ブレーキ/クラッチ・オイル交換(ブレーキフルードエア抜きの注意点)
ブレーキオイル交換(エア抜き)は最も危険な作業だと思います。 理由はブレーキが利かない場合、直接事故に繋がることは当然ですが、 ブレーキオイル交換作業で起きるトラブルが多いためです。
ブレーキオイル交換時のポイント
名称/コメント | イメージ |
ブレーキマスターシリンダ。 | |
クラッチマスターシリンダ。 | |
ブレーキキャリパ。 | |
ブレーキホース。 | |
ABS。(ABSアクチュエーター) | |
ブレーキオイル交換とエア噛み解消方法(作業は二人で行う)
方法 | 説明 |
連続で踏む | ブレーキペダルを踏み込む、放すを連続で行う。踏み込み時と放す時に1クッション溜めをいれるようにする。(ブレーキオイルの流れは踏み込み時より若干の時間差があり慣性も働くため。)ブレーキオイルが出てるタイミングでブリーダースクリューを閉めるのが理想です。 |
一回ずつ抜く | 踏み込む、放すを1回ずつ行う。踏み込んだ時点でブリーダー側の作業者に合図をし、踏み込んでるタイミングだけブリーダーからブレーキオイルを抜く。この繰り返しを数回繰り返す。 |
ダブって抜く | 踏み込み、放すをダブって1回ずつ行う。作業方法は”1回ずつ抜く”と同じ方法でダブって抜く。※ダブルというのは2,3回ブレーキペダルを踏んで圧を高めて踏み込む方法。踏み込んだ一時的なタイミングだけにブリーダーを緩める。エア噛みが解消しない場合の最終手段。 |
ABS作動させる | ABS車両の場合はABSアクチュエーターを作動させる必要があります。キーON又はエンジン始動状態で、上記の方法と組み合わせて行います。 |
◎ブレーキフルードを抜く順番は? |
◎ブレーキオイルをこぼしたら? |
※エア噛みが解消しない場合は走行してブレーキラインを暖めてから抜く方法と 専用工具でブリーダー側から圧をかけブレーキマスターからエアを抜く方法もあります。
エア噛みの原因には、ブレーキマスターシリンダーの劣化とキャリパーのオーバーホール又は交換が一番起きやすいと 思いますが、ブリーダーへのタンク(ブレーキフルード)設置時のノズルが低すぎることにも注意が必要です。 (プロでは当たり前のことですが、)
作業時はブレーキラインで交換箇所が複数ある場合にエア噛みの解消がし難い場合があります。 複数箇所の交換又はエア噛みが大きすぎるとブレーキペダルによる圧が伝わらないため抜けが悪くなります。 (ブレーキホース内にエアが混入しないように出口に蓋をすると防止効果があります。)
エア噛みを発生させないために一回ずつ抜く整備会社が多かったのではないかと思いますが、 最近は全車ABSのため連続で抜いてしまうケースが多いと思われます。 (ABSにエア噛みさせると抜き難いケースもあるようなので気をつける必要もあります。) ブレーキオイルを抜く工具には透明ホースでチェックバルブ(逆止弁)を必ず付けます。
キャリパー・シール、ブレーキ・ホース、マスター・シリンダーなどのオーバーホールや交換時には、2度抜きすべきです。 ブレーキ・ペダルを踏んで抜いても、ブレーキオイル・ラインは抜けても、キャリパーなどのシール部分には僅かにエアが残るためです。 一度目は抜ける分だけ抜き、2度目は走行してブレーキラインを暖めてエアを膨張させ直後に作業することで、効率良くエア抜きが出来るはずです。 |