アニメ感想★アトランティスの悲劇★

ついに辿りついた決戦の地、ドーマの神殿…そこは一万年に及ぶ人々の魂が封じ込められていた場所だった…
相棒、城之内くん、そしてみんな…俺達は必ずダーツの野望を打ち砕き、みんなの魂を解放してみせる!!
海馬!このデュエル、最初から全力で行くぜ!!

全力で行くぜ!…という遊戯の言葉通り、先週、二人の最強モンスター『マスターオブドラゴンナイト』をいとも簡単に召喚し、ギャラクシークラッシャーでダーツを一撃必殺するはずが…
その攻撃の行方もわからぬままに何故か結界ごといきなり宇宙に飛ばされ、“アトランティス滅亡の悲劇”を延々と聞かされることに…

…ということで、 まずここでダーツが語るアトランティスの悲劇の一部始終を…

≪聖なる水の都アトランティスは素晴らしい都市だった…
そこでは人と自然が調和した、質素だが、無理もなく欲もない、満ち足りた生活があったが、 ある日、地球内部から、未知の物質、オレイカルコスが噴出したのをきっかけに、人々の暮らしは大きく変わった…

エネルギー、医療、工業製品…あらゆるものに利用できるオレイカルコスによって、アトランティスは高度な文明に発展を遂げたが…
それと同時に、安易に欲望を満たしてしまえる環境が、逆に人々の心を蝕んでいった…
…世界は物質で溢れ、あらゆる便利さと引き換えに、人々は大地と精霊の恩恵を忘れ、真実を見抜く想像力と豊かな感情を失った…

そして異変は突然、人々が邪悪なモンスターに姿を変えると言う形で起こった…
美しい王妃さえも、恐ろしい魔物となり、ダーツ自身が自らの剣で切りつけざるを得なかった…
やがて町中が人々の流した血で染まる…

『何故こんなことに…』

その問いに答えてくれたのが、その時ダーツが手にしたオレイカルコスの石…
ダーツはオレイカルコスの力によって宇宙に飛ばされ、そこで地球からの啓示を受けた…
そして、ダーツはオレイカルコスとは地球が人間を試すために作り上げた呪いの物質であることを悟った。≫

…さて、ここで久々に懐かしいあの人…アイアンじいちゃんの登場です。
そうあの石の荒野へと遊戯を導いたあのアイアン・ハートはダーツのお父さん、つまりダーツの先王だったんですね。驚きです。
そしてそしてネコ耳クリスはアイアンのことを“お父様〜”と呼んでいました。
ということはダーツとクリスは兄妹だったんですね…

「オレイカルコスを捨てて、もとの生活に戻るのだ!」というアイアンに対して、
ダーツは…
“オレイカルコスを捨てたところで、もう手遅れだから、地球によって不合格の烙印を押された腐敗した人間どもを滅ぼし、新しい人間を作り出す!
それこそが自分に与えられた使命!…そのために授かった力によってオレイカルコスの神を降臨させるのだ〜!”

と言うようなことを言っていましたが…

…でも、この話を聞く限りでは、何でそうなるの…?と思わざるを得ません。
アイアンじいちゃんが『乱心したか〜ダーツ!?』というのも、無理からぬことです…
アイアンさん、あなたの息子は間違いなく狂ってます…
さて、ダーツは早速オレイカルコスの石の力によって作り出したソルジャーくんたちの君主となり バルコニーから声高々に叫びます。

「古より伝わる精霊の儀式に従い、我らが星に新たなる神を降臨させるのだ〜!!」

それに応えるソルジャーくんたちの
「ウォ〜〜ッ!!」という声が笑えました。
あんな不気味なモンスターの君主になってしまったダーツさんってカッコ悪すぎ…

その後、アイアンやクリスは、古より共に力を合わせてきた精霊達、いわゆるデュエルモンスターズを率いて、石の荒野でダーツ率いるオレイカルコスソルジャー軍を迎え撃ったが、 ついに敗てしまう…
その際、アイアンは死の間際、精霊の扉を封印し、残されたモンスター達の魂は、世界のあらゆる場所に散っていったということらしいです。

