エアクリーナー性能比較テスト(無限製エアクリーナー慣性吸入化)
無限DC2Rエアクリーナーでは、以前の純正エアクリーナーボックスにジャバラパイプをひいた状態と比較すると、1000回転以下でのトルクの低下を確認しました。 この問題を解決すべく、無限DC2Rエアクリーナーとジャバラパイプとの間の1センチほどの全周囲の隙間を埋めるべく、 切断面をシールすることにしました。
無限エアクリーナボックス慣性吸入化(切断面のシーリング)
説明 | 画像1 | 画像2 |
細目の鋸は外側の切削、糸鋸で中心を丸く切り抜くのに使用します。しかし、このカーボン板の堅さは半端じゃなかったです。鋸の歯は丸くなり使い物にならなくなりました。 | ||
切断面のシーリングにはカーボン板(CFRP)2mm厚を使いました。非常に硬く、鋸の刃と糸鋸の刃2枚は丸くなり使い物にならなくなりました。正直堅すぎです。 1.0mm〜1.5mmでも十分でした。 | ||
エアクリーナーボックスは平らになるように新たに5mmほど切断しました。シーリングするカーボン板で2mm増すことも計算に入れておきます。殆どがこの作業でなんと4時間半ほどかかりました。カーボン堅すぎです。 | ||
なんとカーボン板(CFRP)とエアクリーナー(FRP)の接着はアロンアルファーで出来ました。アクリル板などのプラスチックを使用したらこうはいかなかったはずです。しかも完全なシーリングもOKでした。 | ||
純正エアクリーナーボックスについてるゴムとエアインテークチューブを切断して、右の写真のようにしてカーボン板の穴に差し込みます。これで隙間はほぼ0に≒です。 | ||
前回の無限DC2R用エアクリーナーボックス取り付け状態と殆ど変わりなく取り付けに成功しました。パイプを挿すのが結構大変ですが、しっかりと刺さり、隙間はほぼ0に≒状態です。 | ||
前回はなかった写真です。無限エアクリーナーとジャバラパイプとは縦の曲がりだけで直通で繋がっています。そのため、ラム吸入効果が高く、高速走行時のエンジンレスポンスはすばらしく高まります。 | ||
当初は、シーリングする板を、アクリル板などのプラスチック板を使うことを検討していました。 しかし、エンジンルームの熱でひん曲がることは最初に予感していました。 そこで、考えたのがカーボン板(CFRP)でした。 しかし、どこのお店でも取り扱いがなく、東急ハンズでも目的のサイズが見つかりませんでした。
そのため、インターネットによる購入に踏み切りました。
28mm×28mm 2mm厚で代引き料金込みで6475円で、結構なお値段になりました。
シーリング板取り付けはビニールテープしかないと考えていたのですが、なんと、アロンアルファーで接着に成功しました。
もしここでアクリル板などのプラスチックを選択してたなら、アロンアルファなどの瞬間接着剤による接着は不可能です。
今回のカーボン(CFRP)とエアクリ(FRP)とではアロンアルファなどの瞬間接着剤で強力に接着できることが判明しました。 (ビニールテープの場合には内側に液体シールパッキンで補強する予定でこれもそれほど悪い選択ではなかったのですが。)
アロンアルファーは最初に液状を使って完全に接着し、ゼリー状タイプで外側内側を補強しました。 このときに、僅かな隙間も埋まってしまい、完全にシーリングできました。
エンジンを始動してバンパーのジャバラパイプの音を確認すると、以前より吸入音が大きいことを確認できました。 試しに手をかざしてみると、空気が流れてるのをはっきり確認できました。 シーリング前は停止時に手をかざしても吸入する空気の流れは感じませんでした。
気になる走行テストですが、近所に2Km走行しただけで、発進時のトルクは以前の純正エアクリボックス+ジャバラと同等に戻りました。 2000回転域までしか回してませんが、 1000回転程度での発進ではトルクは以前と同等で殆どアクセル踏まずに発進可能です。 2000回転域でもトルクが上がったことを確認できました。
純正状態と純正エアクリボックス+ジャバラでは、僅かに後者の方がトルクが増してたようにも思います。 ジャバラパイプが純正のエアインテークチューブの役目を果たすことで、純正と同じく慣性吸気をするようです。
DC2無限エアクリーナーにシーリング後のインプレです。
ハイオク2000円、13.9リットルで長距離250Km走行しました。(渓流釣りです。(^^))
給油後、約7Km走行を差っ引いて、240Km走行できましたので、リッター17Kmになります。
シーリングしても燃費には殆ど影響がなかったようです。
シーリング前は、1000回転以下の発進時のトルクが低く坂道発進は僅かに気になりました。
