日本のトカゲの飼育法
日本のトカゲの基本的な飼育法を紹介します。
なお、必ず種ごとのページで飼育法の確認をして下さい。
参考文献:「爬虫類・両生類800種図鑑」ピーシーズ・「爬虫両生類飼育図鑑」マリン企画
飼育に向いているトカゲ
ニホンカナヘビ、ニホントカゲ、アオカナヘビ、ヘリグロヒメトカゲ
ケージ
トカゲは活動的ではありますが小さいために思ったほどはケージの大きさは必要ではありません。ただし、上から手が入るのを嫌うために側面から世話ができる方が望ましいです。
ポイント・・・光が十分にとれること。脱出できないように高さがあること。横から観察できること。横から世話ができること。
プラケースや水槽が適しています。また、衣装ケースは加工して使うと良いと思います。
注意!!・・・日光はガラスやプラスチックを通すと紫外線が減少します。蓋は金網や針金を組んで作った棚などを利用しましょう。
設備
ケージ・蓋・床材・水容器・餌容器・保温器具・照明器具・シェルターはほとんど例外なく必要になります。
注意!!・・・
設置場所
カーテン越しの光でも良いから日光が当たるところがいいと思われます。夏に温度が上がりすぎる場所は良くありません。
注意!!・・・猫やカラス、犬などに注意しましょう。
照明
トカゲには紫外線が必要です。しかし、カメほどは要求しないようです。
トルーライト・各社が発売している爬虫類専用ライトなど。
もちろん、直射日光が当たる場所で飼育すれば特別な照明は必要ありません。
注意!!・・・容器内には必ず姿を隠すところを作りましょう。熱射病になったり、紫外線の浴びすぎになります。
床材
床材に潜る種類が多いので潜っても体が傷つかないような柔らかいものを用意したいところです。
パームピート、ピートモス、バーミキュライト、赤玉土、腐葉土などを混ぜて使うといいでしょう。
注意!!・・・ただしあまり潜りっぱなしにすると観察とメンテナンスに支障を来しますので、なるべくならば隠れ家を多く作った方がいいでしょう。
餌
トカゲ飼育の重要なポイントだと思います。基本的に昆虫食です。様々な昆虫を中心にして補助食を与えると良いでしょう。
コオロギ・・・これがメインになると思います。栄養添加を忘れないようにします。
ミールワーム・・・便利ですが消化が悪く、栄養バランスが悪いので主食にはできません。脱皮したての白いものを与えたいところです。
ブドウムシ・・・とても嗜好性がよく食べないトカゲはいないと思います。ただし、高価なので主食にできません。栄養バランスはよくわかっていません。栄養添加を忘れないようにします。
ピンクマウス・・・ぶつ切りにするとスキンクの仲間は好んで食べるようです。ただし、自然下では食っていないので与えすぎに注意したいところです。
採集した昆虫・・・野外で小さな昆虫やクモ、ミミズなどを採集してきて与えます。本当はこれを主食にしたいところです。週一回ほどは与えたいところです。ただし、農薬散布されていないところのものを与えます。
緊急補助食・・・牛乳、卵黄などは体調が悪そうなときに時々。鶏肉はどうしても他の餌がないときに与えてもいいと思います。鶏肉は栄養の添加を忘れずに。
注意!!・・・太りすぎに注意しましょう。また、複数で飼育しているときはすべての個体が餌をとっているか確認しながら与えます。
保温
本土の種類ならばさほど気にしなくてもいいのですが日光浴で体温を上げてから行動する生き物なので局所的な高温部(ホットスポット)の設置を推奨します。また、南西諸島の種類は冬眠しませんので冬はケージを加温して飼育します。
ホットスポット・・・白熱球やレフ球などでケージ内の石などを暖めます。また、石を模した「ストーンヒーター」なるものがありますのでそれを使っても良いでしょう。表面温度が30℃以上になるくらいに暖めます。
ケージの保温・・・遠赤外線ヒーターやヒヨコ電球などを利用します。
管理
・給餌間隔は1日おきでよいでしょう。目に見えてやせてくることのないようにします。
・とにかく、できる限り餌にバラエティを持たせます。
・ピンセットで給餌するとすべての個体に餌が行き届きます。
・少なくとも飼育個体と同じ数以上の隠れ家を用意します。
・水容器を常設しますが毎日霧吹きで水を与えましょう。
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