その後ダーツは、1万年の長い月日を待ったが、世界は再び腐敗し、人間はあやまちを繰り返している…
と言う訳で、再びオレイカルコスの神を降臨させ、地球の人間をデュエルモンスター共々滅ぼすことに決めたのだ〜!!
というようなことを高らかに宣言していました…

…でも実は…超現実的で、“過去のことなど踏みつけるためにある〜”な社長はそんな話し、聞いちゃいません…
彼にとって今大事なのは、デュエルの勝敗のみなんですから…

「だが、貴様はオレ達のマスターオブドラゴンナイトの攻撃で既に敗北している!」

ちょっと悦に入っていたダーツに対する、興ざめなこの社長のセリフが可笑しかったです。
そんなに知りたいなら、これから思い知らせてやる〜フフフ…ハハハハハハ…
というわけで、次の瞬間3人はもとの場所に戻っていました。

今まで、ダーツこそ諸悪の根源…これまでのことは全てダーツ自身の企みによってなされてきたこと、という感があったのですが、 何と、ダーツも結局はオレイカルコスに洗脳されてしまっていたんですね…しかも意外にあっさり…
もう、自分のしようとしていることが良い事なのか、悪い事なのか…そういうことは問題ではなく、 ダーツが見ているものは、遥か彼方、ずっと先にある、永遠にかなうことのない歪んだ理想であり、 本当に意味での、平和はそこにはないことは明らかです。
しかも自らの使命とうたう地球の声というのは、悪意に満ちたオレイカルコスの力によって引き出されたものなのですから…

平和に国を治めていた時には、その容姿や言葉から、優しく、純粋な心を持った青年だったのではないか思われるダーツがそうなってしまったのは、 その若さ故と言うこと以上に、思い込みの激しい、また退廃的な性格からきたものだったようにも一瞬感じられますが、 それよりも何よりも、オレイカルコスから受けた啓示は、ダーツにとって絶対的なもので、考慮の余地もなかったのでしょうね…
やはりこれはオレイカルコスに洗脳されたというべきでしょう…

人間の闇の部分…悪いところだけ引き出してしまうオレイカルコスの力…
やっぱり何か間違っているし、あまりにもこじつけなその理由に、ドーマの総帥ダーツさんも、もうすでにアメルダさん並に格下げです…
やはり、ダーツもその心の弱さ故に何かにすがりたかったのかな、とも思えてきます。

それは、ラフェ−ルやアメルダなどにも言えることで、王妃の死や人々の争いによる流血の事態…国の崩壊…究極の悲しみにさらされた時、行き場のない心を支える何か大きな目的…
そんなものを、オレイカルコスの中に見たのではないでしょうか…
ただ単に洗脳されたと言ってしまえばそれまでなのですが…

それにしては、父上のアイアンさん、ちょっと頼りなさ過ぎでしたね。
政権を既に息子に託していたとは言え、 乱心した息子を、言葉で説得することはできなかったんでしょうかね…まぁ、あの状況を見れば、“聞く耳持たん!”で、いきなりソルジャーくんを召喚されたら、 話し合いも何もないとは思いますが…

ダーツも、アイアンさんほど徳が高くなかったために、いとも簡単にオレイカルコスに洗脳されてしまったということなのでしょうか…
…というか、今回の一件で、やはり今までの遊戯王悪役キャラの類に漏れず、ダーツさんも、心に非常に弱い部分を持ったキャラだということが判明しました。
私的には、う〜ん…そうペガサスや乃亜などのように…何か一つの不幸をきっかけに、そこから逃げ出すため…あるいはそこに何かただ一筋の光を探し出すために、 自分の中から沸き上がってくる何かを求めて、次第に人としての道を踏み誤っていく…そんなイメージが生まれてきます…
多分ダーツさんも、最終回には、すっかりいい人になって、オレイカルコスの石を自らの手で、永遠に封印したりするんだろうな…などどつい考えてしまいます…

さて、ではここからはようやく社長が気になって仕方がなかったデュエルの行方です…

もとの神殿に戻ってきた時… ダーツは何食わぬ顔でそこに平然としていました。
ライフポイントは、遊戯と海馬が共に4000P、ダーツが3500P。
マスターオブドラゴンナイトの攻撃を受ける前と、何も変わっていません。

