ツタンカーメンの死後、たった一人残されたアンケセナーメン。
一度はアイと形だけの婚姻を結びましたが、アイが死んだ後は、もうホルエムへブとは再婚しませんでした。
ホルエムへブはほかに王位継承権を持つ、王家の女性の誰かと形式だけの婚姻を結んで王位についたようです。
もうなりふりかまわずって感じで…。
しかし、これも当然の成り行きだったとも言えます。
だってホルエムへブはアクエンアテンの時代から、いつかは自分がファラオになる日の青写真を、頭の中にずっと描き続けて
きたんですから。
そして陰で画策しつつその日が来るのをじーっと、じーっと待ち続けていたんでしょうから…。
その後、アンケセナ−メンの記録は、歴史からピタリと消えてしまっています。
王宮から追放されてしまったという説もあるんです。(おそらくホルエムへブに)
亡くなった最愛の夫、ツタンカーメンとの想い出にひたりながら、ひっそりと暮らしていたんでしょうか。
ツタンカーメンをみとったアンケセナ−メンの心情は「ツタンカーメン発掘記」(ハワード・カーター著)のなかに感じ取る
ことができます。
……ツタンカーメン発掘者のカーターが、いよいよ幻の王の棺をあけ、まさにそのミイラと対面しようとしたときの話です。
まばゆいばかりの黄金にきらめく人形棺。
所々にはめられている貴石や美しい細工。
けれど、それら豪華なものよりも
カーターの目を引いたのは、額のそばに供えられていた矢車菊の花束だったそうです。
カーターは、少年王ツタンカーメンの死をみとったであろう若い王妃アンケセナ−メンの心境を思い、激しく心を打たれました。
そのときの感動を、カーターはツタンカーメン発掘記の中で述べているのですが、とっても心に響く良い
言葉だったので書き出してみました。
……まさに運命に翻弄されたファラオといえるツタンカーメン。
その波瀾に満ちた人生の中で、いつも側にいて自分を支え,
そして励ましつづけてくれたアンケセナ−メンは、本当に心やすらぐ、あたたかな、かけがえのない存在
だったんじゃないかなって思います。
闇遊戯には、今はファラオだった頃の記憶がありませんが、きっと、つらい、苛酷な出来事の中にも、
心温まる思い出や、大切な人の存在があったはずだと思います。闇遊戯にとってのアンケセナ−メンのような
存在…
もしかしたらそれが、神官の中の誰かだったり、シモンだったり、するのかも知れません。
(私としては、それがこれから記憶の世界の中で出会うことになるであろう表遊戯や仲間達であって欲しいです…)
遊戯王の古代エジプト編はまだ始まったばかり…
これら実際に起こった古代エジプトの歴史上の事実と遊戯王とが、今後どの様に交差してゆくのか…
これからの展開がますます楽しみです。
ツタンカーメン…古代エジプト第十八王朝時代の混乱期の中で、
抗うことのできない運命に翻弄されながらも、精一杯それに立ち向かっていったこの若きファラオは
やはり遊戯のモデルとなったファラオだった……と、そう私は考えるのです…