F・ストラット剛性の強化(F・ストラット回りにパネルボンド施工)
エンジンルームにもシーリング箇所が多いことは以前からわかっていたのですが、 完全にパネルボンド施工するとなるとエンジンを下ろさない限りできないと考えていました。 しかしボディ剛性に大きくかかわる箇所はフェンダーに添ってるパネルとストラット回りなのです。 WEBページなどで情報を拾うとやはりここをほっておくわけにはいかないようです。
F・ストラット・シーリング剥がし
○で囲んだ箇所はすべてシーリングされています。今回のパネルボンド施工箇所はここのシーリングを剥がして施工しました。 |
白○左。白くなった箇所が既にシーリングを剥がした箇所です。フェンダー周辺が最もボディ剛性に効くと思われます。写真では隠れてますが、この位置は手前側もシーリングされているため、H状に施工することになります。 |
白○右。左右同じレベルでシーリングを剥がしておきます。手の入るスペースは限界がありますが、効果が最も期待できるフェンダー周辺など完全に施工できます。左側と同じくH状にパネルがスポット溶接されてるためパネルボンドによる剛性効果が高くなるはずです。 |
緑○左。ストラット回りの手前側もシーリング(パネルのスポット溶接)されています。つまりストラット回りはかなり弱い作りといえます。 |
緑○右。この箇所のシーリングを剥がすと水が滲んできました。この箇所のエンジンマウントのブラケットはスポット溶接で組まれてるのですが、スポット溶接隙間に入った水はシーリング下に入り込むようです。場合によってはこの箇所は水が染み出るどころか錆が出ててもおかしくないのです。※要注意箇所です。!! |
黄○左。ショックアブソーバーの取り付け箇所もスポット溶接されています。わかってはいましたが、この狭いスペースのシーリングを剥がしてパネルボンド施工はかなり難易度が高い作業になります。 |
黄○右。エンジンルームのシーリング箇所です。剥がしててびっくりしたのですが、パネル同士が浮いてる箇所が多いのです。もちろんスポット溶接で固定されてはいますが、パネル同士は隙間なく合わさってるわけではなく若干浮いてて、その上にシーリングされています。そのため瞬間接着剤では十分な効果が上がらないと見て使いませんでした。 |
今回は丁寧な作業が要求されるため彫刻刀を使いました。
作業手順は、中性洗剤を含ました雑巾で施工箇所を脱脂し汚れを綺麗に拭き取り、
彫刻刀の平刀で施工箇所のみシーリングを削ります。
白○左。エンジンルーム奥と側面の隙間は深い溝になっていて、ここにパネルボンドを流し込むように接着しました。パネルボンドも結構余ったので側面にも塗っておきました。ここの箇所はサイドインナーブレースと同じ様に強度を上げれるはずです。 |
白○右。左側とは若干形状が違いそれほど深い溝ではありませんが、鉄板を曲げてスポット溶接されてるため、溝にパネルボンドを流し込めば効果は上がるはずです。※とにかくシーリングを剥がした箇所は完全に埋めて水が入り込まないようにします。 |
緑○左。ストラット回りは両側にスポット溶接されシーリングされてるため、パネルボンドで挟み込むように強化されることになります。 |
緑○右。この位置はシーリング剥がしも、パネルボンド施工もやり難い箇所ですが彫刻刀の柄を上手く使って削り、パネルボンドはノズルの長さを上手く使い、それでも届かないところは柄の長いマイナスドライバを曲げ加工して施工しました。 |
黄○左。パネルボンドのノズルはもともと細いため、丁寧に作業すると問題なく施工できました。シーリングされているということは、パネルが浮いてるか、錆を防ぐことが目的と思われるため、パネルボンドをシーリング代わりにして完全に埋め戻します。 |
黄○右。削った箇所はすべてパネルボンドで被い鉄板を露出させないようにします。彫刻刀で鉄板出しした際に付けた傷は、パネルボンドで被い乾燥後はクリア塗料で上塗りしておきました。 |
パネルボンドは外気温25°24時間で完全硬化しますが、おそらくそれは一般的な使い方をした場合で、薄く塗られてることが条件だと思います。 剛性アップのために厚塗りした場合は、+24時間待ったほうが良い気がします。 何故なら完全効果した状態でも翌日叩いて音を確認すると更に乾いた音になってるのです。 焦って試運転すればパネルボンドが脆くなり剛性が落ちる気がします。
テスト走行してみました。
フロント、リヤ・バンパー内メンバ、ドア開口部とパネルボンド施工済みで効果を体感したばかりですが、やはりここの効果も確実にありました。
部分的な施工で剛性が上がれば良いのではなく、やはりボディ全体への剛性アップは重要だとわかります。
特にF・ストラットはストラット回りすべてがスポット溶接のため効果は絶大でした。
簡単に表現しますが、エンジンの微振動が伝わるようになります。
そして、サスペンションの挙動が手に取るようにわかるようになります。
サスペンションを硬くしたならストラットの剛性を上げとかないとボディが軋んでることになります。
シビックEG6はもともと高い剛性を持った車種ではないのに加え、現在約16年経過してるためボディ剛性を無視するわけにはいかないのです。 スポット溶接箇所すべてにパネルボンドを打ち込みたいところですが、これで十分剛性が出てるはずです。 他にもまだ車体裏から施工する箇所はありそうですし、サイドシルも車体裏から施工可能な気がします。
ボディ剛性を上げていくと、ロールが減ることでコーナーで曲がりにくくなります。 ロールが減ることで乗り心地は良くなり、直進安定性、踏み切りなど凹凸路でも安定した走りができます。 特に今回のF・ストラット回りの施工で、ボディは動かず足だけ動く感じになったようです。 ドアの開閉音も変わりました。 剛性感でなくしっかり剛性アップしてます。 F・ストラット回りは最もボディ剛性に効果のある施工箇所のひとつです。 |