久米島・沖縄本島南部旅行記その2

さて、昨日のフィールディングの大成功に気をよくしながら宿を後にします。

今日は...そう、沖縄本島南部でのフィールディングです。

以前、本当を訪れたときに本島の南部へは、いわゆる観光でまわりました。そのときの印象が強く、「南部は開発されている」と考えていたので南部でのフィールディングは正直あまり期待していませんでした。

ただし、今回は別の大きな目的があります。

思いがけず、ネット上で知り合った多くの友人と一緒に会えることです。

すなわち、トカゲモドキの達人・・・今井氏

トカゲの達人夫婦・・・櫻井夫妻

沖縄のヘビ使い・・・寺田氏

暴走獣医(見習い)ことマッド・スネーカー・・・ばいかだ氏

そして、大馬鹿者・・・私

自分で言うのも何ですが、こんなメンバーでフィールディングができるなんてそうそうありません。結果がどうあれ、みんなと顔を合わせられるのが私にとっては何よりもうれしいことです。

久米島で合流した今井さんとまた再び久米島を訪れることを誓いながら本島行きの飛行機へ乗り込みます。

相変わらずの美しい海。

あっという間に飛行機は那覇空港へ着陸。この日、寺田さんは石垣島から戻ってくるはずですが、当初の予定ではわたしたちの方が早くに着くはずでした。ところが、到着ロビーに早くも寺田さんの姿を発見。一本早い飛行機に乗れたとのこと。

石垣島からの手みやげはサキシマバイカダです。いかにも寺田さんらしい...

さて、次に姿を現したのは、すでに6月初旬に九州南部から暴走フィールディングを続けていた「ばいかださん」です。相変わらずの「へろへろ」ぶり。しかし、彼のカバンから手みやげに出てきたのは、南西諸島で最も謎であるタシロヤモリでした。

そうこうしているうちに関西からの飛行機の到着とともに櫻井夫妻登場。あれっ?えらい軽装だなぁ。ついでにノリも軽いです。

空港のうどん屋さんで乾杯後、早速宿へ向かいます。のんびりした民宿では留守番もいない状態。のんびりと沖縄の風を楽しむように待っていると早くも全員ハンターの視線に。その視線の先にはおなじみのホオグロヤモリの姿が。

部屋に入った後は、おなじみの情報交換を。

沖縄の夏の日は長いのでかなりの時間になってからフィールドの選定へ。

なかなかイメージできなかった南部でのフィールディングですが、琉球石灰岩の林の中に入ってみて納得。程良い通気と湿度、そして明るさ。これならば、いろいろと見られそうです。

久米島でも見ることができたのですが枯れ葉の上をちょろちょろと走るヘリグロヒメトカゲの姿はその予感を証明するのに十分な存在感です。

さらに、樹上を見ればオキナワキノボリトカゲミナミヤモリの姿が。さらに池を見れば、確かにここが沖縄であることを証明するようにシリケンイモリが姿を見せます。

しかし、ここであまり張り切りすぎてはいけません。いつものようにフィールディングのメインはあくまで夜の部です。

宿に戻り、暗くなると同時に全員にわかハンターに早変わり。で、そのままの格好で近くの食堂で腹ごしらえです。謎のメニューに舌鼓をうちながら談笑。明日になればまた普段の生活に戻ることを忘れながら楽しいひとときを過ごしました。

さて、いよいよ、夜の森へ入ります。何が見られることやら...

と、そのとき

「あっ!!」

と誰ともなく声を上げます。見られる期待はあったのですが、まさかこんなに簡単に...

クロイワトカゲモドキでした。たった、二日間でトカゲモドキを2種類も見ることができるとは、なんて幸運なんでしょう。もちろん天然記念物ですので穴が開くほどみんなで観察。感動のひとときを共有し合いました。

その後、トカゲモドキは何頭か観察。いまだ健在であることに多少ほっとさせられました。

昼間見た池ではオキナワアオガエルが繁殖期なんでしょうか、大合唱をしています。

足下にはリュウキュウカジカガエルヒメアマガエルなんていうおなじみのメンバーが顔を出します。

また、今回は初の顔合わせとして外来種ながら渋い魅力を持つシロアゴガエルにも出会うことができました。

夕べの不覚を思い出しながら、今回はハブの達人寺田さんを連れているので、

「いつでも来い!!ハブよ!!」

と意気込んではみたものの結局ハブどころかヘビと出会うことはできませんでした。残念。

しかし、私が「今度こそ!」と思っていたヘビに出会うことができました。残念ながら死体でしたがブラーミニメクラヘビです。あわれ、生きている間に食べたアリですが死んでしまってはそのアリの餌食です。厳しきは自然の起きてなり、と言うところか。 (翌日、寺田さんが飼育されているメクラヘビを見せていただくことができましたが)

結局この日は2カ所のポイントで十分に南部のフィールディングを堪能しました。

すべてのフィールディングを終え道路端で、人間が寝静まったことを確認してから行動をはじめたオカヤドカリとホオグロヤモリに見つめられながら自動販売機で買った缶コーヒーのうまいこと。まさに最上の幸せを感じる瞬間です。

今回は実にみのりあるフィールディングでしたが、何よりも同じ趣味を持つ多くの友人と一緒に野山を駆けめぐることの楽しさを改めて知ることができました。

今、家には昨年飼育に失敗してしまったために今回連れて帰ってきたヘリグロヒメトカゲがいます。

彼らを見る度に久米島で出会ったハブ、2種のトカゲモドキ、変な生き物ブラーミニメクラヘビ...そしてネット上で知り合って同じ瞬間に同じ場所で同じ感動を味わった友人達のことが思い出されます。

いつもなら、ここで「自然」に感謝を捧げるところですが、今回に限り

「ありがとう、インターネットとネット上に確実に存在する多くの友人達」

おしまい。

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