幽谷に棲む・キクザトサワヘビ
撮影:高橋 健

和名:キクザトサワヘビ


学名:Opisthotropis kikuzatoi

分布
久米島
生態
久米島の山地森林域の渓流中に生息します。つまり水性生活をしています。いまだ野外では陸地で行動しているところは発見されていないようです。一年中活動していると思われますがなぜか夏は昼間、冬には夜に発見されているようです。
水生昆虫、淡水魚、甲殻類(エビ、カニ)などを食べていると思われますがよくわかっていません。飼育下でミミズ、水生昆虫、カエル幼生、サワガニ、魚を与えたところサワガニのみを摂餌し、 また野外調査中の採集個体が南西諸島のサワガニ類の稚ガニを嘔吐しまたフンに同様のカニの残骸が発見されたことからこれらのサワガニ類の稚ガニを主食にしているのではないかと思われています。繁殖に関しては不明です。
全長
54〜63cm
参考文献
日本動物大百科5両生類・爬虫類・硬骨魚類:平凡社
日本の希少な野生生物に関するデータブック(水産庁編):日本水産資源保護協会

解説
暗褐色の体色でオレンジ色の小さな斑点が体側に並んでいます。鼻孔(鼻の穴)が背中側に開いていて他のヘビとの大きな違いになっています。水中生活に適応しているためと思われます。
国外ではサワヘビ属の近似種が発見されています。環境庁指定絶滅危惧種(レッドリスト「絶滅危惧IA種)、国内希少野生動植物種、および沖縄県指定の天然記念物。
飼育
飼育してはいけません。天然記念物です。
コメント
世界中で久米島にしか生息しておらず、その中でもきわめて限られた地域にしか生息していないようなので切迫した保護対策の必要性があります。 しかし、現実には開発による河川の汚濁、移入動物(イタチやウシガエル)による補食、電気器具によるウナギ採りの影響、及び密猟などにより、国内の爬虫類の中では最も絶滅に近づいている種類です。
写真を提供してくださった高橋 健さんに心から感謝しお礼申し上げます。高橋さんにメールを送りたい方は私、星野まで。 ※スパム対策のためメールアドレスの「@」の部分を「☆」に変えています。恐れ入りますが、メール作成画面起動後「宛先」欄の「ihoshi☆mb.infoweb.ne.jp」の中の「☆」を「@」に書き換えて下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。




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