2001シーズン 最新・木星画像
最終更新 2002年3月27日


最新木星画像
 大気の状態は今一つ安定せず,細部まではわかりませんでした。2系210〜280度にかけてSTBが濃く見られるところです。NEBのbargeが237,256,312度にnotchが248,299度に確認できます。

 天候が安定せず雲間からの撮影になりました。永続白斑BA(2系76度)がGRS(81度)の南側を通過中です。さらにその南側にはSSTBの小白斑群(62,76,89,97度)が確認できます。STrZの暗斑は37度。NEBは2系152度のBargeからEZn1系350度付近にかけてリフトが発達し,2系69度のBargeを取り囲むようになっています。その他NEBには38,79度にNotchが確認できます。
2002年2月の画像から作った木星展開図
2002年2月の木星面(概要)
 日没時から撮影可能な高度になり,冬型が緩んだときなど比較的細部が見られる時もありました。上の図は14,24,25日に得られた画像から作成した展開図です。(体系2の190度にある丸い黒い点は衛星エウロパの影)
 SSTB,STB:今月はGRS(体系2の78〜81度)の南(上)側をSTBの永続白斑BA(88度(2/4)〜79度(2/25))が通過していきました。さらにBAの南側をSSTBの小白斑群が通過しています。この小白斑群の後方2つの間のやや北寄りにさらに小さい白斑が形成されているのが気流の良い時に確認できました。
 STrZ:11月に形成されたSTrZのStreakは年末に100度以上の長さになったものの,その後は暗物質の供給が途切れ2月末には眼視で確認できないほど細くなってしまいました。逆にSTrZの暗斑の位置はわかりやすくなり月末には37度に確認できます。
 SEB:全周に渡って中央部が淡化している状態が続いています。GRS後方から体系2の190度にかけて活動的な状態になっています。
 EZ:EZsのGWSははっきりとはわかりませんが体系1の150〜170度付近にあるのではないかと思われます。
 NEB:リフトが形成されていることもあって南側の色が薄くなり,Bargeをつなぐように中央部の濃い部分が目立つようになりました。154度のBargeからは大規模なリフトが形成されています。bargeは体系2の70,154,245,266,307度,notchは29,83,129,202,256,302度に確認できます。
新潟県立自然科学館 60cm反射望遠鏡 K-40mm拡大撮影
SONY デジタルビデオカメラ DCR-TRV20画像より各10〜12枚合成
Enhanced 最大エントロピー法を使用 (画像処理のやり方はこちら
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国内外の最新の木星(惑星)画像が見られるページ リンク集
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Antonio Cidadao's Lunar and Planetary Imaging

Thomas Williamson's Video Astronomy

Schulsternwarte Gudensberg

Cassini Images Jupiter

木星観測ガイド

 太陽系最大の惑星である木星は,表面の模様に変化があり,観測しがいのある天体です。
 最近の機器の進歩にともないアマチュアの方でもすばらしい画像を撮られる方が多くなりました。撮影用の特別な機材がなくても,口径15cm程度の望遠鏡を使って,その数倍の口径の望遠鏡で撮影した画像と同等以上の情報量をもつスケッチをとられる方もいます。
 
[中央経度と体系]
 木星の模様は,自転により刻々とその位置が変わります。木星の中央経度(木星の中央子午線を通過している経度)がわかると,その時刻に見える木星の模様を予想したり,複数の観測データを比較したりすることができます。
 木星の表面近くは水素の液体に近いガスでできているため,自転周期が緯度によって異なります。表面的には赤道付近の体系1(Ⅰ)の地域と赤道付近より緯度の高い体系2(Ⅱ)の地域に分けられます。 
 体系1(Ⅰ)・・・木星の緯度で南北約9°の赤道部
          (自転周期9時間50分30.0秒)
 体系2(Ⅱ)・・・体系Ⅰ以外の地域
          (自転周期9時間55分40.6秒)  
 この他にも木星の電波源に基づく内部の自転周期を表す体系Ⅲ(自転周期9時間55分29.7秒)があります。 
 体系Ⅰ,Ⅱの数値は,ステラナビゲータなどのシミュレーションソフトで求めることができます。以下に木星の主な帯と縞の名前,表面に見える特別な模様についてまとめました。

