パネルボンドでボディ剛性補強(サイドシルでボディ剛性アップ)
ボディ剛性の低いと言われるシビックEG6の剛性アップにパネルボンドを試してみました。
パネルボンドとは?
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住友スリーエム(株)から発売されている”3Mオートミックスパネルボンド8115”。業務用のためホームセンターなどの一般購入は出来ません。整備会社、板金屋さんを通じてかインターネットで購入します。用途は自動車用パネル交換用で鉄板、アルミニウムの強度、耐久性に優れる。完全硬化72時間。専用コーキングガンが必要と書かれています。 | |
パネルボンドはネットで探すと6000円前後、専用コーキングガンは23000円前後するようです。 コーキングガンはとても購入できないので、ホームセンターで160円ほどで手に入れたコーキングガン2個を使ってパネルボンド用に改造しました。
コーキングガンを代用してパネルボンドガン作成
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コーキングガンは1液を押し出す構造ですが、パネルボンドは2液タイプのため2つの液を同時に押す必要があります。コーキングガンの押し棒を平行に連結して固定することで実現しました。コーキングガンでの代用はインターネットを通じてアイデアを頂きましたm(__)m。このアイデアがなければとてもパネルボンド施工は踏み切れませんでした。 | |
パネルボンドの施工箇所は、当初内装から考えてましたが、効果の期待できそうな箇所は内装より外装にあると判断しました。 フロントフェンダー内側とサイドシルが一般的な補強箇所だと思いますが、今回は作業が容易なサイドシルで試してみました。
サイドシルのパネルボンド施工箇所
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サイドシル概略イメージです。1:外装ボディ、2:サイドシル、3:サイドシルガーニッシュ取付部。サイドシルガーニッシュを取り外すと、くの字に曲がった鉄板があるのですがここを中心に充填してみました(赤い部分)。上下に挟み込むように充填することで一本のバーを固定したような構造にします。 | |
パネルボンドでボディ剛性補強
ボディサイド下側に取り付けられてるガーニッシュはサイドシル側面にあたります。 |
サイドシル・ガーニッシュを外すには、F・タイヤのマッドガード(泥除け)を外します。 |
マッドガードやドアミラーのネジを外すには、超小型の+ドライバーが必ず必要です。 |
4箇所ほどのネジをすべて外して取り外します。 |
サイドシル・ガーニッシュ下側のクリップをすべて外し、前側にずらした後手前に引き出します。 |
内部にクリップが並んでるだけです。サイドシル側面です。サイドシルとはモノコックボディにおけるフレームに代る鋼板です。ここは重要な鋼板であり硬くなければならないのです。 |
パネルボンド施工から2年半後の画像です。(^^;) そのためほこり被ってますが剥がれはありません。 |
下側からの補強です。ここからの剥がれもありません。 |
実はこのサイドシルもスポット溶接されています。 パネルボンドの施工の前に瞬間接着剤でスポット溶接面に流し込みました。 室内リヤ窓枠部のスポット溶接箇所と同じく瞬間接着剤の効果が最も期待できそうな箇所なので予め購入して施工準備してました。(笑) (瞬間接着剤を流し込めるスポット溶接箇所はエンジンルーム、ドアモール、リヤゲート、フロントグリルなど、かなりあります。)
パネルボンドは当初サイドシル上側に施工する予定でしたが、ガーニッシュ取付時に干渉の恐れがあったので急遽下側に変更しました。 ところが施工後パネルボンドは半分残ってしまったので結局上側まで施工しました。 施工後ある程度硬化させて(30分ほど)からガーニッシュの取付けに問題がないか確認しました。 後日ガーニッシュ取り外しできるか確認し、外した後ガーニッシュに付着したパネルボンドのみ除去して取り外しに問題ないことを確認しました。
フロント・ロア・メンバを補強する
施工後日パネルボンドのノズルを外しガンで押してみると60gほど残ってることが分かりました。これを捨てるわけにはいかないので、考えた案はフロントグリル下に位置する左右を繋ぐパネルに補強することです。EG6のモノコックボディ構造図を見るとここもねじれ防止に効果があると判断しました。塗装色が黒メタリックのため目立たないのでした。 | |
72時間経過後に走行テストしてみました。 車庫の段差での変化は、既に他の補強があるため大きく体感できる変化は感じませんでした。 市街地走行での軽いコーナーリングでは旋回性能が上がったように感じました。
試しにR156を長良川沿いに上流へ走行してみました。(釣りに行ったのですが。笑) そして効果は確かだったことを確認しました。
高速ストレートの走行安定性、コーナーの安定性と素直なハンドリング(足が素直に追従するといえばいいかな)、直進性もよくなったようです。 ボディのねじれが少ないためかボディの揺れが少なくなり、サスペンションの動きを以前よりはっきり感じられるようになりました。 (道路の下り坂に速度抑制用にある凹凸塗装を走ると以前はCDの音飛びがあるほどでしたが、施工後は音飛びがなくなったように感じました。)
高速走行時の安定性はボディ剛性にあると断言していいのではないかと思いました。 もちろん、車高の低さやサスペンションもあるのですが、 高速走行時の挙動による不安は、ハンドルやサスペンションなどから受け取る情報で感じると思いますが、 ボディ剛性を高めると走行安定性が高まるために高速走行が安心して走れます。 (ついスピードを出しすぎる傾向になりました。笑)
※ボディ剛性について。
高速道路など高速走行時の安定性がボディ剛性にあることが事実であることを確認しました。
コンパクトカーではフィットとビッツがボディ剛性が高く、高速走行時に安定してるようです。
ボディ剛性が低い車は、走行時にボディの揺れ(捩れ)があり、荷重移動の変化が激しくなり、
ハンドリングが不安定になると推測できます。
私のEG6でついスピードを出しすぎてしまうのは、この安定性が高速走行時に更に高まったからだと思います。
※パネルボンド施工について。
パネルボンドには専用ガンはいりません。
専用ガンを作る必要もありません。(笑)
2液を容器に出して混ぜてヘラで付ければOKです。これが結論です。
専用ガンは先端のノズルで2液を混ぜ合わせて押し出すだけです。
パネルボンドを塗付しても結局ヘラで伸ばすので必要ないわけです。
(※夏の暑い時間には硬化が早いので注意は必要です。)
2年半ぶりにサイドシル・パネルボンド施工状態を確認してみました。 剥がれもなく現在もボディ剛性に貢献しているようでした。 ですが剛性アップの点で言えば最も効果が弱かった箇所かもしれないです。 もちろん作業した箇所には問題はないです。 パネルボンド施工を何度も行った今だから言えるのですが、サイドシルを補強するには面で剛性を上げるべきだと感じます。 サイドシルに限ってですが、内側と外側からパネルボンドを分厚くぬることで更に高い剛性アップが可能なはずです。 サイドシル・ガーニッシュ脱着に支障のない塗り方はまだあります。 |