Fate/stay night-フェイト ステイナイト- レビュー

舞台は海と山に囲まれた都市・冬木市。

何の変哲もないこの街に、少しずつ侵食する闇があった。 
     
 手にした者の願いを叶えるという聖杯。
その聖杯を実現させる為、一つの儀式が行われようとしていた。
聖杯に選ばれた七人の魔術師(マスター)に、聖杯が選んだ七騎の使い魔(サーヴァント)を与える。

マスターはこの七つの役割(クラス)を被った使い魔一人と契約し、
自らが聖杯に相応しい事を証明しなければならない。
つまり。
マスターとなった者は他のマスターを消去して、自身こそ最強だと示さなければならないのだ。
 杯を求める行いは、その全てが“聖杯戦争”と呼ばれる。
この地に起きる儀式は、その名に恥じない“殺し合い”といえるだろう。  

 幼い頃火災によって両親を失い、孤児になった主人公は魔術師を名乗る人物に引き取られる。
養父の反対をおしきって魔術を習う主人公だが、まったく才能がなく何年とかけて身についた魔術は一つだけだった。
その養父も今は亡く、主人公は半人前の魔術師として成長する。 
そうして現在。
ふとしたきっかけからマスター同士の戦いに巻き込まれた主人公は、
偶発的に七人のサーヴァントの一人、セイバーと契約する事になる。
望まぬままマスターの一人になった主人公は、聖杯を巡る戦いに身を投じる事になるのだが────

得点
90点シナリオ90点
音楽95点無し
システム95点総合95点
プレイ時間50時間泣き度
前作、月姫同様に武内氏が担当。

月姫に比べて頂ければ分かるとは思うんですけれども、
この絵はキツイって思っていた方は大分見れるようにはなったのでは?
まぁ、個人的には月姫の方も味があって大好きなんですが。

絵は最初はちょっとって思われるかも知れませんが、
綺麗なだけの絵と違い、プレイ後自然と受け入れて好きになってしまう絵だと思います。
作品を通して駄目なら駄目でしょう。 

特に変わった部分は絵に質感がしっかり出てきました。
CGっぽさが大分強まったので鎧の精巧さに重量感・光沢等が合わさり
他には無いしっかりとした出来上がりになってます。

このゲームの大きな特徴の一つとして、
出てくる武器の数も目を見張らされるものが有ります。
多数出るといって、一つ一つの武器がおそまつになるワケではなく
登場回数の多い武器から少ない武器まで
しっかり描かれている所も好感触を持てました。

あと、このゲームにもモデルになったと思われる街が有ります。
ですから、背景をただ背景として扱わずに
こんな街(場所)もあるんだと記憶に留めていても良いと思います。
見比べると、そのまんまだな。とかここはちょっと違う。
と、そこへ行ってみて感傷に浸ったりも楽しいんじゃないでしょうか。

キャラだけではなく他の部分もしっかりと力を入れていて楽しめるのは感心出来ました。
シナリオ
こちらも同様に、那須氏が担当です。

伝奇物アドベンチャーで
七人の魔術師と使い間(サーヴァント)の想いが交錯し紡がれていくお話。

伝奇やちょっと神話が好きっていう人にとっては更に楽しめるとは思います。

話としては大きく分けて3つ。
この一つ一つがとてつもなく長くて深いんです。

しかし、この長さは好き嫌いが出てくるでしょう。
長い小説を読めないって人にとって、
この長さは少々取っ付きにくいような感じがするかも知れません。

絵と音とエフェクトこの3つが加わると
小説とは別物になるとは思うのでやってみる価値はあるでしょう。 

総プレイ時間目安は50時間
人にはよりますが、自分は50時間に近いものでした。
しかし、この50時間も掛かるシナリオ
書き上げるだけでも凄まじいことでしょう。
しっかり創りこまれていると思いますが、やはり粗も少々出てしまっています。
考察していくような方はちょっと怒るかもしれません。

