「臭蛇」と書きます!!・シュウダ
撮影:星野一三雄

和名:シュウダ(チュウゴクシュウダ)


学名:Elaphe carinata carinata

分布
尖閣諸島の魚釣島、南小島、北小島。国外では中国南部からベトナムおよび台湾。
生態
低地から山地まで広く分布しているようです。気温が高い夏には夜行性にもなりますが基本的には昼行性のようです。魚以外の脊椎動物を広く食うようです。
全長
150〜260cm
参考文献
日本動物大百科5両生類・爬虫類・硬骨魚類:平凡社

解説
シュウダElaphe carinata は東南アジアから中国南部、台湾および尖閣諸島と与那国島に分布する大型のナミヘビです。
分類については諸説あるのですが、ここではもっとも確実である「与那国島の個体群は亜種ヨナグニシュウダE. c. yonaguniensis 、それ以外はすべて基亜種(チュウゴク)シュウダE. c. carinata 」ということにしておきます。
オリーブ褐色の地色に黄から白色の斑点が散在します。特に頭部は各鱗板が黒色に縁取られた黄色になります。鱗には強いキール(稜線)があるためざらざらした触感です。幼体には細い横帯と4本の縦条があります。
「臭蛇」と書くように亜種であるヨナグニシュウダとともに総排泄孔から悪臭のする分泌物を出します。やや気も荒く、咬蛇姿勢をとって威嚇をしてきます。
飼育
日本の生息地で観察することはできませんがアオダイショウと同様に飼育できるでしょう。
コメント
大型のヘビで迫力も満点で飼育のし甲斐がありそうですが私はサキシママダラでさえも強烈なにおいをかまされ大変な目にあっているので飼育には相当の覚悟がいるかもしれません。
上の写真をご覧いただければわかるように、黄色い斑点が散在し、黒とのコントラストが非常に美しいヘビです。名前でかなり損をしているヘビであることは間違いありません。
臭いもかなりキツイのですが、飼育下繁殖個体(CB)ならばそう頻繁に臭いを出すことはありませんので、安心です。
海外では人気があるので、ときどき流通するのですが、基本的に野生採集個体(WC)は、立ち上げに苦労しますので、絶対にCBがいいです。コレ本当。
幼蛇の頃は、かなり地味ですが順調に育てることができれば3年ほど経って、80cmくらいになると劇的に色彩が変化して写真の個体のようにド派手になります。
もちろん流通して入手できるのは中国大陸産の個体ですから、日本の領土である尖閣の個体は見ることはできません。たぶん、尖閣の個体はちょっと違うんでしょうねー。見てみたい!!

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