,プラネタリウム春番組に寄せて 1998年4月4日 トップページへ戻る |
現在の星座の原形は,今から5000年前(紀元前3000年頃)にメソポタミア地方(現在のイラク・イラン)の羊飼いの人々によって作られました。最初に作られた星座は,北極星の周辺のものと,太陽の通り道である黄道(こうどう)に沿った12星座(下図)であったと考えられています。![]() 当時の人々は,それらが見える方向や位置によって,方位,時刻,季節などを知り,牧畜,農業,漁業などに適した時期を知るのに役立てていました。 その後,これらの星座がギリシャやローマに伝わると,神々や英雄たちが活躍する神話と結びつけられました。紀元前300年頃のギリシャの詩人アトラスの著作には,現在使用されている星座のうち,47個が,2世紀のアレキサンドリアの学者,プトレマイオスの著作には古代星座48が示されています。 |
これら星座に新しいものが加わってくるのは,15世紀以降のこととなります。そのきっかけとなったのが,15〜16世紀の大航海時代にヨーロッパの航海者によって南半球の星座が知られるようになってからでした。 また,このころから銅版印刷の技術が発達し,地図や星図が印刷・出版され,一般の人々にも普及するようになりました。天の南極周辺に設定した12の新星座を含むバイヤーによる星図が出版されたのは1603年のことでした。さらに,天の北半球にも,これまでの星座の境目に新しい星座が設定され,19世紀初頭までにこうした新星座は60にものぼりました。こうした時代に出版された星座絵(星図)は,手書きで美しく彩色されており,美術的価値の高いものも多くあります。 今世紀に入り,望遠鏡や写真技術の進歩によって,国際的に標準となる星座の境界線を確定する必要性が出てきました。現在ある88の星座と,境界線は,1928年に国際天文同盟(現在の国際天文学連合),によって採用されたものです。 |
| 参考文献 :「星座と星図の変遷」 原 恵 著 「星座の文化史 〜古星図と天球儀に描かれた星座たち〜」 千葉市立郷土博物館発行より *新潟県立自然科学館では,4月19日(日)まで千葉市立郷土博物館所蔵の17世紀〜18世紀 に出版された古星図や江戸時代の天体観測用具などを展示した春の特別展を開催しています。 またプラネタリウムの春番組として「タイムマシンアルゴ号の冒険 〜古星図に描かれた星座たち」 を投影しています。(6月7日まで), |
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| 紀元150年頃 プトレマイオス星座(48個) |
(年号) 製作者 |
| (黄道12星座) おひつじ,おうし,ふたご,かに,しし,おとめ,てんびん,さそり,いて,やぎ,みずがめ,うお (北天の星座21個) こぐま,おおぐま,りゅう,ヘルクレス,かんむり,へびつかい,へび,ケフェウス,カシオペヤ,アンドロメダ,ペガスス,ペルセウス,こと,はくちょう,や,わし,いるか,ぎょしゃ,うしかい,こうま,さんかく (南天の星座15個) おおいぬ,こいぬ,うさぎ,アルゴ,くじら,エリダヌス,みなみのうお,さいだん,ケンタウルス,おおかみ,うみへび,コップ,からす,オリオン,みなみのかんむり |
(1589〜1592年) プランキウス みつばち,みなみじゅうじ,いっかくじゅう,きりん (1602〜1603年) ブラーエ かみのけ(復活) (1603年) バイヤー インディアン,とびうお,かじき,はえ,カメレオン,ふうちょう,きょしちょう,ほうおう,くじゃく,みずへび,つる,みなみのさんかく (1624年) パルチウス いっかくじゅう,きりん, (1679年) ロワーエ きりん,はと,みなみじゅうじ (1690年) へヴェリウス こぎつね,こじし,たて,とかげ,やまねこ,ろくぶんぎ,りょうけん (1763年) ラカイユ ちょうこくしつ,コンパス,ろ,じょうぎ,とけい,ぼうえんきょう,レチクル,けんびきょう,ちょうこくぐ,テーブル山,がか,はえ,ポンプ,はちぶんぎ とも,ほ,りゅうこつ,らしんばん(この4つはアルゴ座を分割したもの) **一部重複,現存しない星座は除いた(伊藤) |
参考文献 :「星座と星図の変遷」 原 恵 著
「星座の文化史 〜古星図と天球儀に描かれた星座たち〜」
千葉市立郷土博物館発行より