ボディの遣れできしみ音発生?(内装撤去し軋み音探求と剛性補強)
シビックEG6はアーム全交換と前後サスペンション交換を行っているのですが、 その後5ヶ月経過してきしみ音が発覚しました。
きしみ音は僅かだったため室内の荷物の音と考えていたのですが、 総ての荷物を下ろしてもきしみ音は消えませんでした。 道路のマンホールなどの凹凸を通過すると、リヤ左サスペンションの動きにあわせて”キュッキュッ”と きしみ音が発生しました。橋の継ぎ目など両サスペンションが動く時は音はしませんでした。 左足のみ動いた時に発生します。
まだ半年も経っておらず保障もあるはずなので、アーム交換して頂いたHONADAディーラーさんにチェックしてもらいましたが、 ”アーム、サスペンションではないだろう” との回答で、 サスペンションより後ろ辺りで、ロアゲート辺りと室内のクリップの可能性とのありきたりな曖昧な回答でした。 ”14年14万Kmの走行でボディが弱りきしみが発生。又は内張りのクリップなどではないか” とのこと。年数と走行距離を考えれば、ボディにクラックやスポット溶接の剥がれがあってもおかしくないとのことでした。 作業を依頼した場合、工賃はかかった時間分発生するため費用がいくらかかるか見積もれないとのことでした。
しかし”きしみ音は後ろからなので二人で確認しないと分からない”と説明したにも拘らず、運転車一人でチェックしてる有様で、・・・
そして自力できしみ音を徹底的に探すことにしました。
約3ヶ月間に渡りきしみ音探求していたメモです。
シビックEG6 きしみ音を探求する
ロア・ゲート蓋まで撤去。ゲート自身も外し走行テストしました。 |
リヤは全撤去 |
R・ストラット(左) |
R・ストラット(右) |
フロントから撮影 |
R・ワイパーもチェック |
クォーター・ガラス窓枠 |
クォーター・ガラス下側 |
外した内張り |
シビックEG6 きしみ音の原因と対策
画像 | 説明 |
室内からのきしみ音(異音)か、室外からのきしみ音(車体裏、アーム、サスペンション)かを判断する方法は、この燃料タンク蓋のネジを緩めて蓋をずらしてみます。室内なら音に変化ないですが、室外の場合は音が数倍に大きくなります。何故なら、この燃料ポンプ蓋をあけると燃料タンクとの隙間は外気に通じているからです。 | |
サスペンションアームのブッシュからきしみ音がでる場合がある。 ここにラバー用保護スプレーを吹くと一時的にきしみ音がなくなった。ラバースプレーはゴムを保護するのが目的のスプレーで効果は一時的で、その後何度か吹きつけましたがきしみ音は直りませんでした。シリコンスプレーを吹きかけることでブッシュのきしみ音が完全になくなることを確認しました。※CRC(556)などのオイルスプレーは厳禁です。 | |
室内の内張りクリップがきしみ音を出す場合がある。クリップには写真のように金属のタイプとプラスチックのタイプがあります。おそらく、ここから音がするときは明らかに室内からのきしみ音と分かる音がするでしょう。一度外したクリップはスプリングなどが弱るためきしみ音発生原因になりかねないので相手側のボディにはクリア塗料を塗り緩衝材効果を出すようにしてみました。 | |
写真はリヤ・サイドのちょうどリヤスピーカーの取り付け位置の床に当たります。ここの隙間に以前ネジを落としたのですが、依然見つかりません。この隙間がきしみ音発生原因の可能性があるため、液体シールパッキンを流し込み固めてしまいました。実は液体シールパッキンは固まるとかなり硬質なゴムになるので、ある程度ボディ剛性が上がることも期待して両サイドに流し込みました。 | |
サスペンションはスプリングのアッパー部分にはゴムシートが挟み込んであります。ここのシートのこすれできしみ音が発生していた可能性があります。ここにもラバースプレーやシリコンスプレーをかけてあります。きしみ音発生箇所のほとんどはブッシュ、ゴム系であることは間違いないと思います。 | |
