月齢7.6の月へ           月齢9.8の月へ

ティコ
 上弦を少しすぎた月の下の方,「高地」と呼ばれるクレーターが密集した部分の欠け際に「ティコ」と名付けられたクレーターが見られるようになります。
 他のクレーターに比べてそれほど大きいわけではなく,くぼみ方がはっきりしているといった印象ですが,満月に近くなるにつれて目立つようになってきます。
 なぜなら,「光条」(こうじょう)と呼ばれるクレーターを取り囲む光のすじが見えてくるからです。光条のあるクレーターは最近できた新しいクレーターで,「ティコ」は約2億年前にできたといわれています。光条は隕石の衝突時に放出された厚さ数10cmにも満たない薄い堆積物で,太陽風などの影響により数〜数十億年で見えなくなってしまいます。 (画像をクリックするとクレーター付近の大きなサイズの画像が見られます)

月の地名
 月のクレーターや海の名前は,17世紀中頃にイタリアのリチオリとグリマルディが発表した月面図がもとになっているものが多く,現在使われている名前は,1934年に国際天文連盟の命名委員会で整理されたものです。
 海には「晴れの海」「雨の海」といった天候を表すものや,「豊かの海」「静かの海」といった精神状態を表す言葉が使われています。
 クレーターには,「アリストテレス」「ピタゴラス」「アルキメデス」「ティコ」「ダーウィン」「ハーシェル」「メシエ」などなど・・・昔の哲学者や科学者の名前がつけられているものが多くあります。リチオリは,昔の人名ほど月の北側(上),新しい人名ほど月の南側に名前をつけました。17世紀のうちに大きな目立つクレーターのほとんどに名前がつけられてしまったので,19世紀に活躍した科学者は,周辺部の目立たないクレーターにしかつけられていません。
 一方,1960年ごろから,探査衛星によって月の裏側の地図が作られるようになりました。月の裏側 のクレーターの中には,「長岡(半太郎)」「仁科(芳雄)」「木村(栄)」「山本(一清)」「畑中(武夫)」「平山」といった日本人の科学者の名前もつけられています。

 さらに,水星のクレーターには,「ベートーベン」「シューベルト」「ドストエフスキー」といった芸術家や文学者の名前もつけられており,この中には「ムラサキ(紫式部)」「ヒトマロ(柿本人麿)」「バショー(松尾芭蕉)」「ツラユキ(紀貫之)」「清少納言」「狩野永徳」「安藤広重」「吉田兼好」「クロサワ (黒沢琴古)」「井原西鶴」「俵屋宗達」「藤原隆能」「鈴木春信」「運慶」「世阿弥」「二葉亭四迷」といった日本人15名も選ばれています。

参考文献 : 白尾元理,佐藤昌三共著 
        「図説 月面ガイド」 立風書房

 写真データ
★月齢8.6  2000年4月13日 18:46
  新潟県立自然科学館 10㎝屈折望遠鏡 K-60
   SONY Digital Mavica MVC-FD88にて撮影 
彗星・月などの写真リストへ   星空写真集へ
   
月の画像集トップへ     トップページへ