参考文献
 「天文アマチュアのための天文スケッチ入門」
    安達 誠著 誠文堂新光社
 「惑星ガイドブック2」
    月惑星研究会編 誠文堂新光社
                *いずれも絶版



                木星の主な帯(ZONE)と縞(BELT)の名前
 木星を望遠鏡で見ると,赤道にほぼ平行な縞模様が見られます。明るい模様は帯(Zone),暗い模様は縞(Belt)と呼ばれていて,北半球にあるものは頭にNを,南半球にあるものはSをつけ,緯度によって赤道域,熱帯域,温帯域と区別しています。なお,画像は,望遠鏡で見たように上下逆さま(南が上)になっています。
名前(南から) 特徴
1997年9月8日20:35
Ⅰ=30° Ⅱ=334°






*左端中央の白い円は衛星イオ,
中央やや左側にその影が見られます
SSTB(南南温帯縞) 白斑が見られることがある(今は3つ並んだものが目立つ)
STZ(南温帯) 部分的に薄暗くなったり白斑,暗斑が見られたりする
STB(南温帯縞)
south temperate belt
永続白斑が見られる
STrZ(南熱帯)
south tropical zone
大赤斑(GRSまたはRS)を含む明るい
SEB(南赤道縞)
south equatorial belt
南組織(SEBs)と北組織(SEBn)その間のSEBzに分けられる。現在,SEBzの大部分が淡化している
EZs(赤道帯南組織) 隣接の縞や帯とともに明るさが変わることがある
EB(赤道紐)
equatorial band
年によっては,見えにくくなることがある
EZn(赤道帯北組織) フェストーン(ヒゲ状の模様)が見られる
NEB(北赤道縞)
noth equatorial belt
濃く目立つ縞模様で太さの変化が激しい。南組織 (NEBs)と北組織(NEBn)その間の NEBzにより構成される
NTrZ(北熱帯) 明るく見えることが多い。暗斑がでることがある
NTB(北温帯縞) 赤道縞の次によく見えることが多い
NTZ(北温帯) 明るさが変わることがある
NNTB(北北温帯縞) 淡く見えることが多い
NNTZ(北北温帯) いつも暗く見える



 木星には,下記のような特徴のある模様が見られます。これらは,いつも同じ経度にあるわけではなく,少しずつ移動しながら変化しています。
模様の名前 特徴
白斑
(Bright Spot)
 略してBS
*永続白斑(LEBS)
 円形または楕円形状の周囲より明るい部分。木星面上どの場所でも発生する可能性がある。STB(南温帯縞)には,40年以上続けて観測された3つの白斑(永続白斑)があったが,現在は1つに合体している。
大赤斑
(The Great Red Spot)
略してGRSまたはRS
 STrZ (南熱帯南部)に位置する17世紀ごろから観察されている楕円形をした渦巻き状の模様。最近は全体的に薄く,南側だけがうっすらと色づいているように見える。周囲の雲の高低によって,見え方が変化する。
フェストーン
(Festoon)
 EZ(赤道帯)の中によく見られるヒゲ状の模様。その他の帯にもまれに出現することがある。
リフト
(Lift)
 縞が切れて細長い明部を作っているもの。その周辺の縞が,これにともなって大きく変化することが多い。
バージ
(Barge)
 横に長い暗斑。バージは「はしけ」のこと。NEB(北赤道縞)の北組織に多く見られる。
ノッチ
(Notch)
 半円形の明部。ノッチは「湾」のこと。バージとノッチは同時期に複数出現することが多い。
スポット
(Spot)
 小さな点状の暗い模様。長さによってバー(Bar)「棒状暗斑」やストリーク(Streak)「細長い縞」と呼ばれる。
 その他にも以下のような模様が見られることがあります。
 「アーチ」(Arch)・・・白斑や明部を取り囲むように見られる橋のような縁。
 「ダークセクション」(DS)・・・縞の一部なとに見られる模様の暗くなった部分。
 「プロジエクション」(projection)・・・突起物(?) 「オーバルl」(Oval)・・・楕円形の模様