母の愛に守られて・ニホントカゲ
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撮影:星野一三雄 |
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繁殖期で婚姻色が出た雄・成体 撮影:星野一三雄 |
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撮影:かなかな |
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撮影:姉崎 悟 | 撮影:星野一三雄 |
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オス同士の闘争 撮影:鎌倉 章 |
和名:ニホントカゲ
学名:Plestiodon japnicus 旧学名Eumeces japonicus
※2006年に改訂された日本爬虫両棲類学会の標準和名リストによって従来のEumecesからPlestinodon に変更されました。以下の解説では、旧学名を使用しております。ご注意下さい。
- 分布
- 北海道、伊豆半島を除く本州、四国、九州、男女群島、大隅諸島などの周辺の島々。対馬には分布しません。(以下、姉崎分布情報)・・・愛知県篠島,広島県厳島(宮島)
- 生態
- 草地や石垣、日当たりの良い斜面などでよく見かけられます。特に石垣などでは出たり入ったりしてなわばり争いなども観察できることもあります。隠れ場と日光浴ができる場所さえあれば市街地などでも見られます。
昆虫やミミズなどを食べていますが果実なども食うことがあるようです。4〜5月に交尾をし、年1回、5〜6月に石の下や巣穴で5〜16個の卵を生みます。メスは産卵後、孵化まで卵を守ります。
- 全長
- 160〜250mm。頭胴長は60〜96mm。
- 参考文献
- 日本動物大百科5両生類・爬虫類・硬骨魚類:平凡社
爬虫類・両生類800種図鑑:ピーシーズ
Junko Motokawa and Tsutomu Hikida.2003.Genetic Variation and Differentiation in the Japanese Five-Lined Skink, Plestiodon latiscutatus.ZOOLOGICAL SCIENCE Vol.20(2003)No.1.97-106
- 解説
- 本来「トカゲ」とは本種をさしますが特に東日本ではニホンカナヘビを「トカゲ」と呼ぶ人が多いようです。金属光沢があり特に幼体ではしっぽがきれいなメタリックブルーになっています。幼体の体色は黒地に金色の縦条がありますが成長とともに消えていき成体では薄い褐色になります。オスは繁殖期にのどや腹部がオレンジ色になります。
ニホンカナヘビに比べると非常に素早い動きなのでなかなか捕まえることができません。運良く捕らえてもしっぽを切られてしまいます。ちなみに幼体は再生したしっぽも青くなります。
- 飼育
- 現在、幼体を1匹飼育しています。ガラス水槽に床材として赤玉土。シェルターとして植木鉢のかけら。水入れを常設しています。餌はコオロギなどの虫、時々果物や鶏肉を与えています。紫外線は不可欠であると考えられますがカナヘビよりは少なくて良いように思えます。
また、特によく土に潜るので床材はヤシ殻土などの細かいものの方がよいように思えます。複数飼育できるという意見と激しい闘争をするという意見があります。幼体から飼育していれば飼育できるようですが私のところでは幼体の頃(兄弟ではない)から結構かみ合いをして1匹はめためたにやられました。
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- コメント
- とてもきれいなトカゲです。子供の頃からあこがれていたのですがあの動きは捕まえるには早すぎてなかなか飼育の機会に恵まれませんでした。今後はかなり気合いを入れて飼育に臨んでいきたいと考えています。
また、成体をしっかりと飼い込むと巣穴を作ったり母親がかいがいしく子供の世話をしたりと興味深い姿を観察できるようで今から楽しみにしています。
生化学的な調査によると、今までニホントカゲと思われていた伊豆半島の個体群も本種であることがわかったようです。で、今までニホントカゲのタイプ標本の産地が伊豆半島下田産、つまりオカダトカゲであることがわかったため、学名も変更になりました。
また悪石島以北のトカラ列島に分布している個体群は本種と考えられていましたが、オキナワトカゲであることがわかりました。さらに、男女群島の個体群と大隅諸島の個体群も遺伝的に本土の個体群と大きく差があり、驚きなのは関西付近を境に東日本の個体群と西日本の個体群は亜種として分けることができる可能性があるほど遺伝的に差があるようです。
つまり
- 北海道、本州、四国、九州(大隅諸島、男女群島含む)、悪石島以北のトカラ列島産のPlestiodonはすべてニホントカゲPlestiodon latiscutatus
- 伊豆諸島産はオカダトカゲPlestiodon okadae
| が | - 北海道から名古屋付近までの本州産(伊豆半島は除く)は東日本の集団のニホントカゲPlestiodon japonicus
- 伊豆半島産はオカダトカゲPlestiodon latiscutatus
- 関西から九州さらに大隅諸島までは西日本の集団ニホントカゲPlestiodon japonicus
- 西日本の集団の中には男女群島産と大隅諸島産はそれぞれ遺伝的に違いが見られるニホントカゲPlestiodon japonicus
- 悪石島(論文では諏訪之瀬島)以北のトカラ列島の個体群はオキナワトカゲPlestiodon marginatus
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と言うことだそうです。
写真を提供してくださった姉崎さんとかなかなさんと鎌倉さんに心から感謝しお礼申し上げます。姉崎さんのHPはhttp://www.shimanotori.com/、鎌倉さんのHPはhttp://bee.cocolog-nifty.com/です。かなかなさんにメールを送りたい方は私、星野まで。 ※スパム対策のためメールアドレスの「@」の部分を「☆」に変えています。恐れ入りますが、メール作成画面起動後「宛先」欄の「ihoshi☆mb.infoweb.ne.jp」の中の「☆」を「@」に書き換えて下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。
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