それは、あのウニモンスター
『オレイカルコス・キュトラー』≪モンスターの戦闘によって発生するダメージを0にする≫
という特殊能力のためだった…
どうやら、あの真中の目の部分が、攻撃による全てのダメージを吸収していたようです。
そのため、先ほどの守備力500のギガースに対する、メテオレインを装備したマスターオブドラゴンナイトの攻撃によるダメージは0となっていたんですね…

これではダーツはやられるはずがありません。
しかもギガースは不死の能力を持っているために、すぐに復活してしまうし…そのたびに攻撃力が500Pアップするし…
本当にいやらしいコンボを使ってきます。
でもこれぐらいで驚いていてはいけなかったんです。

次のターン、更にダーツは、
『オレイカルコス・デウテロス』≪フィールド魔法/毎ターン自分の場にいるモンスター1体につき、 500Pライフを回復する≫
を出してきました。
それは丁度オレイカルコスの結界を取り囲むように現れたオレイカルコス第二の結界…

呆れるくらい超強力なライフ回復カード…つい乃亜のデッキマスター能力“奇跡の方舟”を思い出してしまいます。
何だか…弱い者ほど、自分の身を守るためについライフ回復に走ってしまう…という見本みたいな人達だな…そいう気がしてきます。
これによってダーツのライフは4500Pに回復…

そしてわざとらしく攻撃力1400のオレイカルコスギガースで攻撃力5000のマスターオブドラゴンナイトを攻撃するんです。
当然ダメージはキトラーが吸収しギガースは攻撃力1900となり復活する…
この様子を見ていた本田くんは、ギガースの攻撃力を上げることが目的と見て、ダーツを“セコイ〜”呼ばわり していましたが、遊戯は、この戦術の真意を別の観点から分析していましたね…

“モンスターの戦闘によるダメージをわざとキュトラーに吸収させているのでは…”
ということなんですが… そう…キュトラーはもともと攻撃力を持たないモンスター…他のモンスターの攻撃力を吸収し、自らの攻撃力として蓄えているということは十分考えられることですよね…
まるでサクリファイスのようですね…こんなところはペガサスのデュエルを連想させます。

モンスターを攻撃してもダメージを与えることは出来ない…それならダイレクトアタックするのみ…というわけで 次のターン…社長はカードを1枚セットして『ブレイドナイト』を召喚。
手札を1枚としたために攻撃力は2000となり、ギガースの攻撃力を上回り、このままターンエンド。

「海馬は何か仕掛ける気か…」と遊戯…
「チャンスは1度…」と社長…
暗黙の了解によって意思の疎通をはかろうとする素直で協力的な二人…こんな場面…をまさかここで見ることになろうとは… あまり嬉しくないですが…

次の遊戯のターンに入った瞬間 社長はリバースの速攻魔法
『エナジー・リフレクト』≪自分のフィールドのモンスター1体を生贄にすることによってプレイヤーへのダイレクトアタックを可能にする≫
を発動。ブレイドナイトは生贄用だったんですね。なんかちょっとだけ残念でした…

「今だ、遊戯!!」
と社長のお許しがでたので、遊戯は“えっ?あの海馬がオレに攻撃のチャンスを譲ってくれたのか〜”と少し意外そうな表情で、 マスターオブドラゴンナイトでダーツに攻撃します。

攻撃力5000のダイレクトアタック!!…今度こそダーツのライフは0だ〜と思ったのもつかの間。
やはりダーツは無傷のまま。
それはオレイカルコスの結界の第二の能力
≪モンスター1体を生贄にすることで、その攻撃を無効化し、 攻撃を行ったモンスター自身を破壊する≫によるものでした。

しかし、遊戯はこのタイミングで『融合解除』を出し、何とかモンスター破壊は免れたのですが…
…モンスターの戦闘でダメージを与えることもできず、ダイレクトアタックも封じられ、しかも不死の能力持つモンスターを相手に闘わなければならない…
やはりダーツのカードはどれも“ずるい”“反則”“都合良すぎ”のオンパレードです。

