コラム 第10回  「彗星をさがす人々」
              1998年3月    〜新潟県の中学校の先生が見つけた彗星〜            
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 去年の今頃は,「ヘール・ボップ彗星」,その前の年は「百武彗星」と,2年続けて明るい彗星が出現し,多くの人々の関心を引きました。
 ところで,これらの彗星には,独立して発見した人の名前が付けられています。発見者が多数いる場合は,発見時刻の順に3名まで名前を連ねてその彗星名としています。たとえば,「ヘール・ボップ」は,発見者であるアラン・ヘール氏とトーマス・ボップ氏の名前です。
 彗星は,軌道がわかっているもの以外,いつ,どこに現われるかわからないので,その発見は,アマチュア天文家によるものがほとんどです。
 百武彗星の発見者百武裕司氏はもとより,本田実氏,池谷 薫氏,関 勉氏,などなど日本のアマチュア天文家による発見も多く,その数は優に70を越えます。
 「コメットハンター」とも呼ばれる,そうした人々は,天気が良ければ,望遠鏡や大型の双眼鏡を使い,それとおぼしき天体をさがします。星雲・星団など,まぎらわしい天体も数多くある中,それらを発見する努力たるや想像を絶するものがあります。
 ところで,15年も前のことで恐縮ですが,「アイラス・荒貴・オルコック彗星」という新潟県の中学校の先生が発見した彗星があったのをご存じでしょうか。
 1983年5月3日,当時,湯沢中学校に勤務されていた荒貴源一氏(現在は佐渡の中学校に勤務されています)は,いつも使用していた15cm反射でなく,300mmの望遠レンズに望遠鏡用の接眼レンズをつけた簡易な望遠鏡を使って,彗星をさがしてました。
 発見当時の模様 を荒貴氏は「望遠鏡を北側にセットし,左側から右側にゆっくりと視野を回転させていった。 すると視野の中央やや右下に見慣れない天体(ボーッとした雲のようなもの)が入っているのに気付いた。その時,つい口から出てしまった言葉が[なんだ,これ」であった・・・」と,語っています。(その望遠鏡を見せてもらった科学館の職員が思わず口に出した言葉も「なんだ,これ」だったそうです・・・)
 この彗星は5月11日には,地球からわずか468万kmの距離まで接近し(観測史上第4位),2等星ほどの明るさになって,街中でもよく見えました。ちなみに,私が初めて肉眼で見た彗星でもありました。


アイラス・荒貴・オルコック彗星(1983H1)と流れ星
写真データ 1983年5月8日 0:52〜1:02  135mm F2.8(一部トリミング)
ASA400ネガフィルム 撮影地 新潟市小針浜
 

参考文献 :「平成7年度 新潟県立自然科学館 秋の特別展実施報告」(担当 山田 智氏)
       恒星社厚生閣発行 「続 日本アマチュア天文史」

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