コラム第31回  木星の永続白斑を追って    
           1999年度の木星観測  2000年3月29日作成



永続白斑 BEとFAの変化  木星を望遠鏡で見ると,何本かの帯や大赤斑(左画像の赤い矢印の下の肌色の大きな楕円形の模様)が目につきます。この他にも気流が良い時に「白斑」と呼ばれる白い楕円形の模様が見られることがあります。
 その中でも「永続白斑」は1940年代の初めころから観測されている寿命の長い模様です。最初の頃は,経度が90度にもおよぶ細長い形をしていましたが,徐々にその長さが減少して1960年代ごろから今の姿に近いものになりました。白斑は3つあり,それぞれ「FA」「BC」「DE」と呼ばれ,他の模様と同じように木星面を東西に動き回っていました。
 このうち「BC」と「DE」は,ここ10年ほどかなり接近した状態が続いた後,1998年の初めに合体しました(その後,「BE」と呼ばれるようになります)。しかし,この頃は木星が地球から見て太陽の方向にあったため,詳しい様子は観測できませんでした。
 今シーズンの初め,「BE」(左画像オレンジ色の矢印)と「FA」(左画像水色の矢印)の距離が接近し,再び白斑の合体が起こるのではないかと注目されていました。
 5月の初めから9月にかけて2つの白斑は徐々に接近していましたが,その間に小さな白斑ができたことや「BE」が大赤斑に近づいて加速したため,10月には逆にその間隔は広がってしまいました。2つの白斑が大赤斑を通過した1月からは再びその間隔を縮め,3月18日には両者の間に暗橋が発生し3月21〜23日にかけて合体が確認された模様です。以後,白斑は「BA」と呼ばれることになると思われますが,どのような変化が起きるのか注目されるところです。
 私自身,合体前後の画像を撮影しようと試みましたが,木星が西に傾き,観測時間が減少したことと冬場の悪気流の影響で満足のいく画像が得られませんでした。左画像は,今年の観測画像の中から,永続白斑の写っているものをほぼ1ヶ月おきに並べたものです。
 なお,JUPOSPic du Midi天文台 のホームページには赤外域等で撮影された白斑の合体前後の画像が公開されています。 また月惑星研究会関西支部のページには,今シーズンの木星の画像が解説付きで多数公開されていますので,興味のある方はぜひご覧いただきたいと思います。

 *参考文献:
天文ガイド「観測ガイド」2000年3月号(阿久津富夫氏) 4月号(伊賀祐一氏) 月刊天文「OBSERVER’S GUIDE」1998年9月号(長谷川 均氏)12月号(田部一志氏) 他 
各画像の体系Ⅱは以下の通り
1999.10.8 ・・・90° 1999.11.6・・・78°
1999.12.8・・・76°  2000.2.13・・・36°
2000.3.3・・・28°   2000.3.27・・・22°
その他,詳細は下記ページを参照
*クオリティ保持のため,80KBの画像です

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