南十字星が見たい !

 南半球に行ったら,ぜひ南十字星を見てみたいという方は多いことだろう。南半球では,2月から8月にかけてが南十字星の見やすい時期になる。先週も触れたが,南十字星とよく似たニセ十字と呼ばれる星の並びがあるので注意したい。少し左側にケンタウルス座の2つの1等星があるのでそれを目印に捜すとよいだろう。

 南十字星は南十字座という全天で一番小さい星座であるが,天の川をバックにしていることもあり,様々な星雲・星団が周囲にある。肉眼でもわかるものとしてコール・サック(石炭袋)と呼ばれる暗黒星雲がある。左の写真の南十字の左の黒い穴のような部分である。オーストラリアの原住民(アボリジニ)の人々は,エミューという大型の鳥が卵を抱いている姿に見立てていたそうだ。

 ぜひ写真にという方は,数秒以上の露出ができるカメラと三脚があれば,固定撮影でなんとか4つの星をフィルムに残すことができるだろう。ビデオカメラでも3つの星までは撮影することができた。(ソニーのハンディカムを使用) 

 グアム島やハワイなどで見たいという方もおられると思うが,残念ながら8月以降の宵の空では,南十字星は早い時刻のうちに南西へ沈んでしまうため見ることは難しい。春休みからゴールデンウィークにかけてが見頃といえる。そのかわり日本で見えるよりずっと明るい,いて座の濃い天の川を見ることができるだろう。

※南十字を形作る星は,1番南の1等星が「アクルックス」,左側の1等星が「ベクルックス」,上の2等星が「ガクルックス」という名前がつけられています。右の3等星には特に名前は付けられていません。「クルックス(Crux)」は十字架の学名で,その前にギリシャ文字のアルファ,ベータ,ガンマの頭文字をつけたものです。この付け方だと,残りの星は「デ(デルタ)クルックス」になるでしょうか。星の名前としてはとても新しい19世紀に,アメリカの天文学者,イライジャー・バリットが名付けたものと言われています。 参考文献 原 恵著 「星座の神話」 恒星社厚生閣

 南十字座付近の天の川

写真データ
 1995年 5月 4日 AM2:20(現地時間)35mm F2.8 1分露出 固定撮影
 オーストラリア ノーザンテリトリー エアーズロック付近にて

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先週の問題の答え
南十字星の4つの星を見ることができる都道府県は沖縄県ともう一つ「東京都」です。

えっ !

実は,東京都でも小笠原諸島などでは,春の宵の空,地平線ギリギリに,南十字星を見ることが可能です。さらに南の南硫黄島などは,沖縄や石垣島よりもっと南の方にあります。