宮古島旅行記その2

さて、2日目になりました。
今日の最大の目標は、昨日敗走を喫したミヤコカナヘビのゲットです。(小さい...)
トカゲの仲間は一般に朝は体温上昇ためのんきに日光浴をしているので午前中ならば何とかなるはずです。
現場に到着した後昨日の教訓を生かして虫よけを塗ったくり完全装備で臨みます。
草むらを見ると狙い通りミヤコカナヘビの姿がありました。しかも、気のせいか眠そうな顔をしています。そ〜っと、近づいて手を伸ばします...
成功!!
幼体も含めて何個体かの捕獲に成功しました。世界でも宮古島にしかいないトカゲである、と言った自己満足に浸りながら次のポイントに向かいました。

次のポイントはビーチです。
何とか
ミヤコトカゲを拝みたいという考えからです。ビーチに向かう真っ白な砂の道の傍らにガジュマルの木がありました。その下には多くの枯れ葉が。
足を踏み入れてみるとかなりの数のサキシマスベトカゲの姿が見られました。また、のんきにこちらを見ているミヤコヒキガエルもかわいらしいです。必要な数のスベトカゲを採集した後、海水浴に向かう観光客の白い目も気にせずさらに砂の道を行きました。
ふ、と足元を見ると何かが蠢いています。しゃがみ込んでびっくり!!
「うわっ!!ヒメヘビ!!」
あらかじめの情報で、この世界でも最小クラスの珍ヘビが宮古島に分布していることは知っていたのですが、もともとがリッター層の中に生息しているヘビと言うことで遭遇さえも期待していませんでした。神様に感謝...
と、同時に何か見たこともない昆虫が歩いていたのでこれもゲット。後から調べてみるとアシブトメミズムシというカメムシの仲間であることが判明。自然の奥の深さに感動しながらその場所を後にしました。
さらに、砂の道を帰ると石の上に何か素早く動く姿を発見。
「すわ、ミヤコトカゲか!?」
と期待に胸が膨らむも確認できず。後から考えると天然記念物のキシノウエトカゲだったように思えます。あ〜捕まえなくて良かった。
また、ここでは本土のそれよりも一回り大きいヌマガエルも見ることができました。

その後、水を求めて地図中の小さな川へ。
川自体は護岸されているいわゆる「どぶ川」でしたので水辺の生き物は断念。しかし、コンクリートの割れ目の隙間を見るとおびただしい数のヤモリの姿が見られました。
その中に妙に尾が太い個体がいたのでオンナダケヤモリとも思い必死で追い出しましたが残念ながらさらに奥へ逃げていき断念。夜に再度チャレンジすることを誓いました。
さらにミヤコトカゲを探しに海岸にも出てみたのですがいかんせん何の情報もないままでしたので断念。ミヤコトカゲは次以降の目標になってしまいました。

夜になり昨夜同様ヘビ探索をメインの目標に置きました。
おびただしい数のミヤコヒキガエルとオカヤドカリをひき殺さないように慎重に自動車を運転しましたが、いよいよ本格的に雨が降ってきました。まさに道路はミヤコヒキガエルの社交場と化しました。不覚にもひき殺してしまったカエルさんごめんなさい。
と、この雨の中助手席に座っていたS氏が道路を横切るサキシママダラを発見。電光石火の早さで車を降りゲット。サキシママダラの臭腺攻撃と噛みつき攻撃にもあいながら慎重にヘビ袋へ収納します。
ちなみにこの臭腺攻撃は大変なもので捕獲した3匹すべての入ったヘビ袋の臭いを試しに嗅いだところ、本当に卒倒するかと思うぐらいの臭さでした。あれならば身を守るための手段として有効に働いていることを身をもって知りました。
その後、昼間のヤモリのポイントへ足を運んだのですがやはりこの雨の中ではヤモリもお休みのようでした。しかし、この雨で索餌に出ることができず食事にありつけないヤモリたちにも同情してしまいました。しかし、ここでも雨を喜んでいるかのように体を伸ばしきっているサキシママダラを発見。臭さに負けることなく捕獲。しかし、雨の激しさと疲れ、反面満足のいく結果のため宮古の最後の夜を終えました。

帰る日がやってきました。

天候もあまり良くないためにフィールディングはしないことにし、島内をまわって見ることにしました。
しかし、島の中に所々ある良さそうなポイントを見る度、再びここに訪れることを想像しまた、誓いました。
確かに宮古島は想像以上に開発が進んでおり生物相も他の南西諸島に比べると貧弱ではありますが逆にその特異な環境の中で生きている生物たちに、この島だからこその魅力を感じずにいられません。
この貴重な島の自然と人間の生活が、せめて共存できるようになることを望んでやみません。

そんなことを考えている間に雨はいよいよ激しくなり気づいてみたら台風接近の知らせ。
いくらここが気に入ったとしても悲しいかなサラリーマン。明日は仕事です。今日中に帰ることができるかどうかの不安がよぎりました。
しかし、さすが沖縄の飛行機。これぐらいはへっちゃらだそうで、無事私は帰途につくことができたのでありました。

そして、すっかり「南西諸島フィールディング中毒重症患者」というレッテルが貼られた男が一人、鹿児島空港に降り立ったのでした...

おわり

トップにもどる
旅行記のページにもどる
INDEXページにもどる