春に見られるニ重星
 二重星というのは,ごく接近して2つの星が並んでいる一対の星のことをいいます。3個の星に分かれて見えるようなら三重星といい,これよりさらに多いときには,ふつう多重星といいます。二重星には,偶然同じ方向にあるため見かけ上かさなって見えるだけの「見かけの二重星」,実際にお互いがまわっている「連星」があります。 

 
ミザールとアルコル(おおぐま座)

 北斗七星のひしゃくの柄の部分から2つ目の星「ミザール」のすぐそぱに,くっつくように見える4等星の星「アルコル」があります。日本でも「そえぼし」と呼ばれていたこの星は,アラビアでは,古くから視力検査として使われ,この星が見えれば合格とされていました。(もっとも,夜空の明るくなってしまった現代の街中では,肉眼で見ることさえ難しいように思います)
 この2つの星は見かけ上,同じ方向にあるだけですが,望遠鏡でのぞくと,ミザールの伴星(右の写真,ミザールのすぐ上の星)が見えてきます。さらに,ミザールも,まったく同じ明るさの2つの星が互いにまわりあっている連星であることで知られています。
 
 アルギエバ(しし座γ星)

 しし座のレグレスから順に上にたどっていとく「?」(はてなマーク)をうら返した星の並びがあります。それが草刈鎌にそっくりだというので,この部分を「ししの大がま」と呼んでいます。
 アルギエバは,レグレスからたどって2番めにある「たて髪」という意味の星です。
 2.6等星のオレンジ色の星と3.8等星の黄色が4″離れて見え,色の対比がすばらしく,北天一美しい連星(619年周期)ともいわれています。


ポリマ(おとめ座γ星)

 おとめ座のYの字の中央にある「予言の女神」という意味の星です。3.6等星のまったく同じ明るさの白色の星が,172年の周期でめぐりあっており,2つの星が寄り添うように輝く姿はとても印象的です。
 両者の間隔は,少しずつせばまってきており,2008年には0.4″と大望遠鏡を使わなければ分かれなくなってしまいます。現在は2″ほどですので, 8cm以上の望遠鏡を使い,高倍率でみることをおすすめします。

コル・カロリ(りょうけん座α星)

 北斗七星とうしかい座のアークトゥルスの間にある「チャールズ王の心臓」という意味の3等星です。
 望遠鏡でのぞくと,白色の2.9等星と紫色の5.4等星のふたつが約20″離れてならんでいます。比較的離れているので6cmほどの望遠鏡でも楽に分かれますが,大きな望遠鏡で見ると色の対比がよりいっそう引き立ちます。

 プルケリマ(うしかい座ε星)

 うしかい座の一等星アークトゥルスのすぐ北にある3等星です。
  プルケリマは「最も美しいもの」という意味で,濃黄の2.7等星と青色の5.1等星の2つの星が2.9″の間隔で寄り添っているのが6cm以上の望遠鏡で見ることができます。

参考文献: 「藤井 旭の星座ガイド春」(誠文堂新光社)

写真データ
★「ミザールとアルコル」
 1998年4月16日  PM9:05 (1/2露出)
     10cm F15 屈折×or9mm  フジASA800ネガフィルム
     撮影地 新潟県立自然科学館
★ その他の二重星
 1998年4月16日  PM8:15〜9:00  (各1/8露出)
     60cm F14 反射カセグレン×or9mm  フジASA800ネガフィルム
     撮影地 新潟県立自然科学館 
 
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