冬の星座と聞いて,まず思い浮かぶのがこのオリオン座でしょう。 2つの1等星を含む長方形の中央に,ななめ一列にならんだ3つの2等星。明るい星々で作られた均整のとれた形は冬の王者と呼ぶにふさわしい姿です。 ギリシャ神話では猟師オリオンとして知られていますが,他の多くの民族でも勇者,国王,巨人などの姿を当てはめていたようです。 左上に赤く輝く星が「巨人のわきの下」という意味をもつ「ベテルギウス」です。0.4等から1.3等まで明るさを変える赤色超巨星で,太陽の直径の700倍〜1000倍の大きさがあります。太陽以外の恒星は,大きな望遠鏡で見ても点にしか見えませんが,ベテルギウスはハッブル宇宙望遠鏡によって広がりをもつ姿が撮影され話題となりました。 一方,右下に白く輝く星が「巨人の左足」という意味をもつ「リゲル」です。全天で6番目に明るい0.1等の星で太陽の60倍の大きさがあります。 2つの星の色を対比させ,日本ではベテルギウスを「平家星」,リゲルを「源氏星」とよぶ地方があります。こうした色の違いは星の表面温度によるもので,ベテルギウスの3800度に対して,リゲルは1万2000度もある高温の星です。 また,それぞれ冬の大三角形,冬の大六角形を形づくる星でもあります。 オリオン座の見どころはこちらへどうぞ |
写真データ: 冬の王者オリオン 1997年11月3日 03:03〜03:10 50mmF2.8 フジASA800ネガフィルム 岩船郡神林村南大平キャンプ場にて (1部トリミング) 冬の星めぐりへ 星空写真集へ トップページへ |
| オリオンと月の女神アルテミス 猟師オリオンが大さそりによって殺された話はさそり座のページで紹介したが,オリオンの死んだ理由について次のような神話も伝えられている。 オリオンは,海の神ポセイドンを父にもつ背の高い力持ちの猟師で,海の上を平地のように歩ける能力を授けられていた。 このオリオンに好意を寄せていたのが月と狩りの女神アルテミスである。ところがアルテミスの兄で音楽と太陽の神アポロンはそれが気に入らなかった。ある日,オリオンが頭だけ出して海の中を歩いていたのを見つけ,太陽の光をあびせておいてから,妹に 「いかにお前のうででも,あの光っているものは射られまい」と言った。 アルテミスは,それがオリオンとも知らずに殺してしまった。 |
岸に打ち上げられたオリオンの姿を見たアルテミスは驚き,名医であるアスクレピウスに頼んで,オリオンを生き返らせてもらう。 しかし,よみの国をあずかるハデスが黙っていなかった。それでは,死人が来なくなるというのだ。それを聞き入れた大神ゼウスの雷電により,オリオンは再び殺されてしまう。 悲しみにくれるアルテミスは,大神ゼウスに願い,自分が銀の馬車で夜空を走っていくとき,いつでも会えるようにオリオンを星座に加えてもらったという。 ぴんとはりつめた空気が頬に当たる各月の10日前後,夜空を見上げると,明るい月がすぐ下のオリオン座を見つめている。 |