日本のヘビの飼育法
日本のヘビの基本的な飼育法を紹介します。
なお、特にヘビは多様な環境に適応しながら生息していますので必ず種ごとのページの飼育法を見て下さい。
参考文献:「爬虫類・両生類800種図鑑」ピーシーズ・「爬虫両生類飼育図鑑」マリン企画
飼育に向いているヘビ
アオダイショウ、シマヘビ、サキシママダラなど
ケージ
ヘビは大きさの割に小さいケージで飼育できます。一辺がとぐろの大きさの3倍ほどでも良いとされます。とにかく脱出の名手なのでケージ内に隙間は禁物です。
ポイント・・・蓋がしっかりとできること。通気をよくすること。
樹脂製の収納ケース・・・長所:安価・加工しやすい・軽い 短所:蓋に隙間がある
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衣装ケースを利用した自作ケージ |
ガラス水槽・・・長所:横から観察しやすい・いろいろなサイズがそろっている・規格にあったアクセサリーが多い 短所:しっかりと閉まる蓋がない・高価
プラケース・・・長所:安価・横から観察しやすい・蓋がしっかりと閉まる 短所:特になし
注意!!・・・とにかく脱走させないことを考えましょう。また、できれば横から世話ができるようなケージにすると良いでしょう。
設備
ケージ・床材・蓋・隠れ家・餌容器・水容器・保温器具
隠れ家は植木鉢などを使うと脱皮の際の手がかりになりますが、底の穴は閉じておきます。餌を飲んだ後などに太くなって穴に引っかかる事故を防ぐためです。
水容器は水浴びにも使うようなので大きめのものを用意します。ただし、よくひっくり返しますので重くて安定感のあるものを使います。
注意!!・・・多少は立体活動をできるように木の枝などを配する方が良いようです。
設置場所
光は不要である、という考え方が主流ですが多少は必要なのではないかと言われるようになってきました。昼の間の短い時間に光が入るようなところがよいのではないでしょうか。
注意!!・・・神経質な生き物なので人の通行が多いところなどはヘビが落ち着かず適しません。
照明
不要です。慣れてくると明るくても行動します。観賞用のライトくらいはあってもいいでしょう。
トルーライトが良いでしょう。または観賞魚飼育用のライトは紫外線が入っていないので安心です。
注意!!・・・容器内には必ず姿を隠すところを作りましょう。
床材
掃除などの管理がしやすい物を選びます。また、潜れるような物だと落ち着くようですがシェルターでまかなえるはずです。
新聞紙・・・長所:掃除が楽 短所:見た目が寂しい・下に潜ろうとする
人工芝・・・長所:見た目がきれい・下に潜らない 短所:湿気などがたまる・汚れが落ちにくい
ウッドシェイブなど(いわゆるおがくずの類)・・・長所:消臭効果がある・汚れたら捨てるだけ 短所:高価・水容器に入ってしまう
土など・・・長所:見た目がきれい・安価 短所:掃除が大変・ダニが涌く
餌
とにかく入手法がポイントになります。
ヘビの大きさに合わせたマウスがよいでしょう。ヘビによってはマウスだけでは栄養過多になる場合があるようです。冷凍マウスに餌付けると後が楽です。
その他、ヘビの食性にあわせて、カエル・オタマジャクシ・ミミズ・ドジョウ・トカゲ・ウズラなどが考えられます。これらもマウスに餌付けてバランス良く与えれば良いのではないかと思われます。
保温
南西諸島産の種はケージ全体を保温する必要があると思われます。遠赤外線ヒーターやヒヨコ電球を利用します。
管理
・水容器の水は常に清潔に保ちます。
・給餌間隔はマウスを食う成蛇ならば一週間に一度ほどでよいようです。それ以外の食性のヘビと幼蛇は2〜3日おきほどに与えます。
・世話をするときに脱出されないように注意をします。
・餌を食っている最中と食事後は刺激しないようにします。
・脱皮前になると体の色がくすみ、目が白くなります。神経質になっているので刺激しないようにします。
・生きた餌を与える場合は入れっぱなしにしないでしばらくして食わなかったら取り出して日を改めます。
・かみつかれたら必ず消毒をします。
・餌を食わないときは何かのサインです。とりあえず飼育環境を見直します。
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