しかし、ダーツのやりたい放題の戦術はまだまだ留まるところを知りません。
次のダーツのターンでは、儀式魔法『オレイカルコスミラー』を発動。

手札のモンスター1枚を生贄に
『ミラーナイト・コーリング』≪ミラーナイト(攻/0・守/0)を4体、特殊召喚する。ミラーナイトの攻撃力は戦闘を行うモンスターの攻撃力と同じになる。≫を召喚。
ミラーナイトは、鎧をつけ、鏡の盾を持ったモンスター。
4体のミラーナイトは、それぞれ ブルーアイズアルティメットドラゴン、カオスソルジャー、と残りの2体はプレイヤーにダイレクトアタックします。

この攻撃によって遊戯と海馬のライフはそれぞれ3500Pに。
しかも、同じ攻撃力同士のモンスターで、遊戯と海馬のモンスターは破壊されたが、ミラーナイトは、鏡の盾だけが消滅し、ミラーナイトコーリングの効果によって再び新たな盾が再生されるため、破壊されることはない。
本当にダーツって、“再生”とか“復活”とか“回復”とか…欲張りっぽい効果が好きですよね…
もうここまでくると、ずるいとかセコイを通り越してます。
そしてこの上に“卑劣”な手を使えば、もう悪役キャラのデュエルとしては申し分ないといえるでしょう…
…と思っていたら、最後に期待に応えて本当にやってくれたんですが…

次のターン、社長は魔法カード
『命削りの宝札』≪デッキから5枚のカードをドローするかわりに、5ターン後に全ての手札を墓地に置く≫
を発動。
これによってなかなか良さそうなカードがドローできた社長…手札のカイザーグライダーが眩しかったです。あのカードは、アルティメット…?のように見えたのですが…
そして、手札から黙する死者を出し、ブレイドナイト復活…しかし、それもあっさりカイザーグライダーの生贄に…
あぁ、何気に好きなモンスターブレイドナイトが久々に見れて嬉しかったのに…フィールドに出てきたその2回とも瞬時に消え去りました…
すでに社長にとっては生贄用のモンスターといった扱いをされていることがちょっと悲しかったです。

でも召喚されたカイザーグライダーは、凄くカッコ良かったです。
既にOCGでは、大活躍のカイザーグライダーもこれまでアニメでも原作で本物が登場したことはなかったので、 その勇姿を見ることができて感激でした。
“同じ攻撃力のモンスターとのバトルでは破壊されない”というその効果に
ダーツに「少しは知恵を絞ったか…」などと、 言われながらもリバースカードをセットしてターンエンド。

遊戯のターンでは『聖なるバリアミラーフォース』を伏せ、ビックシールドガードナーを守備表示で召喚。

ダーツのターン、デウテロスの効果でライフを回復し、ダーツのライフは10500Pに…
そして、この瞬間社長は『破壊輪』を発動、ミラーナイトコーリングを破壊。
社長のライフは3000P、ダーツのライフは10000に…

ミラーナイトコーリングを破壊すれば、鎧の盾が消えると睨んだ社長でしたが、 4体のミラーナイトの鎧と盾が破壊され、中から姿を現わしたのは何と 表遊戯、城之内、舞、そしてペガサス…
ミラーナイトを攻撃すれば、4人の魂も永遠に闇に消えてしまう…

…というか、ダーツってば、やっと手に入れた生贄用の大事な魂をそんなふうに粗末に使うことが許されるんですか、という感じなんですが、
実際は、取り払われた鎧と盾のかわりに二人の前に立ちはだかったのは、4人の魂という決して破壊することの出来ない、厚い壁だったんですね。
まあ、この戦術も、遊戯が攻撃できないとわかっているが故の作戦…遊戯が攻撃できずにいずれ自滅するのを睨んでのことなのでしょうが…

次回はデュエルもいよいよ佳境に入ってきそうですが、まだ決着はつかないようです。
遊戯は4体のミラーナイトに攻撃できずに、かなり苦しめられそうですよ…

最後にちょっとだけ特筆(?)すべきことを…
今回の作監さんの平川亜喜雄さんの絵はとても良かったです。
今まで担当された記憶がないのですが…ほんのちょっとつなきさんの描き方に微妙に似ている気が…
良い絵のお蔭で、デュエルシーンも一層楽しく見ることができたんですが、何と次回は羽山さん…?
…だとすれば、3週連続素晴らしい作画で遊戯のデュエルを楽しめるわけで、アニメを見ていてこれほど嬉しいことはないと思ってしまいます。あぁ、次回が楽しみ…



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