CLANNAD FULL VOICE レビュー

校門まで残り200メートル。そこで立ち尽くす。 
 「はぁ」
ため息と共に空を仰ぐ。
その先に校門はあった。
 誰が好んで、あんな場所に校門を据えたのか。
長い坂道が、悪夢のように延びていた。
「はぁ…」別のため息。俺のよりかは小さく、短かかった。
隣を見てみる。そこに同じように立ち尽くす女の子がいた。
同じ三年生。けど、見慣れない顔だった。
短い髪が、肩のすぐ上で風にそよいでいる。

    「この学校は、好きですか」

    「え…?」
いや、俺に訊いているのではなかった。

    「わたしは…」

       「見つければいいだけだろ」

    「えっ…?」
驚いて、俺の顔を見る。
 「次の楽しいこととか、うれしいことを見つければいいだけだろ。
  あんたの楽しいことや、うれしいことはひとつだけなのか? 違うだろ」
 そう。何も知らなかった無垢な頃。誰にでもある。
「ほら、いこうぜ」俺たちは登り始める。長い、長い坂道を。 

得点
70点シナリオ85点
音楽90点95点
システム70点総合90点
プレイ時間50時間泣き度
AIR、KANONに比べて描き方が少し変わったようです。
 
それはCG部分のみの話で、
立ち絵に関しては多少変わった程度で違和感は有りません。
相変わらずの髪の描きかたがAIRと一緒なのも大きいですね。
ですが立ち絵とCGで絵の感じがけっこう違いが出るので、
子供っぽい子がいきなり大人っぽく見えたりと多少違和感を感じます。
正直、そこは小さな違いですけれども。
 
KEY作品をやっているという感じはしっかりと味わえます。
この絵に慣れなかった人は辛いかもしれませんが・・・。 

フルボイスになって画像も大きくなったみたいです。
そこまで差が感じられないですけれども。
シナリオ
家族愛を題材にしたゲーム
 
実際、その題材に恥じない出来です。
人間の成功・挫折・努力・苦労・幸せ
人生の楽しさ、それ故の難しさ、辛さ。
そういったものがより現実的に描かれています。

理想的な労働環境です。
働いたことがある人はこの主人公に憧れ、
働いたことない人は働くことの厳しさをちょっとだけ味わえる。
仕事の話なんてのはリアルすぎると苦痛になり
上手くいきすぎても苦笑されがちですが、
どちらが読んでも楽しめるような話になっているのは良いですね。

細かい部分を理解出来るようになるには、
ある程度の社会に出てからの年数がないと難しい。
大体は理解出来るものの、
今でもどういった心情なのか理解出来ない部分もあります。

音楽
変わらずKEYって感じの良い音楽です。
日常の音楽でもかなりの力が入っていて、
これを聞いていてもだるだるになったり飽きません。
KEY作品の強みの一番はシナリオと音楽も両方同列ですね。
 
あと、シリアスというか暗いムードの音楽も秀逸 
苦労する部分がより強調されて良い感じになります。
 
 
OP「メグメル」riya C
菅野ようこの曲に似せたがちょっと盛り上がりがイマイチといった感じ。
聞いていると曲調と歌い方とで劣化菅野ようこが離れません。
歌詞は良い感じなんですけれどね。
 
ED「-影二つ-」riya C+
壮大な感じのバラードです。
音楽がやたらと荘厳さを出そうとしてるのがいただけませんが、
歌も高いところは微妙ながら悪くは無いですし、
歌詞が今作品をしっかりと想像できるように表していて良いですね。
音楽さえ良ければもう少し違ったような気がします。
 
ED「ANA」Lia
綺麗でゆったりした英語の歌で聖歌みたいな感じ。
良い曲だとは思いますが、正直なところ馴染みが無いのでなんともいえません。
 
ED「小さなてのひら」riya B-
スローテンポで音楽のサポートに周り歌詞を引き立てます。
歌の方はやはり高音部分が辛そうですね。
歌詞はとても深く、親の気持ちを歌っています。
心に響いて思い出してしまいますね。
この曲の歌詞がclannadを表していて一番好きですね。
これだけのメンツの他のゲームでは見ることが出来ないでしょう。

素晴らしい配役
秋生は置鮎龍太郎さん
早苗は井上喜久子さん
この夫婦はちょっと卑怯すぎるくらいの良い配役
さらには伊吹先生には皆口裕子
幸村先生には青野武
春原には阪口大助さん
芳野には緑川光さんとか豪華過ぎます。
というかこのメンツラングリッサーのメンツですね。

ヒロイン達の立場が無いと思いきや。
渚の中原麻衣さんに智代の桑島法子さん
田村ゆかりさんにこおろぎさとみさんと豪華

古川夫婦はボイス無しプレイ済みの方も聞く価値はあります。
そう言わせる程合っていますし、
言わずもがなのトップクラスの演技力です。

主人公の声があれば文句ナシでした。
システム
相変わらず軽快で分かりやすく、かゆい所まで手が届くシステム
 
右クリックしてから待ち時間0に近いのでストレスを感じることがありません。
オートモードもあり、無論時間調整も出来ます。
前の選択肢まで戻る機能も付いているので、
クリックしすぎて選択肢まで間違えてクリックしても大丈夫。
クリックでなくても、ホイールを下に回すのでもクリック代わりに出来ます。
 
BGM・効果音・システム音・ボイスの音量調節可能
ボイスはメインキャラごとにオンオフ可能
その他には、
日付表示のオンオフ・画面切り替えの速度変更
速度を重視するためにマウスカーソルをモノクロに出来たり、
ゲームの動作に全てのメモリを突っ込まずに
他のプログラムがスムーズに動作するようにすることも可能。
 
スキップは高速+バックグラウンドに回しても動くために、
スキップの間に他の作業をすることも可能です。
 
セーブ数は10X10=100と十分
セーブした日時 ゲーム内での日時 メモとシンプル。
しかし、サムネイルが無いのはマイナス 
総合
声無しクラナドをプレイした人もプレイする価値アリ

フルボイスにはそれだけの魅力があります。
秋生と早苗と汐の声優さんだけでもプレイして良かったと思わせてくれます。
良かったシーンはいっそう泣かせてくれます。

実に数年振りにクラナドをプレイで学生時代の出来は大体知っているので、
学生時代パートは飛ばし読みしようと思いつつも気付いたらじっくり読んでいました。
展開が分かっていても、
ストーリーの細かい部分を覚えていないこともあり面白い。

アニメのクラナドがあるといえばあるんですけど、
京アニが作っているせいか独自のクラナドになっています。
アニメはアニメで楽しめますし、フルボイスはフルボイスで楽しめる作品になっています。

ただし、春原の笑い部分は一度知ってしまったネタのせいか面白さが半減します。
それでも面白いですし良いキャラなので、
前半楽しくプレイ出来るのはこのキャラのおかげでしょう。
 
後半の家族をメインに据えた本筋もとても良いストーリーなので心に残ります。
家族の暖かさ、それの大切さをしみじみ考えさせられます。
基本的に良い人で人間の温かい心の奥深さも垣間見れる作品。
それを演じる声優さん方のレベルはトップクラスで相乗効果で良い作品に仕上がってます。

これはボイス無しのクラナドからの不満ですけど
↓以下ネタバレ少々含み
最後の最後での物語の構成に不満が・・
汐END→再度アフタープレイ渚親子END→再度プレイでトゥルー
感極まってた熱が冷めます。
個人的には渚親子→プレイ汐END→再度プレイし直しでは無く上手くまとめてトゥルーへ
これで無くても汐と親子ENDの位置を変えるだけでもして欲しかったですね。