リニア彗星を探せ!(最終更新2000年7月31日)


2000年7月29・30日
[リニア彗星の異変]
 29日早朝,沼澤茂美氏から,「ラ・パルマの観測によると,27日UT,リニア彗星が分裂し,その後消失した」という情報が入ってきました。私は,7月27日20:45ごろ(UT 11:45)弥彦山山頂で彗星を見ていました。透明度が悪かったため単眼鏡では確認できず,16cm反射でその付近を探して導入しました。25日に見た時と特に変わったところはなく,ややダストの尾が広がったかなという印象でした。同行した人にも見ていただきましたが,「何となくわかりますね〜」という感想で,心眼の世界に入っているようでした。今にして思えば,すでに異変が始まっていたのかもしれません。
 29日の晩,再び弥彦山山頂へ出かけました。リニア彗星は,20:20ごろ16㎝反射で確認できました。
 ただ,これまで見た彗星とは様相が異なっていました。比較的明るかったコマの明るさが感じられません。尾を含めてボーっと広がっている感じで,うっかりすると見逃してしまいそうでした。
 後に新聞でも発表されましたが,核が分裂消滅したようです。彗星が,太陽や惑星の重力などの影響によって核が分裂することは木星に衝突して話題となったシューメーカー・レビー第9彗星の例もあるように,珍しいことではありません。リニア彗星はもう一花咲かせるかと思われた矢先,火玉の落ちた線香花火となってしまったのでした。画像は30日の20:41,新潟県の妙高山笹ヶ峰で撮影したリニア彗星です。(135mmF2.8 3分露出)薄雲があるのですが,明るいコマの部分がなくなり,全体が拡散している様子がわかります。
2000年7月25日
 7月25日。新潟県内は昼頃一時的に豪雨となりましたが,午後6時頃から日が差しはじめ,西から青空が広がりました。
 これなら,なんとかリニア彗星の観望ができるのではないかと思い,再び越前浜(角田山麓公園線ぞいの道路脇)へ出かけました。
 まだ,薄明中でしたが北斗七星のますの下に単眼鏡を向けると,うすぼんやりした彗星の姿をとらえることができました。

写真データ
  2000年7月25日 20:41〜43
  50mm F2.8 ASA800ネガ
 現在彗星は,おおぐま座に位置しており,西(しし座)へ移動中です。
 明るさは6等前後といったところでしょうか。 ちりの尾がまっすぐ上に向かって伸びています。あると思われるイオンの尾は残念ながらはっきりとはわかりませんでした。透明度の高い空はもちろんのこと,もう少し高度が欲しいところです。

 2000年7月25日 20:53 56 59 21:02
  各3分露出したものを
   ステライメージ3で加算合成
  135mm F4
 
 21日に比べると,尾が広がっているのがわかります。リニア彗星は,7月26日に近日点(一番太陽に近づく)を通過し,地球からどんどん遠ざかり日没時の地平高度もだんだんと低くなっていきます。8月3,4日は三日月が近くに位置しますが,その時に尾を見るのは難しいかもしれません。

  2000年7月25日 21:23〜31
  各1分露出したものを加算合成
  16cm反射 F4.8




2000年7月21日
[北斗のますの下に注目!]
 7月20日,21日と巻町の海岸周辺に出かけてリニア彗星の観望を試みました。
 20日の「海の日」は,四ツ郷屋浜にいきましたが,漁り火が多く尾の確認にはいたりませんでした。それにしても,日本海の漁り火の明かりは強烈です。
 21日の晩は,越前浜(角田山麓公園線ぞいの道路脇)で観望しました。現在リニア彗星は北斗七星のますの下に位置しており,西へ移動しています。

 写真データ「北斗のますとリニア彗星」
  2000年7月21日 20:42〜44
  50mm F3.6 ASA800ネガフィルム 
 光度は6等前後で,コマの部分は明るく,単眼鏡でうっすらと伸びる尾が確認できました。
 左の画像は,135mmで3分露出した画像を3枚加算合成したものですが,白いダストの尾の上に2°ほどの長さの直線的なイオンの尾があるようにも思えますが,もう少し条件の良い時に確認してみます。
 このころの見かけの彗星の移動が大きく,300mmの望遠レンズで撮影したものは,3分露出のものでも,彗星本体は伸びて写っていました。

 写真データ
 「135mmレンズで撮影したリニア彗星」
  2000年7月21日 20:47 53 57
  各3分露出したものを
   ステライメージ3で加算合成
  135mm F3.6 
 16cm反射では,左の画像を淡くしたように見えました。少し横に伸びたコマと,前に見たときよりも少し拡散した尾が印象的でした。
 これから太陽に近づくにつれてダストの尾が発達するものと思われますし,高度も少し上がりますので(この時の高度はすでに20度をきっていました)条件が良い空では結構楽しめるのではないでしょうか。
 8月初旬のころまでは観望のチャンスがありますので,私もまた観望と撮影にチャレンジしたいと思います。

   写真データ
「望遠鏡で見たリニア彗星」
  2000年7月21日 21:15 16
  各1分露出したものを加算合成
  16cm F4.8 




2000年7月11日
[標準レンズでも写るんです]

 昨年9月にリンカーン研究所チームが発見した「リニア彗星」(C/1999 S4)の地球最接近の日(7月23日)が迫ってきました。
 7月11日の午前1時,月の影響で見えにくくなる前に星座と一緒の写真をとっておこうと思い,北側が海に面した聖籠町の網代浜にでかけました。
 撮影をしている間,5cm×7倍の単眼鏡に でペルセウス座の二重星団からゆっくりと下に向けていくと,フワッとした彗星の姿が浮かび上がりました。
 左の画像は50mmの標準レンズで撮影したものの一部分です。さすがに百武彗星ヘールポップ彗星とまではいかないものの,愛嬌のあるかわいい尾も写っています。
 これから彗星は見かけ上,どんどん西の方に移動していき,7月中旬からは日没後の西の空で見られるようになります。月明かりの影響を考えると,7月20日ころからは,夕方の北西の空で観望するのが適していると言えそうです。リニア彗星については,他にもいろいろなページで紹介されていますので,興味のある方は下記ページをご覧下さい。



135mm望遠レンズで撮ったリニア彗星(流れ星のおまけ付き)
 わずか1分の露出で彗星と流れ星が・・・。だが,極軸のセッティングを誤ったため,他の望遠レンズで撮ったコマは全滅でした。次こそは・・・。

写真データ
 (上)2000年7月11日02:35〜02:38 50mmF2.8 (下)135mmF2.8 01:55〜56
 いずれも ASA800ネガフィルム使用 ガイド撮影 部分
アストロアーツのホームページ   国立天文台広報普及室

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