八重山ののんびり屋さん・ヤエヤマイシガメ
撮影:星野一三雄

和名:ヤエヤマイシガメ


学名:Mauremys mutica kami

分布
悪石島、沖縄島、阿嘉島、座間味、瀬底島、与那国島、石垣島、西表島、宮古島(人為分布)
星野確認・・・石垣島、西表島、与那国島、宮古島

生態
河川、池沼に生息しています。雑食性です。3、4月に交尾し1回に2〜7個の卵を産卵します。(爬虫類・両生類800種図鑑:ピーシーズ)
特に夜行性が強く、昼間はあまり見かけません。また陸生傾向も強く山道などでも見かけることが多いです。

全長
20cm

参考文献
日本動物大百科5両生類・爬虫類・硬骨魚類:平凡社
爬虫類・両生類800種図鑑:ピーシーズ

解説
タイリクイシガメと一緒にしてミナミイシガメとされていましたが独立の亜種とされる考え方もあるようでここではそうしてみました。
いわゆるミナミイシガメと呼ばれるカメは東南アジアから琉球列島に広く分布していますが、生息地によって形態的にも若干の差があるようです。私の経験上の話だけかもしれませんが、国内でも与那国島の個体群と石垣や西表の個体群にはなんとなくですが差があるように感じます。また宮古島の個体群は人為分布であると考えられています。
雄は腹甲の中央に大きな凹みがあり、雌に比べ尾が非常に長くなり太くなっています。これは雌の背中に乗って交尾をする時のための工夫です。

飼育
クサガメに準じてよいでしょう。
ただし、雄は非常に精力が強いのか、雌に対して交尾を迫りまくります。そこで雌がケガをするようなこともあるかもしれませんので注意が必要でしょう。

コメント
タイリクイシガメと本種は自分の目で現地で確かめてみたいです。
↑などと11年前に書きましたが、未だタイリクイシガメは自分の目で確かめることは叶わず...まあ、こちらの亜種は八重山のお馴染みさんですし、背甲の色と頭部・四肢の色が異なってなかなかキレイでかわいらしいカメです。
なんとか自分の手でも繁殖させることができました。現在は、多くの方が飼育されていますが、何よりも世界的に見て、極めて局地的な分布ですから、いつ天然記念物になってもおかしくありません。「こんな日本にいる、安っっっいカメなんて」と考えずに、ぜひしっかりと飼育下での繁殖を軌道に乗せてほしいものです。 生息地での足跡の写真(撮影:姉崎悟)があります。この生息地は以前は大きい池だったそうですが工事の影響で非常に小さくなってしまったそうです。生息地の保護の必要性を感じてしまいます。
写真を提供してくださった姉崎悟さんに心から感謝しお礼申し上げます。姉崎さんにメールを送りたい方は私、星野まで。 ※スパム対策のためメールアドレスの「@」の部分を「☆」に変えています。恐れ入りますが、メール作成画面起動後「宛先」欄の「ihoshi☆mb.infoweb.ne.jp」の中の「☆」を「@」に書き換えて下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。



タイリクイシガメのページへ
ミシシッピアカミミガメのページへ
日本の亀(カメ)のページへ
INDEXページにもどる