しかし、60Km以上のスピード時の伸びはラム吸入もあってすばらしく、明らかにアクセルも軽く踏むだけで走れました。
シーリング後は、1000回転以下のトルクがしっかりでました。ストリートでの走行は、やはりシーリングして慣性吸入
させた方が、確実に走りやすいと思います。
60Km以上のスピード時の伸びはシーリング前の方が僅かによかったような印象もありました。
恐らく、慣性吸入すると、安定した吸入ができる一方で、僅かに吸入抵抗となるため高回転時には無駄になるとも考えられます。
(例えば、4連キャブがアクセスレスポンスが良いように。)
以下に、評価をまとめて見ました。
無限DC2エアクリーナー・シーリング有無による性能比較
評価 | 条件 | 症状 |
あり◎ なし○ | 低回転〜1000 | シーリングでトルクが増します。 純正同等以上と思います。 |
あり◎ なし○ | 低中回転1000〜3000 | シーリングでトルクが増します。 5速時のトルクの増加がはっきりわかります。 |
あり◎ なし◎ | 中回転3000〜5000 | シーリングなしの方が僅かにフィーリングが良いかもしれません。 ※ストリートでは2500回転までが常用で、あまり使わない領域ではっきりとはわかりませんでした。(^^)ゞ |
あり◎ なし◎ | 高回転VTEC5600〜 | 確認していませんが、恐らくシーリングなしの方が良いと思います。 ※こちらもストリートではとてもVTEC域で走れる場所が限定されるので、使わない領域で確認はしていません。(^^)ゞ |
あり◎ なし◎ | アクセルレスポンス | 低回転時は明らかにシーリングありです。高回転時は僅かにシーリングなしかもしれません。 |
あり◎ なし◎ | ラム吸入効果 | おそらく同じと思います。 |
あり◎ なし◎ | 出力 | アクセルレスポンス、踏み込んだときの伸びは、高回転になるほど僅かにシーリングなしの方が良いように感じました。 |
あり◎ なし○ | トルク | 低回転ー低中回転は当然ですが、中回転域もシーリングありの方がトルクがあるようです。 逆にシーリングなしはエンジンの回りのよさは格別ですがトルクが乏しいのを感じます。 |
あり◎ なし◎ | 馬力 | 出力×トルク=馬力ですが、低ー中速域だけならシーリングあり、高回転時はシーリングなしかもしれません。 |
あり◎ なし○ | 排気音 | シーリングなしは、明らかな爆音で車検時はかなり危険です。シーリングありにすると、低速ー低中速時はかなり落ち着いて、高回転時も含めて平均的に静かになりました。 |
あり◎ なし○ | 操作性 | シーリングなしでは、僅かにシフトチェンジ、クラッチ操作がし難くなります。シーリングすると操作性は純正同等で変わらず操作性はかなりいいです。 |
あり◎ なし◎ | 燃費 | シーリング前、シーリング後ともに同じコースで計測しましたが、ほぼ変わらず燃費は約リッター17Kmです。しかし、シーリングありでは、僅かにエンジンオイルの劣化でオイルの硬さを感じるので、今後の計測では、更に伸びる可能性があります。※チューニングしていくと、ガソリン銘柄の違いや、オイルの劣化(硬さ)もアクセルフィーリングで直ぐに分かります。 |
□無限DC2インテグラタイプR用エアクリーナーを使う理由を纏めておきます。 EG6の市販エアクリーナーは、純正交換タイプか、剥き出しでエンジンルーム内から 吸入するタイプしか存在しません。 剥き出しエアクリーナーでは、エンジンルーム内の高温で密度の薄い空気を吸い込み、 燃焼効率が低下します。 EG6などのホンダエンジンは排気慣性の他に吸気慣性する仕様のため、 エアインテークチューブという長いパイプがエアクリーナーの先に伸びています。 これを外すと吸気慣性効果がなくなり低速時のトルクが落ち込みます。 ECUのROM設定も合わなくなる危険性があります。 そして、剥き出しエアクリーナーはなぜか爆音になるケースが多く、車検に受からない 危険も考えられます。 無限エアクリーナーはカバーが被さり、エンジンルーム内の高温の空気を吸い込みません。 切断しても、エンジンルームの下側から最も低い温度の空気を吸い込みます。 更に、無限エアクリーナーにシーリングしてジャバラパイプから完全に外気吸入させると ジャバラパイプは、純正のエアインテークチューブと同じ役目を果たし、 純正エアクリーナー同様に慣性吸入して低速トルクダウンを引き起こしません。 また、慣性吸入させるとそれほど酷い爆音にはならないようです。 DC2インテグラとEG6はプラットフォーム(ボディ骨格)が同じため、 後継のシビックEK4/EK9より最も近い形状で、殆ど無改造で取り付けられるパーツが多いと考えられます。 |