しかし、神話の人物はこんなんじゃない!や何故、忠実にしないんだ!の
批判も有るとは思いますが、
それは那須氏がアレンジ加えたものなので嫌なら止めておきましょう。 

細かいことは気にせずアツくジーンと来る話がやりたい!
こういった気持ちがある方にはオススメします。
音楽
これも代わらずKATE氏 & NUMBER201さんです。

はっきり言って、この味の有る音楽を理解出来るかだと思います。 
人によっては「地味」の一言で終わってしまうでしょう。
しかし、この地味さの中には想いが含まれているような気がします。
少なくとも自分は音楽を聞いてで心に響くものがありました。
そして、一曲一曲に込められている想いが他のゲームの比では無いと思います。 

さらに効果音の種類の多さ。
武器のぶつかる音、剣を振るう音も一つじゃ済まずに複数有ります。
ドアを開ける音等全て合わせて数十はあったと思います。 

あと、FATEの人気を盛り上げた大きな要素。

 テーマ曲「THIS ILLUSION」 

 文句無しで良い曲です。
 歌い手のM.H.さんは上手で声が綺麗だと思います。
 しかし、反対にそれに頼り切ってしまう部分があります。
 頼る、というのは間違いで日本人向けなんでしょうが
 演奏のキレやら一体感は強いので歌ってる間も合わさってほしかったと思います。
 これは一つとした作品なのでアレンジ等出てくれたら嬉しいです。 

 ムービーと合わさると相乗効果で本当に良質なものに仕上がってます。
 聞いたこと無い場合は公式HPにてshortverがあるので聞いてみて下さい。
システム
最高ともいえるシステムになっています。

オートリード、早送りスキップ、既読1シーンスキップ
個人的にはここまで(早送りと既読の分別)でも優秀だと思ってしまいます。

が、一番の見所とも言えるセーブデータ。
数は300個、文章追記、上書き禁止、サムネイル
一番使う回数が多く大切な部分とも言えるセーブに関しては、
これだけの機能があればかゆい所まで手が届いてます。

そして、戦闘シーンでのエフェクト。 
武器と武器がぶつかりあう度に振動する画面。
剣を振り切る時の風圧、 画面の切り替わり
剣のぶつかり合う火花やブレで臨場感(躍動感)がしっかり出ているので、 
それがどれだけ激しいのかもエフェクトによって伝わって来ると思います。 

そして、戦いの場面の一枚の絵、その使い方が驚く程上手い。 
これまでのゲームは絵は動かない絵としてしか扱いませんでした。
それが横切る、揺れるとまるで映像のように動くワケです。
カットインも盛り上げ要素としては良いですね。
FATEのエフェクトはこれからのゲームも取り入れていくことでしょう。 

唯一の欠点を上げるとすれば・・・
というか、他のゲームでも言うことが出来てしまうんですが
エンディング閲覧機能が無いのが欠点といえば欠点でした。
直前にセーブデータ残してしまえば問題は無いんですが。
総合
絵とシナリオと音楽

この3つの歯車が非常に上手い具合に噛み合って、
「Fate/stay night」というゲームが出来ています。

この一つの歯車でも欠けていたら、100点という点数は出ていないと思います。
それほどに全てがマッチしている作品です。
大泣きが数回あったので涙で画面が見えなくなりそうでした。

バッドエンドのおまけタイガー道場も楽しみを増やしてくれています。
こちらもおそまつなものでは無く、
ファンディスクが一枚出来てしまうんでは無いだろうか?といった満足出来る内容です。

このゲームは男がするだけではなく、女の子でも十分出来る内容です。

ヒロイン達や女の子達が魅力的なのは勿論のこと
このゲームは男キャラが痺れるくらいにカッコ良いです。
その一人一人のキャラの信念・想いが交錯しあいます。

その生き様に尊敬せざるを得ない程で、
男ならこんな風に生きてみたいなと思わせてくれます。

自分の価値観持ってしまうと他種類には手が出しにくくなってしまうんですが
一度はやってみてほしいと思います。