リヤ・サイドの窓枠あたりに、スポット溶接で鉄板が張り合わさっています。ここに瞬間接着剤を流し込むと、きしみ音が更に軽減され、ボディの剛性があがることを確認しました。スポット溶接に剥がれはありませんが、点で接着するより面で接着したほうが剛性があるようで、走行して体感できるレベルの剛性アップときしみ音軽減を確認しました。瞬間接着剤は鉄板の隙間に浸透して面で接着できるようです。内張りを剥がしたついでに屋根内張りとドア内張りまで施工する予定です。 | |
R・内張りを外して見るとリアのボディ剛性のための部材は全く無いようにみえました。そのため、R・サスペンションからの力を受け止めるにはタワーバーは必須な気がします。 EG6の場合はR・ハッチの開口部が広いので剛性アップ対策は必須と判断しました。ステンレス製ですが重さは約2Kgです。F・純正タワーバー(1Kg弱)と比較してかなりの重量物です。FFであるシビックのフロント軽量化の場合は社外のステンレス製F・タワーバー取り付けは重すぎるかも知れません。 | |
走行中、車の挙動でシートベルトも僅かに伸びたり、縮んだりし、この僅かなベルトの動きのときだけ、軋んでるような音がすることがあります。シートベルトの内部構造は物差しのメジャーと似た構造で、このパーツに油を差すだけで簡単に直りますが、内張りの中に隠れてるため、簡単には作業できません。 |
きしみ音(異音)は大抵複数箇所から発生していて、しかも音のでるタイミングはどれも同期してるため、 音が混在して室内か室外かの判断が難しいです。
結局、目的の音を突き止めるために他の音も消していくことになりました。 その結果、目的のきしみ音(異音)は当然ですが、ほとんどの音を消せたのではないかと思います。 ただ、消していくと別の音が気になりだし切りがないです。(音はどんどん小さくなりますが)
きしみ音の原因は結局アーム交換にあったのですが、実際アームとサスペンションのどちらが原因だったかは、 シリコンスプレーを両方に吹き付けたため突き止めることが出来ませんでした。
きしみ音が発生した場合の整備会社の対応は大抵、”古くなるとボディが弱るため” との対応で、諦めざるを得ないと考えがちです。
しかし、ほとんどはブッシュ、ゴム、クリップなどが原因とみていいと思います。
(レースでもしてない限り、クラック(ひび)、スポット溶接の剥がれが入ることはあり得ません。)
原因を突き止め対策するにはかなり労力が必要ですが、きしみ音を消すことは同時に剛性アップに繋がるため、 静かでいて、走行性能も上がるというおまけが付いてきますのでかなりお勧めです。
※長々ときしみ音探求を書きましたが、最も重要なことは、 ディーラーなど整備会社にこのようなきしみ音を診断してもらっても正確な回答を得ることが難しいことです。 一般的な回答は”ボディが遣れた、スポット溶接が剥れた” との曖昧な回答を鵜呑みにしてしまい、諦めてしまいます。 そして、大抵の人の車は廃車の道をたどって行くのです。 しかし、事実と異なる場合が往々にしてあります。 きしみ音を探求して、どこから音が出てるかを見つける知識と技術を持ち合わせてる会社はわずかで、 特にディーラーでは整備経験を数年積んで営業に回るケースが多く、知識が豊富ではありません。 経験豊富な整備士は一般整備会社のほうが広く深い知識をもってることが多いのです。 そして、整備を行なうのは会社ではなく人であること。 安心して作業を任せられる整備士に整備をお願いすることです。 何故なら、整備会社では整備作業中に起きたトラブルをひた隠しにするケースもあり、 そして素人であるお客に黙認してしまうケースが往々にしてあります。 どんな簡単な整備でも(100%)完璧な整備はあり得ません。 どのレベルで完璧かを線引きするのは整備士個人で決まるからです。 常に完璧を目指して探求していく整備士こそが優れた整備士です。 人に任せず、自分で技術を得て整備をすること。 安易な意見に惑わされず、知識を十分に得て自分で判断し、出来る限りDIYで完璧を目指して整備を行なうことをお勧めします。 |