ついにアニメオリジナルドーマ編も最終回…
今回はきっと見所満載であろうことや、私にとって最も大きな興味の対象だった“ダーツさんの心の行方”を
じっくり堪能できることを心待ちにしていたのですが…予想に反してストーリーの方は、それぞれのキャラたちの回想を中心とした総集編っぽい
内容で構成されていました。
しかもダーツさんに至っては、オレイカルコスの呪縛から解放された途端、全く別人のような
あまりにも平凡過ぎるアトランティスの王に戻ってしまい、彼自身の心の動きが全く描かれていなかったことが以外でした。
少し物足りないような気もしましたが、その後思いました…
ドーマ編の悪役ボスキャラであるダーツは実は、敵の象徴的役割に過ぎず、敵役として真に描き出したかったのは、やはり“ラフェ−ル”“アメルダ”“ヴァロン”、
ドーマの三銃士たちの姿だったのではないかと……もちろん舞のことも忘れてはいけませんが…
そういう意味では、諸所で挿入されていた回想シーンも、数々の闘いや心の葛藤を思い起こすことによって、それを乗り越えて立ち直ることのできた現在の姿を、よりリアルに
共感することができたので良かったと思います。
今回は泣ける程のシーンはなかったような気がしますが、私としては一番ラストの、
表遊戯がもう一人の自分に心の中で語りかけるシーンが最高に良かったと思います。
“今の彼は心の闇を乗り越え新しい光をつかんだ!”
『光の中を歩め』…予告を見たときから、まずこのタイトルの響きがとても気に入っていたのですが、
実はこのタイトルを見た時、この言葉はおそらく、オレイカルコスの闇から解放されたダーツへ向けられた言葉なのだろうなと考えていました。
しかし実際に見てみるとそうではなく…それは、自らの心の中に全ての闇を背負ったファラオとしての闇遊戯へと贈られた、もう一人の自分…表遊戯からの言葉だったのですね。
自らの心の闇とともに、この星の持つ心の闇をも、その胸にしっかりと封印し、新たな希望の光に向かって歩んで行く…
そんな思いを、あくまでも闇遊戯自身は何一つ語ることなく…もう一人の自分と互いに見つめ合う瞳の光の中に、
揺るぎ無い決意をはっきりと感じ取ることができる…そんな限りなく爽やかで感動的なラストだったと思います。
さて、お話の方は前説なしで、いきなり先週の続きの場面からです…
「さあ来い!!、貴様の怒り…憎しみ…全て受けとめてやる!!
この星の心の闇よ…このオレにとりつくがいい!!」
地球の心の闇の象徴である大蛇が、黒い渦となって遊戯の身体を呑み込もうとする…
遊戯が負ければ…その心は深い闇に支配され第二のダーツになってしまう…
両手を広げ、巨大な闇の誘惑に必死で耐える闇遊戯…その様子を側で見ていた表クンは心配のあまり駆け寄ろうとするのですが…
しかし…「来るな!相棒!!」という闇遊戯の声に阻まれてしまう…
闇遊戯:「これはオレの闘いだ…オレの正義と信念をかけた…」
もう一人の自分のその言葉に、表クンは、以前のラフェ−ルとのファーストデュエルのシーン…“オレイカルコスの結界のカードを使おうとした時に闇遊戯が言った、全く同じ言葉を思い出します。
(皆様、覚えていますか?あのシーン…忘れてしまった方はこちらをご覧下さい…)
しかし心配そうに見つめるもう一人の自分の心中を察したように、闇遊戯は力強くこう言います。
「だが、あの時とは違う…相棒…必ずお前との別れはやってくる…
いつかはそれぞれ…たった一人で闘わなきゃいけない時が来る…それが今だ!!」
う〜ん…ついに言っちゃいましたね…今まで禁句とさえ思えた相棒との“別れ”についての語り…
しかもこれほどまでに淡々と言いきってしまうとは…
おそらく以前の表クンならば、平常心でこのセリフを聞いてはいられなかったでしょうね。
アニメの表クンは強いですから…もう一人の自分に何を言われようとも常にその先を見ている冷静さがありますから…
