散光星雲には,その形などからニックネームをもつものが多くあります。しかし,この星雲ほど名前と姿がぴったり一致するものはないのではないでしょうか。
バラ星雲は,オリオン座のベテルギウスとこいぬ座のプロキオンのほぼ中間にあるいっかくじゅう座の散開星団NGC2244をとり囲むようにひろがっている散光星雲です。 大きさは満月の2倍もあり,空の暗いところでは色まではわかりませんが,ぼーっとひろがっている光のかたまりとして確認することができます。 バラの花びらのように見える部分には「グロビュール」と呼ばれる黒い塊があり,新しい星々が生まれようとしています。 バラ星雲のある「いっかくじゅう座」は,1624年ごろドイツの天文学者バルチウスによって認定された比較的新しい星座です。 写真データ ![]() バラ星雲 1997年10月1日02:10〜25 300mm F4.5 フジASA800 南大平キャンプ場にて撮影 |
| おまけ あこがれのバラ星雲 (ちょっと昔の天体写真の話) ざっと20年前,高校に入りたてのころ,天文雑誌の広告に載っていたバラ星雲の美しさに感激し,ぜひ撮ってみたいと思いました。 当時の天体写真用のフィルムといえば,白黒写真はトライX,カラー写真はスライド用のASA100〜200のものが一般的で,バラ星雲のような散光星雲はトライXではほとんど写らない対象でした。 また,星を点に写すために,望遠鏡をのぞきながら星の動きに合わせて手動で望遠鏡を動かす方法が一般的でした。(だから星の写真を撮る時には星空は見れない・・・) 初めてこの星雲の写真を撮ったのは,4月のまだ雪融け間もない頃で,山に機材をかついでのぼり,寒さに耐えながら20〜30分望遠鏡にへばりついていました。 スライドを見ると,ガイドに失敗して少し流れた星の中でボンヤリと星雲が写っている程度ですが,それでも当時はすごく喜んだの覚えています。 |
そのころちょうどコダックの103aEと呼ばれる赤い星雲がよく写る白黒フィルムが脚光をあびていました。(天文雑誌の広告もこのフィルムを使ったものでした) このフィルムは,赤い星雲を引き立たせるために濃い赤色のフィルターをつけます。そのため,照明などの影響が少なくなり,比較的夜空の明るい場所でも見事な写真が撮れるのでした。 高校の先輩にはこのフィルムを使いこなして素晴らしい写真を撮られている方が何人もいました(天文ガイドインタラクティブで作品集「星あかり」を紹介された渡部佳則さんもその1人です)。しかし,現像液などを含めるとかなり割高であったことなどから私はほとんどこのフィルムを使うことはありませんでした。 その後白黒フィルムはより粒子が細かいものへ,カラーフィルムはより高感度のものへと急速な進歩をとげることになります。 ちなみに上の写真を撮っている最中,私は車の窓から双眼鏡で冬の星巡りをしていました。 |
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