木登りだって平気です・サキシマスベトカゲ
石垣島産 撮影:星野一三雄
宮古島産 撮影:櫻井勇仁宮古島産 撮影:星野一三雄


幼体(宮古島産)写真(撮影:櫻井勇仁)はこちら
幼体(石垣島産)写真(撮影:星野一三雄)はこちら

和名:サキシマスベトカゲ


学名:Scincella boettgeri

分布
宮古諸島、八重山諸島。(以下、姉崎分布情報)・・・西表島
星野確認・・・宮古島、石垣島、西表島、与那国島
生態
日当たりの悪い湿った場所を好み、森林内の林床に生息しています。主にリッター層(枯葉が積み重なったところ)で活動しています。どちらかというと昼に活動していることが多いようです。動きは比較的速く捕まえにくいです。
春から夏にかけて繁殖し、1回に4〜11個の卵を産みます。
全長
100〜130mm。頭胴長38〜56mm。
参考文献
日本動物大百科5両生類・爬虫類・硬骨魚類:平凡社
爬虫類・両生類800種図鑑:ピーシーズ

解説
名前の通り全身が光沢のあるなめらかな鱗に覆われています。背面は褐色で体側に白色で縁取られた暗色の太い縦条があります。雄の体色の方がやや明るいそうです。
四肢も細いのですがヘリグロヒメトカゲよりは長いために見分けることができます。指も長いためツシマスベトカゲと見分けることができます。またまぶたを閉じても透明な鱗の窓ができるため外を見ることが可能であると思われます。以上のような形態の特徴はリッター層の中で活動するための適応と思われます。
飼育
現在、雌雄(?)で2匹を飼育しています。アオカナヘビと同じケージで飼育していますが問題はなさそうです。ただし、ケージ内に設置したピートの箱にいつもいるのでやはり、やや湿っていて潜りたいときに潜れるような床材にした方が良さそうです。
さらに、別のケージで床にピートとヤシガラ土を敷き詰めたところ、完全に土の中に潜っています。日光を当てたり、霧吹きをしてやると穴の中から顔を出して出てきます。
餌はコオロギやミールワームをよく食います。意外だったのですがアオカナヘビのように上手にしっぽを使って立体活動をするので木の枝など上るものも入れておくとよいと思われます。
2005年5月に石垣島産の個体が8個の産卵をしました。は9×7mmのほぼ球形で、親個体の大きさからすると、相当大きいようでビックリしました。卵は床材の湿ったピートモス中に1cmの深さに埋めてありました。親個体が保護している様子はありませんでした。
で、5月中に孵化しました。孵化した幼体は頭胴長が18mmで、頭が大きい以外は親と同じような形態です。やはり宮古島産の孵化仔とはちょっと違う感じでした。
コメント
小さくて活発でさほど紫外線も必要そうでなく丈夫なので国産のトカゲの中では最も飼育に向いているのではないかという印象を持っています。特に顔などもかわいいのでみていて飽きません。
飼育かでの繁殖の報告などもあまり聞きませんのでもっと、真剣に飼育したいと考えています。一丁前にアオカナヘビと餌の取り合いなどをしています。
私は宮古島と与那国島で本種を観察しましたが与那国島の個体は、やや体側の斑紋が複雑であるような気がします。もしかすると宮古島産の斑紋が粗いのかもしれません。
写真を提供してくださった櫻井さんに心から感謝しお礼申し上げます。櫻井さんにメールを送りたい方は私、星野まで。 ※スパム対策のためメールアドレスの「@」の部分を「☆」に変えています。恐れ入りますが、メール作成画面起動後「宛先」欄の「ihoshi☆mb.infoweb.ne.jp」の中の「☆」を「@」に書き換えて下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。



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