この時闇遊戯がやろうとしていたこともきっと既に理解していたのかもしれませんね…
そんなもう一人の自分に見守られながらも必死で闇に耐える…
「まだだ…この闘いの中でオレが得たもの…オレに託された使命…
それはオレの…そしてみんなの思い…」
次に闇遊戯は石の荒野での表遊戯とのデュエルを思い出します。
〜もう一人のボク…どんなに苦しくても迷わないで…
絆を信じて…キミは一人じゃない…いつもキミを信じてる仲間や、モンスターたちが一緒に…
離れていても、ボクは側にいる〜
(あの名シーンをお忘れになった方はこちらをご覧下さい。)
だが、闇はいよいよ激しく遊戯を襲う…それでも遊戯は必死で立ち向かいます。
「まだ…まだお前などには決して燃やせないものが、オレの中には…」
次に遊戯が回想したのは、アイアンハートとクリス…城之内…ラフェ−ル…そして海馬…大切な人たちの魂が封印されてしまったシーン。
そして、あの場面を思い出します…
ダーツとのデュエルの局面…
〜最初から何も…彼らを失ったなら何も残らない…だからオレは消える… そうだ…オレはもともと“無…”千年パズルに閉じ込められた…オレには何もない〜
大切な仲間を次から次へと失い、自分の存在…闘うことの意味…全てを自体を否定しかけたその時…
それでも尚、消えなかったもの…
〜過去の記憶…肉体…何も存在しないオレにもあるのか… 心の底に決して消えないものが…
そうか…オレは気付かなかった…オレの心の底にはみんなとの絆でつくりあげた記憶の器がある…
それがオレの全て…オレは無じゃない…
オレの中にその器が残っている限り、オレは何度でも生まれ変わることができる…〜
それを思う時、闇遊戯の中には再び新たな力が生まれます。
「オレの中に消えないみんなの記憶…光の器…この星の心の闇よ!オレの、その器の中に消え去れ!!」
そう言うと、両手を高く掲げて、自分の中に黒く渦巻く闇ごと取り込もうとします。
う〜ん…これぞ正しく以前表遊戯の言った“心の闇ごと背負う”ということなのでしょうか…
次の瞬間、大蛇の姿は見る見る小さくなり遊戯の中に消えていってしまいました…
(注:さすがにこの時にはダーツさん、“そんなバカな〜”とかは言いませんでしたよ。…と言うか、もしダーツさんの魂ごと遊戯の中に封印されてしまったらどうしようと思ってしまいました。もちろん当然実際は違いますが…)
本当に凄かったです…一時はその心の弱さ故に自らの心の闇に呑まれ、自分を見失いかけた闇遊戯も、
数々の試練を乗り越えてようやくここまで強くなることができたと思うと、何だか感慨もひとしおです。
今回の闘いで最も成長したのは、やはり闇遊戯といえるのでしょうね…
上空の暗雲が次第に晴れ…間もなく襲ってくるはずだった津波も奇跡的に消滅し…
闇が消え去った空からは明るい光が降り注いでいる…
そんな突然の変化を、おとやんやレベッカ、そしてホプキンス教授も何処か離れた場所で見ていました…
それにしても、あぁ…おとやん!!ついに最後までレベッカと教授のお守役で終わってしまいましたね…
それでも文句一つ言わずに自分に与えられた役目を淡々とこなす…なんて健気な良い人なんでしょう本当におとやんってば…
せめて次のシリーズのKCグランプリでは活躍してほしいなと願わずにはいられません…
さて、闘い終えた闇遊戯は、不意に力が抜けて後ろへ倒れ込み、それを表遊戯がそっと支える。
闇遊戯:「消えた…あいつは消えたぜ相棒!」
表遊戯:「うん!…キミは…キミってやつは…!」
と、本当に嬉しそうな表クン…
ふと前の方に目をやると、そこにはうつ伏せに倒れているダーツの姿が…
きゃぁ〜〜!やっぱり無事だったんですね〜!…と思わず嬉しくなってしまいました…
ええ、そして期待してしまいましたとも!次に語られるであろうダーツさんのお言葉を…!!
