のぼるしし座と黄道光

  11月の初旬,思わぬ晴天に恵まれ,夜中過ぎに神林村に冬の星座の撮影にでかけました。ぐっと冷え込んだ明け方,東の空に春の星座が姿を見せ始めました。

  しし座は春を告げる星座です。?(クエスチョンマーク)を裏返したような「ししの大鎌(おおがま)」と呼ばれる星の並びを頭として,前足,後ろ足と比較的明るい星を結んでいくと,ししの姿が浮かび上がります。
 「レグレス」はしし座の胸に輝く一等星で「小さな王」を意味しています。それは,この星がちょうど天球上で太陽の通り道である黄道(こうどう)に位置するため古くから王の星として重要視されたためです。また,星占いでのこの星座の守護星は「太陽」になっています。

 ふと気がつくと地平線からしし座にかけてうっすらと伸びる三角帽子のような形の光が見えました。「黄道光(こうどうこう)」(ソディアカル・ライト)と呼ばれる光です。太陽の通り道である黄道付近に集まった微粒子(数ミクロン)に太陽の光が散乱するために見られる現象です。さしずめ,ししが太陽を引き連れてのぼってくるといったところでしょうか。
 黄道光が見える条件は天の川以上に厳しいものがあります。空の暗い場所で,しかも月明かりや天の川の光に邪魔されず、黄道と地平線との角度が大きくなる冬の宵か、秋の明け方に限られます。
 神林の素晴らしい空に感謝しながら器材を片づけ,車を家路に向ける頃には黄道光は夜明けの光にかき消されていました。 
 
  しし座流星群

 この時期にしし座をとり上げたのにはもう1つ理由があります。それは33年ごとに大流星雨(1秒間に数十個以上の流れ星が見られる現象)の期待がかけられている「しし座流星群」の活動が11月17〜19日にピークを迎えるためです。
 しし座流星群の流れ星のもととなるちりは,33年周期で太陽に近づくテンペル・タットル彗星によるものと考えられ,その彗星が来年の3月に太陽に最も近づきます。この彗星の軌道は地球のすぐ内側を通るため,流れ星のもとを地球が11月17〜18日に通るあたりに33年ぶりにまきちらしていくことになります。ちなみに前回の1966年には北アメリカのジョージア州で1秒間に40個もの流星雨が観測された。次回,流星雨が見られると予測されるのは1998年,1999年だが,今年(1997年)も目が離せません。
 今年の極大予報は11月17日の23時頃,あるいは18日の20時頃とされています。 あいにく満月をすぎたばかり(月齢16〜18)の明るい月があること,彗星の接近前であることから過度の期待は禁物ですが,全国の天文ファンの目がしし座の大鎌に向けられることでしょう。

1998年のしし座流星群に関する話題はこちらへ
  写真データ 
     のぼるしし座と黄道光 1997年11月3日 04:25〜30 20mmF4 フジASA800ネガフィルム
        新潟県岩船郡神林村南大平キャンプ場にて撮影 
           
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