| 三 婆 |
| ある男の本妻と妾と小姑(男の妹)の3人の老女がともに生活する話。年寄同士のせめぎ合いが、ユーモラスに描き出されている。 |
| 恍惚の人 |
| 痴呆老人を扱って、当時の流行語にもなったほどの有名な作品。誰もが避けることのできない「老い」。身近な家族が痴呆になったら、もし自分が痴呆になったら。深刻な問題を暗くならずに読ませる名作。 |
| まっしろけのけ |
| 役者の顔に化粧を施す専門職:顔師の物語。顔におしろいを塗りたくったら「まっしろけのけ」! |
| 帯 |
| 桂子と伯母の富代のある一日が描かれる。富代と、彼女の着付けを手伝った文さんの姿を通して「老い」を考えさせられる作品。 |
| 黒 衣 |
| 「目立たない」ということが特徴で、長年、黒衣を務めた役者の話。 |
| キリクビ |
| 舞台用の小道具で、切り首を専門に製作する職人の物語。 |
| 墨 |
| 着物に墨絵を描く職人と、その着手である舞踊家の話。着物の描写が最もすばらしい作品のひとつ。 |
| うるし |
| 輪島塗の老舗の主人の思い出話。うるしに被れて、たいへんなことになった芸者のことが語られる。 |
| 役者廃業 |
| 鮨屋の主人が役者を廃業した経緯を語る話。珍しく作中で「有吉さん」と呼びかけているのが実話っぽさを感じさせる作品。 |
| 断 弦 |
| 有吉さんが文壇デビューを果たした「地唄」が、この作品の第2章になっている。著者の書いた初めての長編作。地唄の世界に取材した作品で、父と娘の確執から始まり、伝統の継承の難しさが描かれている。 |
| 落 陽 |
| 中国の楊という画家の物語。王昭君の肖像画を依頼され、その美貌をいかに再現するかに苦慮する姿が描かれる。 |
| ほむら |
| 媼と女中のまよの日常を描いた話。媼が長年供養してきた僧侶に、年頃のまよが興味を持つようになるが・・・。僧侶の反応と、媼の意外な対応が描かれる。 |
| 赤猪子物語 |
| 帝の言葉を信じて、召し出されるのを80年も待った、赤猪子という女性の物語。 |
| 海鳴り |
| 『ファイナンス』誌の若き編集者:水尾冴子の話。老いさらばえた男との関わりのなかで、揺れ動く若い女心が描き出された作品である。 |