(上) 暗い皆既となった1982年12月の月食
   1982年12月30日19:59〜1分露出
 タカハシ6.5cm屈折(F500mm)+or18mm拡大撮影
  ASA400リバーサルフィルム撮影地は右文章を参照


(下)オリオン座と皆既中の月(左上の赤いボール)
 28mm F3.5をF4に絞る 他のデータは上の写真と同じ
見えない月(皆既月食PART1)

 月食は,太陽の光によってできた地球の影に月が入っていく現象です。地球の影の中に月全体が入ると皆既(かいき・怪奇ではない)月食になります。
 来月の9月17日の未明にこの現象が見られることから,2回に渡って月食観察の体験談を紹介します。

 今を去ること15年前の1982年12月30日。日本全国で皆既月食が見られました。冬の晴天率の悪い新潟を避け,親戚を頼って大阪に写真撮影に出かけました。
 携帯型の望遠鏡(といってもけっこうな重さですが)をかついで特急「雷鳥」に乗り,7時間電車に揺られて到着。

 大阪は雲一つ無い快晴。部屋に置いたミカンの皮を乾燥させて風呂に入れているとのこと,(新潟ではあっという間に腐るか,かびだらけになります。)太平洋側の気候をうらやましく思いました。
 
 夕食後,車で生駒山の頂上付近の駐車場に連れていってもらい準備完了。午後6時41分から欠け始めた月は,約1時間12分かけて完全に地球の影の中へ入っていきました。
  「あれっ?」

 皆既月食が始まった午後7時53分。いつもの皆既月食であればレンガ色に輝く月を見ることができるはずなのに,どう目を凝らしても薄灰色の円盤のようにしか見えません。

見物にやって来た家族連れの人に
「月はどこにあるんでしょうね。」
と聞かれ,なんとか指し示すと,
「はあ・・・。全然見えないんですね」
と言われる始末でした。

皆既中の月の明るさは,地球の大気の状態に左右されます。この時は9ヶ月前に噴火したメキシコのエルチチョン山の噴出したチリの影響のため大気を通り抜ける光が減少し,きわめて暗い皆既月食になったと考えられています。

 せっかく大阪まで行ったのに・・。いつか必ずレンガ色の月を見てやるぞ!
 この夢が実現するのに,その後3年を要しました。

 
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