…しかし…しかし、洗脳の解けたダーツさん何一つまともな言葉を発してくれませんでした。
かなりショックでした…
やはりダーツは単にオレイカルコスに洗脳された存在…
この星の闇から解放されたダーツは、何となく抜け殻のように見えてしまいました…
あの威厳に満ちた偉大で崇高なドーマの総帥たるダーツさんの面影はもうどこにも感じられませんでしたね…
光の中から現れたアイアンハートとクリスが『ダーツ…』『お父様…』と嬉しそうにダーツの方に近づくと、
二人に向けて放たれた第一声は、
★「ああ…?」
…ですよ…
更にアイアンハートの
「お前が背負ってきた業は、名もなきファラオが全て引き受けてくれた…」
という言葉に対しては、遊戯たちの方をチラリと見ながら、
★「え…?」
…ですから。
そしてアイアンの「行こう、ダーツ!」という言葉には、
★素直な可愛い声で「うん!」
…です…
何となくこれって…
ようやく普通の…アトランティスの王としての魂の存在に戻ることができて、
めでたしめでたし…と解釈するべきなんでしょうか…
クリス:「ありがとう、遊戯…お父様を救ってくれて…」
(涙ぐみながらそう言うクリスは可愛い過ぎでした)
アイアン:「私からも礼を言おう…さあ、戻りなさい、君たちの世界へ…
その扉の向こうには君たちの新しい未来が待っている…」
その言葉に頷き仲良く肩を組みながらワープゾーンの方へ消えて行く二人の遊戯を見送った後のクリスの言葉…
「お父様…私たちも休みましょう…お母様も待っているわ…」に
★思わず“ニッコリ”
とするダーツさん…
これがダーツの最後のシーンでした…あぁ…ついに最後まで何も語ってはくれませんでした…
しかし…優しい微笑みを浮かべるダーツの表情の中に、これまで長い間背負い続けてきた
業から解き放たれた安堵感と、心から嬉しそうな喜びを感じとることができたのでそれだけでも良かったとも思えますが…
その後アトランティスは海中にゆっくりと沈んでいきます。
でもその衝撃で津波が引き起こされ、一気にみんなが待っているドーマの神殿を襲うという設定は笑えました…
こういう場合の脱出はいつでも必ずギリギリ、スレスレの危機一髪と相場が決まっていますので、そういう状況に無理やり持って行ったところが可笑しかったです。
ドーマの神殿の入り口…
ワープゾーンを抜けて戻ってきた社長と城之内は、杏子の「遊戯は!?」という問い掛けに、
初めて遊戯がついて来ていないことに気がつく。
“え?まさか…”という驚きの表情の社長…
背後からは津波が襲ってくる…
さらに追い討ちをかけるようにモクバからは早くここから脱出しようと言われ……
本当は遊戯を待っていたいという気持ちを堪えてヘリを出すよう促す社長の苦渋の選択が笑えました。
城之内は城之内で遊戯を捜しに戻ろうとしますが、城之内の胴体に両手を回してしがみつき、
引きとめようとするボディーガードの本田クンに従わざるを得ませんでした。
う〜ん、本田クン!!城之内の無鉄砲さを誰よりもよくわきまえていて身体を張ってそれを食い止め様とするところはさすがです。
やがて、ヘリが離陸するとすぐにドーマの神殿も海中へと沈んでいきました。
さて場面は変わってここからは、魂の戻ったデュエリストたちのその後についてのシーンが続きます…
★まずは、しばらくぶりに登場の羽蛾と竜崎。
病院のベッドに寝かされていた二人は、目覚めるときも何故か一緒。
何で魂が戻ったかは分からないが、互いに遊戯と城之内を許さない〜!と言って一目散に病室から飛び出していきました。
全く懲りてないです…この勢いですとやはりKCグランプリの方でも絡んでくるんでしょうか…
…と言うかデッキとデュエルディスクはどこ…?
★こちらはアメルダさん…やはりベッドの上で目覚める…枕元には弟ミルコの形見の人形が…
アメルダは海馬との二度に渡るデュエルで交わした言葉を回想していました…
おそらくアメルダの心の中には“オレなら弟を絶対に救える”と言った海馬の言葉がしっかりと届いていたのでしょうね。
その言葉通りの行動をデュエルで示した海馬のことを認めることができたからこそ、モクバの言葉に
弟ミルコの姿が重なったのだと思います。
再び人形を胸の前で握り締め言った言葉が印象的でした。
「ミルコ…必ずお前の分まで生きて見せるよ…!」
★そしてこちらはヴァロン!!
