パネルボンド・シーリング剥し(シーリング下地にパネルボンド施工)
既にシビックEG6の剛性アップは、サイドシル側面、F・フェンダー、フロアアンダーコート下地と行ってますが、 剛性度がバランス良く取れてるかと言えば、剛性は上がってても足りていないと判断してます。 モノコックボディであるシビックEG6は、部分的な剛性アップでは不十分で、ボディ全体で剛性を上げないと 最大限の剛性アップはできてないと判断しました。 施工方法は前回までのむき出しパネル合わせ面でなく、シーリングされたパネル合わせ面を中心に施工しました。 今回の剛性アップは、後部座席に人や荷物を乗せた場合の走りの不安定感を取り除くことが最大の目的です。
施工方法はパネルボンドを使い、ドア全周囲、クォーターガラス全周囲、Rストラット回り、リヤゲート回り、ボディ側面、 Fフェンダー内の補強まで行いました。 パネルボンドは室内3本、F・フェンダー1本で、前回までの3箇所を含めると、合計7本施工したことになります。 F・フェンダーは、タイヤハウスのアンダーカバーを外して施工しています。(F・フェンダーはこれでも十分可能です。)
シーリング剥がし
順 | 名称/コメント | イメージ |
1 | 内張り剥がし手順は、全座席外し→トランクケース回り→側面内張り→クオーター内張り→ピラー内張り→フロア内張り→屋根内張り、の順に外していきます。 | |
2 | シーリングは、コーキングガンによるコーキングです。シーリング剥がしは、アンダーコート剥がしで使用した、先を研いだハツリ工具とのみを使いました。パネル面に平行に当てることが出来るため、傷を最小限にして削り落とすことが出来ます。 | |
3 | シーリングは、フロア側面と角、Rストラット回り、タイヤハウス回り、トランク側面、ドア側面が主です。シーリングは、パネル合わせ面の防振、防音、雨水浸入防止が主な目的だと思われます。剛性アップには全く役に立ってません。パネル合わせ面は、剥がれはなくとも僅かに音がする場合も確認していて補強は効果があります。 | |
4 | 今回の剛性アップはシーリング下のパネル合わせ面の剛性アップだけでなく、ドア開口部のスポット溶接/クオーターガラスのスポット溶接の全周囲をパネルボンドで補強するのも目的です。実はこの作業が剛性アップには最も効果が上がると考えていました。瞬間接着剤効果が最も高かったのがクオーターガラスだからです。 | |
5 | コーキングは、剥がすだけでは薄く残ってしまうため、鍋の焦げ付きを剥がす台所用たわしなどで、こすり落とします。そして、軽くサンドペーパーを当てます。 | |
パネルボンド施工
順 | 名称/コメント | イメージ |
6 | リヤ回りのパネルボンド施工状態です。EG6はハッチバックのため開口部が広く、リヤ回りの剛性が低いと言われています。そのため今回は、この剛性アップを意識して施工方法を練っていました。開口部側面隅をパネルボンドで厚めに埋め、開口部左右を繋ぐようにパネルボンドを側面に塗っています。 | |
7 | ドア開口部です。EG6は2ドアとあってドアが大きめで開口部が広く出来ています。モノコックボディはボディ全体で剛性を上げるため、床面だけの補強では効果を最大限に上げることは出来ません。ドアの開口部全周囲のスポット溶接をパネルボンドで埋め、側面を厚く塗ることで剛性を上げていきます。 | |
8 | クオーターガラスです。瞬間接着剤で最も効果を感じた箇所の一つがここのスポット溶接面です。クオーターのスポット溶接面を瞬間接着剤でなくパネルボンドで全周囲を補強すると、どれだけ剛性アップできるか。このことが気になってしかたなかったのが、今回パネルボンド施工のきっかけの一つでした。 | |
9 | EG6の内張りを剥がしていくと、リヤ回りの補強は完無だったりします。そのため、リヤタワーバーなどの補強も必須かもしれませんが、ストリートでは体感がありませんでした。EG6はボディの捩れ感を僅かに感じる気がするので、Rストラット回り、側面を中心に剛性度を上げる施工をしてみました。 | |
10 | Rストラット回りのパネルボンド施工です。床面のパネルスポット溶接箇所を覆うように施工しました。シーリングを剥がすと、数センチの穴が開いてる箇所や、スポット溶接の一箇所で僅かな錆びも発見しました。こういった箇所は、錆びによる剛性ダウンと、パネル溶接の穴でも剛性ダウンが起きてる可能性があります。 | |
今回の作業は丸二日かかりました。 内張り外し/取り付けがこなれてないと、三日かかると思います。 作業の大半はシーリング(コーキング)剥がしにかかります。 既に3度も行ったパネルボンド作業と、内張り剥がしの経験が生きています。 パネルボンドを施工によって、内張り取り付けに問題が起きる箇所は、既に策定を終えた上で行ってるため、 取り付け時の問題は完無で、完璧に元通りに戻し、施工状態はわかりません。
F・フェンダー施工は、今回はタイヤハウスのアンダーカバーを取り外すことで施工しています。 このカバーを外すだけで、フェンダーの80%を施工することができます。 前回はシーリングは最小限にして、露出したパネル合わせ面を補強していますが、 今回はこの合わせ面に塗ったパネルボンドの補強と厚みを増して、 更にシーリング下のパネル合わせ面に塗って補強しています。 そして、縦、横の剛性だけでなく、斜めのパネル合わせ面の補強により、 三角系のトライアングル状に補強されるため、飛躍的に剛性アップされたはずです。 (ボルト数本で留めるサイドインナーブレースより補強は高いはずです。)
前回までの施工では気温が低くかったため乾きが遅く、施工後パネルボンドを伸ばすことが出来ましたが、 今回は4月中旬とあって気温20度近くあり、乾くのも早かったようです。 気温が上がってくるとパネルボンドガンを使った施工が必ず必要になってきます。
パネルボンド完全硬化を確認後、走行テストしてみました。 走行してはっきりとドア、クォーター全周施工の剛性と、リヤ剛性が上がってることを確認できました。 床側面やRストラット、ボディ側面とも確実に剛性アップに貢献していました。 EG6はノーマルではリヤの捩れがあるのはほぼ間違いないようで、 今回の施工では捩れ感がなくなりました。 ハンドリングはボディの捩れを抑えたことで、更に曲がりが僅かに悪くなった感じです。 EG6の走行性能は既にストリートでは発揮できないように感じました。 今回のパネルボンド施工では、前回3回施工による経験もあり、 効果が最も上がる箇所を予め掴んでいたため、前回より遥かに剛性アップしたようです。 走行時の安定は100Kmでも不安定感がなく、直進安定性とも十分に上がっているため、 これ以上の剛性アップの必要はないと思います。
シビックEG6は、コーナーに強く、良く曲がる車で、旋回性能が高いと証されています。 何故良く曲がるかの結論がここにあった様に思いました。 シビックEG6はサスペンションのストロークが大きくとってあることに加え、 ボディ剛性の低さからボディの捩れが旋回性にプラスに影響してることも要因にありそうです。