エンジンオイルの規格について(APIサービス分類、SAE粘度分類)
エンジンオイルを正確に評価するのは難しいと思います。
専門書や専門雑誌を読みあさっても、はっきりとした情報、評価がつかめません。
そして、AT車、CVT車では、電子制御化されたエンジンに加えて、電子制御のミッションでは、実走行で評価するのは大変難しいのではないでしょうか。
MT車ではAT車、CVT車よりはっきりと実走行でフィーリングがつかめますが、それでもエンジンオイルを評価するのは難しいと思います。
シビックEG6では、ノーマル状態の時は実走行時のオイルによるフィーリングは殆どつかめませんでしたが、 現在のフルチューニング状態では、かなりエンジンオイルによるフィーリングがつかめるようになってきました。
エンジンオイルの規格
規格 | 説明 |
APIサービス分類 | 米国石油協会が認定するサービス分類。(品質用途分類) SEグレード以上が自動車用オイルです。 Sで始まるのがガソリン車用、Cで始まるのがディーゼル車用です。 ・API SM−ガソリン車用オイルで現在の最高規格(SM/GF-4)。 ・API CF−ディーゼル車用オイルでの最高規格(CF-4)。 |
SAE粘度分類 | 米国自動車技術協会が定めた粘度分類。 数字が低いほど粘度が低くやわらかいことを示します。 前半の数字が低いほど低温でもオイルが硬くなりにくいことを示し、後半の数字は100℃での粘度を示し高温でもオイルがやわらかくなりすぎないことを示します。 |
ILSAC | 省燃費エンジンオイル規格。 日米自動車メーカー共同のエンジンオイル規格(GF1〜GF4) 現在の最高規格はGF−4。 |
ACEA | 欧州自動車工業会が定めるエンジンオイル規格(ACEA規格)。 |
APIサービス分類(オイルのグレード)
分類 | 説明 |
SA | 添加物なしの鉱物オイル。 |
SB | 酸化防止剤が最小限に添加されている。 |
SC | 清浄分散剤、酸化防止剤が添加されている。 |
SD | 清浄分散剤、酸化防止剤、磨耗防止剤が添加されている。 |
SE | SDより添加剤が多く含まれる。 SEから自動車用エンジンに適するエンジンオイル。 |
SF | SEより過酷な条件下で使用され、添加剤も多く含まれる。 |
SG | SFより添加剤が多く含まれ、DOHC、ターボー車などに適した高性能省燃費エンジンオイル。 |
SH | SGより高性能省燃費を謳ったエンジンオイル。 |
SL | SLは高性能より省燃費を強く謳ったエンジンオイル。複数のグレードがあります。 ※詳しくはわかりません。 |
SM | SMは高性能より省燃費を強く謳ったエンジンオイル。複数のグレードがあります。 ※詳しくはわかりません。 |
SAE粘度分類(オイルの粘度)
※SAE粘度分類は専門書それぞれ違いがあり正しい粘度値がはっきりしません。
鉱物オイルと化学合成オイルの性能について
化学合成オイル | 化学合成されたオイル。 2000Km以上走行でオイルが硬くなる傾向にあります。オイルが硬くなることは油膜を保持してるためオイルとしての大きな性能低下はないようですが、オイル性能は変化してるはずです。MT車では変化を体感できるはずです。 |
鉱物オイル | 石油精製時に作成される鉱物系オイル。 走行距離が伸びると油膜が僅かに低下する傾向がある気がします。そのまま走行するとオイルの劣化から逆にオイルが硬くなりだし金属接触からスラッジ発生に繋がります。(使用経験からの推測です。) |
部分合成オイル | 鉱物油をベースに化学合成油が混ざったオイル。 部分合成と謳ってるため、部分的(少しだけ)に合成油を使ったオイルと判断していいと思います。合成オイルの量もはっきりしないため、鉱物油と判断しても良いかもしれません。 |
ガソリン/ディーゼル兼用オイルについて
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べて圧縮比が高いため、油膜保持、密閉性が重要になってきます。またガソリンに比べ、軽油には硫黄分が多く含まれるため、酸化防止剤を多く含んまれています。ガソリン/ディーゼル兼用オイルであることは油膜性能に関して性能が高いと判断できます。 |
SAE粘度分類(オイル粘度)の読み方は、前半の数値が低温でオイルが硬くなりにくいことを示し、後半の数値は100℃での粘度がやわらかくなりすぎないことを示します。 オイルの性質は、高温になるほど粘度が下がるため、後半の数値はこの粘度を上げるための添加剤の量を示します。
SAE粘度分類を見ると、0Wーnや5Wーnでは10W−30より油膜が少なくなることがわかります。 オイルの粘度が上がれば駆動抵抗は増しますが、エンジン保護性能は上がり、 通常は化学合成10W−30で十分エンジン保護性能があると思います。
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