何故かヴァロンは“美しい夕日が沈む海辺の別荘”の一室にいました。
たしかヴァロンと舞はラフェ−ルが助け出したんでしたよね…
ということは、ここはラフェ−ルのお家なんでしょうか…
目覚めたヴァロンが最初に思ったことは、城之内との心も身体も湧き立つような真のデュエリスト対決のこと…
そしてベッドから起き上がった瞬間ハーピィレディSBのカードがハラリと落ちる…
そのカードを見て舞のことを思うんですね…
「行っちまったのか…舞…」
バルコニーに出て見上げた夕焼の空とハーピィのカードを交互に見つめるヴァロンの目は何故かとても寂しそうでした…
結局…舞に対するヴァロンの想いは実らなかった…最後の最後まで自分の手の中をスルリと掏りぬけていってしまう存在のままなのですね…
最後まで哀愁に満ちたヴァロンの目がちょっと哀しかったです。
★当の舞は…
ヴァロンよりも一足先に目覚めて、どこまでも続く浜辺で…既にバイクを走らせていました。
心の中で思っているのは城之内とヴァロンのこと。
自分の為に最後は二人ともオレイカルコスの結界に封印されてしまったこと…
いつも強がって素直になれなかった舞も、その時だけは心を覆っていた仮面を投げ捨てて本当の気持ちを
城之内やヴァロンに向けることができましたよね…
そうやって自分をさらけ出すことが出来たことで舞の中でも、
ほんの少しでも何かが変わったのではないでしょうか…
…それでも…全ての想いを胸に秘めてこう呟く姿は如何にも舞らしいな、と思いました。
「城之内…ヴァロン…あたしはきっと、あんたたちに相応しいデュエリストになって帰ってくる…」
★そして最後は…遊戯たち…二人は一体どうなったのでしょう…
広い海にポツンと浮かぶ離れ小島…静かな波が打ち寄せるその波打ち際でようやく意識を取り戻す遊戯…
「ここは…?オレたちは助かったのか…」
すると遊戯が目覚めるのを待っていたかのようにオーロラが輝き、
伝説の三騎士とマジシャンガールが現れます。
ガール:「二人のマスター、ありがとう…これでデュエルモンスターズ界も、マスターたちの世界も救われました」
伝説の三騎士:「ありがとう、名もなきファラオ、遊戯。これで我らの悲願も果たすことができた…」
闇遊戯:「礼を言うのはオレの方さ…キミたちの力がなければ、オレは心の闇に打ち勝つことは出来なかった…」
互いに頷き合い別れを告げる…その時マジシャンガールが何かを言いかけます。
「マスター………」
でもすぐにニッコリ笑って
「いいえ、何でもありません…さようなら…」
そう言って三騎士と共に空高く飛んで行ってしまいました。
モンスターが現実の世界の上空をとんでいる…かなり不自然な光景でしたが…
…ファンタジーですね…こういうシーンについてはもう何も言うことはありません…
なのであまり深く考えるのは止めます…
ただ、クリティウスの声があまりに素直で可愛すぎて…いつもの社長の声のイメージを思うとあまりに違いが歴然としていて、思わず笑いがこみ上げてきてしまいました。
こちらはヘリの中のみんな…
伝説の騎士たちが帰っていった瞬間城之内と社長が手にしていたヘルモスとクリティウスのカードが一瞬のうちに消滅してしまいます。
「フン!…所詮全ては夢…幻だったか…」
と社長らしいお言葉…う〜ん、ファンタジーに満ちたこのお話を締めくくるには正にピッタリのお言葉でした。
全ては夢…幻……そう思えてしまうほど、過ぎてしまえば何とも儚い一瞬の出来事のようだったドーマ編の数々の闘いの場面…
非現実的な数々の事実を目の当たりにし、自らの魂まで封印され…それでも最後まで自分の信じるデュエルを貫きとおした…
そのような全てを“フン!”と笑い飛ばしてしまえる社長の言葉に限りなく共感を覚えてしまいました。
やっぱり社長、カッコ良過ぎです…
その時、ヘリの窓から見下ろした遥か下に、遊戯の姿を杏子が見つけ出します。
さすが!!杏子…遊戯に関しては“地獄目”です…
離島に着陸し、ようやく再開の喜びに浸り合う遊戯と城之内、本田そして杏子…
あ…ここで、ようやく爽やかな笑顔で遊戯の無事を喜ぶラフェ−ルさんの姿を見ることができて満足…
さあ、帰ろう!!と言う訳で次々にヘリに乗り込むみんな…
最後に表遊戯が乗り込もうとした時、ふと後ろを振り返るともう一人の自分、闇遊戯は静かに夕日の沈む水平線を見つめ、何か物思いに浸っていました。
そんな彼の横顔を、優しく包み込むような笑顔でそっと見守る表遊戯…
表遊戯は何もかも悟ったように、心の中で静かに…しかし確信に満ちた表情でもう一人の自分に語りかけるんですね。
そしてそれはまるで自分自身に言い聞かせるようにも聞こえました…
ファラオとしてのもう一人の自分の存在を理解し…受け入れ…暖かく見守る…
闇遊戯自身には何も語らせることなく、ファラオとして目覚めた闇遊戯の再生復活を
表遊戯の目を通して語らせた次の言葉が本当に良かったです。
最後にその表遊戯のセリフを書き記してドーマ編の感想を終わることにしますね…
「さっきブラックマジシャンガールが言いかけたこと…
それはもう一人のボクの中に、この星の呪いが封印されているということだ…
もう一人のボクが再び心の闇に支配されたらその呪いも蘇る……
でも、そんな心配は無用だ…何故ならもう一人のボクは以前のもう一人のボクとは違うから…
今の彼は心の闇を乗り越え、新しい光を掴んだ…!
本当のファラオに生まれ変わったのだから…」
★これまで私のアニメ感想を読んでくださいました皆様に心から感謝申し上げます。
何よりも書くことが楽しく幸せな時間でした。
これからも遊戯王アニメオリジナル『KCグランプリ編』、見続けていきますね…