コラム 第34回 「皆既月食を見よう!」

      新潟で見られれば7年ぶりの皆既月食を楽しむ
      最終更新 2000年7月6日 

 7月16日の日曜日午後9時少し前から,久しぶりに皆既(かいき)月食が見られます。
 月食は,太陽・地球・月が、ほぼ一直線に並ぶと起こります。この時は,地球の影に月が入っていき,影の中に月全体が入ると皆既月食になります。
 これは,その年や前年に噴火した火山の噴煙により,大気を通り抜ける光の量が減少したためであると考えられています。(’82年はメキシコのエルチチョン山,’93年はフィリピンのピナトゥボ火山)。このように,皆既月食中の月の明るさは,地球の大気の状態を知るバロメーターになります。なお,今回の月食は,これまで大規模な火山噴火がないため,それほど暗くはならないと予想されます。

 皆既月食は午後11時49分に終わり,月は左側からその輝きを取り戻していきます。月食の終わりは,翌日の午前0時54分ごろです。

 月食は月の色の変化が楽しめるカメラやビデオ,あるいはスケッチで記録に残しておける絶好の天文現象です。
 カメラ撮影の場合は,皆既中を除くと,月が明るいので,比較的写しやすい対象です。ただ,大きく撮るためには望遠鏡や望遠レンズ,コンパージョンレンズといった機材が必要になります。また,皆既中の月は暗いので,拡大して撮るには,星の動きに合わせて望遠鏡を動かす必要がありますが,小さくてもよいのであれば,数秒〜数十秒の露出で星々と赤い月を同時に撮影するこのも可能です。下に写真撮影の露出の目安を掲載しておきましたので,ご参考まで。
 この他にも最近流行のデジタルカメラを望遠鏡の接眼レンズに直接当てて撮ったり,ビデオカメラで撮影したりすることも可能です。特別な道具がないという方も時間とともに変化する月の欠け方や色などをカラースでケッチするのもおもしろいです。
 梅雨のはっきりしない天気が続く季節ですが,今回の月食は皆既の時間が1時間47分と長いので,一瞬でもオレンジ色の月を見られる可能性は高いといえます。夜更かしをしてでも当日はぜひ月を眺めてみてください。なお,次回皆既月食が新潟で見られるのは来年の1月10日の明け方になります。 
 
 参考文献 :「天文誌スカイウォッチャー」7月号
「スカイ ウォッチング事典」 2000〜2005 朝日新聞社
 全国で見られる皆既月食は2年10ヶ月ぶりですが,前回は,悪天候のため新潟で見ることはできませんでした。今回見ることができれば実に約7年ぶりのことになります。
 午後8時57分。月は左下の方から影に入り始め,午後10時2分頃に皆既月食が始まります。 地球の影に入った月は,完全に見えなくなることはなく,オレンジ色に見えます。地球の大気を通った光が屈折して地球の影に入り込むためです。赤く照らしだされた月は,それまで満月の明るさに隠れていた星々に囲まれてぼんやりと浮かび上がります。
 しかし,この時,月がほとんど見えない場合もあります。1982年12月や1993年6月に日本で見られた皆既中の月は,その存在を確認するのが難しいほど暗いものでした。



新潟では雲間に皆既月食を見ることができました

皆既月食1982年    皆既月食1985年

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月食撮影の出時間の目安 (ASA400フィルム)
欠けた量 絞りF8 絞りF16 今回の月食で目安の時刻
0%(満月) 1/1000秒 1/250秒 〜20:57 00:54〜
20% 1/500秒 1/125秒 21:10 00:40
40% 1/250秒 1/60秒 21:25 00:30
60% 1/125秒 1/30秒 21:35 00:15
80% 1/60秒 1/15秒 21:50 00:00
皆既前後 2秒 8秒 22:02 23:49
皆既中 20〜60秒 80〜250秒 〜22:56〜
*フィルムの感度がASA100の場合は上の露出の4倍800の場合は上の露出の1/2倍になります。
**実際の撮影では,その時の空気の透明度の影響を受けるので,前後1段階の露出でも撮影しておくことをおすすめします。
参考文献:「天文年鑑」2000年版 誠文堂新光社