和名:オオムカデの一種


学名:Scolopendra sp.

分布
不明
生態
種名はわかりませんが、一般にオオムカデ科Scolopendridaeのムカデは空隙の多い湿った林床などに生息しています。普段は石の下などに生息していますが夜行性のようで夜には徘徊します。
肉食性で昆虫やクモなどを食べていますが大型の個体はネズミやカエルなども襲うことがあるようです。
索餌行動は主に触覚に頼っていて、餌の生き物がムカデの体に触れると振り向きざまに襲いかかりいわゆる「毒あご」でかみついて麻痺させます。餌は咀嚼して食います。
交尾は行われずオスの出した精子のカプセル(精包)をメスが生殖口に取り入れるということがわかっています。メスは産卵後卵を体で巻き込んで孵化後しばらくまで献身的に保護します。
全長
最大で200mm
参考文献
日本動物大百科8昆虫Ⅰ:平凡社

解説
オオムカデ科Scolopendridaeは世界的に見ても最大級のムカデです。オオムカデ属は体の特徴として胴の体節が21,歩脚が21対あり、昆虫と異なり単眼のみ各側面に4個ずつあります。日本では3属およそ10種が知られています。
顎脚と呼ばれる毒牙には強い毒があり、かなり激しい痛みと患部の腫れがあるそうです。リンパ腺が炎症を起こしたり発熱が見られることもあるようですが人命に関わることはないようです。咬まれたら薄いアンモニア水を塗布するとよいといわれています。
飼育
現在、私は15cmほどの徳之島産の個体を飼育しています。ケージは30cmほどのプラケース。床材はピートモスを使用。水入れにはティッシュを湿らせた物を入れておきますがすぐにムカデに床材をかけられますのであきらめて床に水を直接まいています。シェルターとして石を置いてありますが石の下に隠れていないことも多いです。もしかすると何か環境に気に入らないことでもあるのかもしれません。
餌はコオロギの成虫を週に1〜2回与えます。餌を捕まえるのがあまり得意でないので足を折って動きを制限します。それでも、その気がないと触れた瞬間に逃げ出しますので、そんなときは取り出して次の機会に給餌をします。
保温はしていません。
危険な生物だと思いますので飼育には十分な注意が必要です。具体的には
  • 背の高いケージで飼育する。(少なくともムカデの全長以上)
  • メンテナンス用の長いピンセットを用意する。
  • むやみに手を入れない。そして入れさせない。
  • 掃除をするときは大きな衣装ケースなどに床材ごとひっくり返して出し、ケージにムカデを追い込んでから床材を入れる。
  • ケージの蓋はガムテープなどで目張りをして、万一ひっくり返ったときも脱出されないようにする。
  • 万一、脱走されたときはあきらめて殺すことを考える。
コメント
格好良いのですがあまりに危険な生き物です。とにかく予想のできない動き、体に触れた物には何でも咬みつく気の荒さ、など飼育をためらったほどです。しかし、正直言うと覚悟していたほど危険は感じません。
こんな生き物ですが一度横顔を見たらきっと虜になるはずです。



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