バルブクリアランス調整方法(バルブクリアランス精密調整)
バルブクリアランス調整は10万Kmからメンテナンス時期に入ってきます。
シビックEG6はストリート走行のみで高回転VTECを殆ど使うことなく走っているためバルブ打音がすることなく、138000Km走りきりました。
バルブクリアランス調整するに当たり今回はバルブクリアランス精密調整がエンジン性能に効果があるとの記事を読み、
これを実際に試してみることにしました。
サービスマニュアルでは調整値範囲はIN:0.15-0.19、EX:0.17-0.21。 14万Km走行で変更前のクリアランスはおおよそIN:0.19、EX:0.17でした。 つまり、INは上限値いっぱいでEXは下限値いっぱいだったことになります。 バルブ打音がしないので放っておいてましたがすでに限界値にあったわけです。笑
今回の調整ではIN:0.17、EX:0.19で誤差を0.01以下を目標に調整しました。 シックネスゲージ2つ用意し調整値と調整値+0.01を用意し、シックネスゲージ はやや固め調整であわせます。抵抗なくとおる調整では微妙な誤差がでるため やや固めという調整値が出しにくいレベルで精密な値をだします。
作業には、タペットカバーシール、プラグホールのシール、スタッドボルトのシール一式と、液体シールパッキンとSSTとシックネスゲージが必要です。 間違っても市販のシールパッキンは使用しないこと。(液がとろとろで使えません。)写真のシックネスゲージはKTC製。二つあると便利です。
作業方法はクランクを回し圧縮上死点箇所を順番に全部で8箇所行います。SSTがないと調整ナットを緩めたり調整するのが難しいです。 通常の調整なら締めてから緩めていきシックネスゲージの通り具合でナットをロックするわけですが、締めると多少誤差が出ます。この誤差は ほんのわずかですがここを計算にいれて調整しないと精密なバルブクリアランスを得ることは出来ません。この作業で約2時間ぐらいかかったかもしれません。
次の作業はタペットカバー合わせ面のシールパッキンはがしですがここも丁寧にパッキンをとりブレーキクリーナで脱脂します。 エンジンにパッキンが落ちる場合があることと、オイル漏れの原因になるので気を抜けません。コーナー部分に液体シールパッキンを塗り 新品シールパッキンに総て交換します。
作業は朝からはじめましたが9時間かかりました。走行には更にシールパッキンの硬化を待つため翌朝にテストします。 走行テストした結果ですが、2万3千Km〜13万8千Kmの10年間乗ってますが、当時中古で購入したとはいえ、 いままで感じたことがないほど調子がよくなりました。
B16Aバルブクリアランス標準値(冷間)
IN/EX | バルブクリアランス標準値 |
IN | 0.15mm−0.19mm(冷間) |
EX | 0.17mmー0.21mm(冷間) |
バルブクリアランス変更前(走行13万8千Km)(冷間)
IN/EX | バルブクリアランス標準値 |
IN | 最大誤差0.19mm(上限値いっぱい) |
EX | 最大誤差0.17mm(下限値いっぱい) |
バルブクリアランス変更後(精密に調整)(冷間)
IN/EX | バルブクリアランス調整値 |
IN | 0.17mm(標準値の平均値で調整) |
EX | 0.19mm(標準値の平均値で調整) |
エンジンの振動が体感で1/10ぐらい下がったような。わかりやすくいえば、アイドリング時シフトノブの振動が手で触ってほとんど感じないです。
ギヤの入りもよくなり、トルクアップ、スムーズな吹け上がり、アクセルレスポンス、加速度と排気慣性効果もあがり排気音も抜けのいい快音になりました。
最も重要な成果はタコメータで回転の上がる速度。空ぶかしで軽く踏んでも4000超えます。
今回のメンテの結果で感じたのはエンジンを精密組み立てするとどんなフィーリングなのかなと。 バルブクリアランスだけでも素人には精密組立したと言ってもわからない気がします。 効果はそれほどありました。いや玄人でもわからないかも知れません。 今回バルブクリアランス調整してて各クリアランスの誤差は総てばらばら。 今まで感じたことがないほど振動が減ったことを考えれば新車時からクリアランスの誤差がかなりあったと思うんだけど・・・。