コラム 第14回  七夕
               

       1998年7月7日 書き下ろし
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 7月7日の夜,星を祭る行事である「七夕」は,中国の「乞巧奠」(きこうでん)という行事と,日本の「棚機の女」(たなばたつめ)とよばれる行事が合わさったものと考えられています。
 
(1)中国の宮廷行事「乞巧奠」
 神の怒りをかって天の川の両側に隔てられた天帝の娘,織女と牽牛の2つの星が,かささぎの橋をわたって1年に1度だけ会えるという伝説が中国の後漢末ごろ生まれたといわれています。織女星は糸や針をつかさどる星であったので,7月7日の夜に2つの星にお供えをすれば,裁縫が上達するという風習が生まれました。
 日本には奈良時代に「七夕(なのかのよ)」という名で宮中に伝わり,民間には室町〜江戸時代に広まりました。五色の短冊に歌や時を書いて青竹に飾りつけ,書道や裁縫の上達を祈ります。
 
(2)農村のみそぎの行事「棚機の女」
 日本固有のみそぎの行事で,水辺に設けられた機屋(はたや)に女性がこもり,村のけがれを持ち去ってもらうという行事です。
 こうした風習は,季節の節目に身にかかる悪霊や災難を振り払い,一切の災いを洗い流そうという民間信仰からきたものといわれています。
(3)現代の七夕
 旧暦の七夕は,本来なら新暦の8月上旬から中旬(今年'99年は8月17日)にあたり,梅雨もあけ,一年中で一番安定した天候になります。
 一方,新暦の7月7日は梅雨の真っ只中で,晴れて星が見えたとしても2つの星は東の空のかなり低いところにあって,現実にはほとんど見ることができません。
 仙台や平塚の七夕のように観光の目玉となっている七夕は,旧暦の時期を尊重して8月に行われています。
 (4)新潟の七夕
 県内では,江戸時代から伝承されている七夕祭りが村上市で8月16,17日に行われます。たくさんのぼんぼりが積み重ねられた「伊勢堂」という堂ののった山車を,子供から若者が引き回します。
 さらに,町内ごとに特色のある獅子舞が,さまざまな祈願をこめて披露されます。
 今年の七夕,あなたは2つの星にどんな願い事をしますか?

参考文献 :新潟県立自然科学館 天文友の会会誌「コスモくらぶ」 第4号
      広辞苑 第4版
写真撮影 :中沢 陽(新潟県立自然科学館)      

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