キラ☆キラ レビュー | ||||||||||||||||||||
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前島鹿之助はミッション系の学校『欧美学園』に通う学生だ。 部活にも顔を出さず、受験勉強にも身を入れずに アルバイトにばかり精を出すちょっとダメな毎日を送っている。 そんな彼が、バイト先でかなり変った女の子『椎野きらり』と出会い 思いがけずパンクバンドを結成してしまうところから、鹿之助の物語が始まるのであった。 バンドのメンバーは、 鹿之助、きらり、幼馴染の『石動千絵』、それから病弱な資産家令嬢の『樫原紗理奈』。 バンド名は第二文芸部、昨日楽器を始めましたファッキン! | ||||||||||||||||||||
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| 絵 | ||||||||||||||||||||
グリーングリーン等の片倉真二さん とはいってもグリーングリーンとはまた感じが違いますね。 コンセプトと塗りの違いなんでしょうね。 一見するとこの絵でロックバンドはどうなのかとも思えますが、 片倉真二さんの絵だからこそ良かったのかなと思います。 それぞれのキャラに魅力がありますしね。 下手にカッコつけた絵ではなくて良かった。 | ||||||||||||||||||||
| シナリオ | ||||||||||||||||||||
さすがの瀬戸口廉也さん。 キラ☆キラのような学園生活をやりながらロックバンドを組むといった、 ありふれた内容の作品でもこれほどまでに面白いながら深い作品を書いてくれます。 今までのCARNIVALやSWAN SONGといった、 平和な日常とはかけ離れたような設定でこそ 活きるのかと思っていましたが杞憂に終わりました。 このキラ☆キラも一筋縄ではいかない話の作りですけども。 深いところまでしっかり作られていると やっていて何度も思わせてくれるのが一番の特徴ですね。 部分部分の勢いだけで盛り上げるような文章とは一味違います。 まず、日常のシーンでもわくわくしたりと面白い。 更にはその面白い中から話のパーツが出来ていっ てそこからコツコツと前提を積み上げていって パーツが組みあがった先では気分を異常に盛り上げてくれます。 前2作でもそうでしたが、 人物にしても一人一人の性格が深く掘り下げられていて、 細かい部分に至るまでいいかげんやとりあえずという妥協が見られない。 現実に居てもおかしくないとも思ってしまう程濃密。 4人で喋ったりする中でそれぞれが個性をしっかり主張している。 誰かが話してそれを聞いた上でのさりげない行動 細かい描写が組み合わさってそれぞれが活き活きしています。 こういったさりげなく大事な描写技術は人気作家と変わりません。 嬉しかったり悲しかったりと胸に来るものがあり、 こんなにありふれたような普通の話を書いているのに、 やっていて飽きることやつまらないと思うことがないのは凄い。 | ||||||||||||||||||||
| 音楽 | ||||||||||||||||||||
このゲームは内容が内容だけに音楽にもこだわっています。 ほとんどのBGMの中にギターの音が入っていて、 そのギター音がまた良い味を出しています。 正直BGM自体は7~8曲?とそんなに多くはありません。 下手に増やして微妙な曲が出てくるよりかは良い。 そして、その分力の入ったバンド曲はズバ抜けています。 9曲ほどあるんですが、 そのどれもがまさにバンドの曲という一体感があります。 あと、恐らく曲を取り方が歌手と楽器は別にという感じではなく ボーカル・ギター・ベース・ドラムの音量がそれぞれ同時に録音してるようです。 歌だけがメインではないというのが伝わってきます。 そして、歌手も上手いし高音が出るし声量も半端無いで素晴らしいですね。 おまけのSOUND LIBRARYのジャケットも素晴らしい。 それぞれのバンドごとのジャケットが3枚重なっており、 それを選択すると表に出てきてそのバンドの曲が表示されます。 妙に凝っている作りで嬉しくなります。 | ||||||||||||||||||||
| 声 | ||||||||||||||||||||
それぞれ上手い とりたてて何かあるというものではありません。 ただ、このゲームにはこのメンバーで良かったと思います。 それぞれがそのキャラをしっかりと演じきれているように感じました。 誰一人微妙だなと思う人はいない安定感も良いですね。 しかし、それだけ上手いと思う人物を使ってる割に その声優名が一度も公開されていないのには何の意図があるのか気になります。 | ||||||||||||||||||||
| システム | ||||||||||||||||||||
軽快で分かりやすい、良いシステム 文字表示はウィンドウ内ではなく、 全画面に文字が表示されるタイプ。 右下にオート・スキップ・セーブ&ロード等のボタンがあり使いやすい。 BGM・効果音・システム音・ボイスの音量調節可能ボイスはメインキャラごとにオンオフ可能 ただ、サウンド設定がコンフィグの右上の→を押さないといけないのは微妙。 気付くまで少し時間が掛かりました。どうでも良い部分ではありますが。 スキップは高速+バックグラウンドに回しても動くために、 スキップの間に他の作業をすることも可能です。 セーブ数は10X10=100と十分 サムネイル セーブした日時 文章の一行目とシンプル。 | ||||||||||||||||||||
| 総合 | ||||||||||||||||||||
シナリオは抜群な上にバンド好き(or楽器やってる)にはたまらない作品 プレイし始めたら止まりません。 普通1~2日でも間が空くと興味が薄れてしまうんですが 続きがやりたいなと終わるまで思わせてくれるほど引き込まれました。 是非とも一度は読んでみてほしいシナリオですね。 もう所々にNirvanaやクラッシュ・セックスピストルズといった 好きな人は誰しも話題に上がる超有名ロックバンドの話題も出ますし、 色々とバンド組まないと分からないようなことが細かく表現されています。 しかし、この話はバンドストーリーではなくヒューマンドラマ。 バンドをいかに成功させるかという大きなゴールの話ではなくて、 それぞれの人物の要因が絡み合って結果として 「バンドをして成功させよう」ということであくまでバンド成功も通過点の一つという話。 ここの部分を履き違えたが故の薄っぺらくなっている物語は多い。 それだけに瀬戸口さんは、特に人物の性格等の地盤を固めるのが上手いので、 どんな作品を書いても面白くなるんだとこの作品で改めて実感しました。 特にa song forがED曲として掛かるルートは個人的には100点です。 そして、そのキャラをクリアしてどういうことを考えていたかが分かった上で、 最初からやるとこのキャラはこういうことを考えているからこんな反応だったり、 ここではこういう人間関係もあってこんな態度取っちゃったりしてるんだと驚きます。 京極夏彦さんや東野圭吾さんのような作品も好きですが、 個人的には瀬戸口さんの文章が一番好きですね。 作家としての技術は上記の方とも変わらないとも思いますし、 読み手を楽しませるように書いているものの、 譲れない伝えたいことをしっかりと伝わるように書かれています。 その結果、中身がスカスカなゲームやラノベだけではなく そこそこ本を読むような人ではないとシナリオを深く楽しめないかもしれません。 CROSS CHANNELやclannadが楽しめるなら十分だとは思いますが。 このシナリオを挿絵無しの小説にしても買う価値は十分あると思います。 製作者にバンドやってたか追っかけやってた人が居たんでしょうね。 ライブハウスに行った事無いと分からないような表現も多いですし、 STAR GENERATIONの順番やライブ独特の妙な安っぽさもあってリアルに近いですね。 と、後から見たらグリーングリーンのbambooさんが企画だそうで、 そりゃバンドのことがリアルに書かれないほうがおかしいですね。 | ||||||||||||||||||||