| 花のいのち |
| 『放浪記』で有名な女流作家、林芙美子の半生を描いた小説。苦労の多い人生が描き出されている。 |
| 紀ノ川 |
| 明治時代、和歌山の素封家に生まれ育った女性「花」の生き様を描いた作品。著者自身の家系がモデルになっていることで有名。幼少の頃の著者の様子も伝わって来て、興味深い。 |
| 有田川 |
| 蜜柑で有名な和歌山県の有田が舞台。蜜柑作りに生涯を賭けた、というか熱中した千代の物語。川の氾濫に幾度か運命を弄ばれる千代の、逞しく生きる姿が爽快な作品である。 |
| 日高川 |
| 和歌山県を流れる日高川。その源流に涌く龍神温泉を舞台として物語が始まる。ヒロイン知世子の姿を通して、女の情念というものが、道成寺に伝わる安珍清姫の伝承と絡めて描かれた名作。 |
| 悪女について |
| 有名な女実業家、富小路公子の死の真相について、27人もの人物が語る。謎に満ちた生き様。彼女は稀代の悪女なのか、はたまた麗しい善女なのか。そしてその死は自殺なのか、他殺なのか。 |
| 雛の日記 |
| 3月3日の日記ばかりを綴じた「雛の日記」。そこに書かれた一人の女性の半生は、恋に仕事に忙しく駆け抜けたものだった。 |
| 王台 |
| 王台で生まれ出る女王蜂の姿と重ね合わせて、身勝手な女心の変転が描かれた作品。 |
| 更紗婦人 |
| 杉並に住む、資産家の美しい未亡人:郷原紀代のいわば成長物語。更紗染にすがって、ただ生きて来た女性が、芸術作品を生み出すまでに変貌する姿を描いている。 |
| 夕陽ヵ丘三号館 |
| 社宅団地に住むサラリーマン家庭が描かれた作品。夕陽が美しく見える、最新設備の団地に入居した喜びも束の間、見栄の張り合いの渦中に巻き込まれ、苦悩する音子の哀れな姿が描かれている。 |
| 香華 |
| とんでもなく不埒な母親のために楼閣へ売られ、芸者として生きることを余儀なくされた朋子の物語。母を恨みながらも、孝行せざるを得ない朋子の切ない心情と、負けん気の強さが胸に迫る名作。 |
| 芝桜 |
| 芸者ではあるが、生真面目に生きる正子を、彼女とは正反対な性格の蔦代との対比の中に描く。二人の芸者の生き様を、全盛期の花柳界を舞台に、興味深く読ませてくれる名作。連作に『木瓜の花』がある。 |
| 木瓜の花 |
| 『芝桜』の主人公、正子と蔦代のその後を描いた作品。旅館の女将として堅実な仕事に精を出し、幸せをつかもうと健気に生きる正子の姿が胸に迫る。トラブルメーカー蔦代も健在である。 |
| 母子変容 |
| 芸能界を舞台に、美しい母と娘の確執を描いた話。16年ぶりに再会することになる母子だったが、離れて思い合うのとは裏腹に、二人の心は微妙にすれ違ってしまう。スターであるがゆえの悲劇が胸に迫る。 |
| 鬼怒川 |
| 鬼怒川のほとり、結城の里に住む紬織りの名人:チヨの悪夢の物語。黄金埋蔵伝説にとりつかれた男たちの姿を通して、戦争の悲惨さが描かれた作品である。 |
| 連舞 |
| 日本舞踊という古典芸能の世界に取材した作品。梶川流の町師匠を母に持つ秋子の、踊りに賭けた青春が描かれている。ひたむきに踊る秋子の姿に、共感を覚えることはまちがいない。連作に『乱舞』がある。 |
| 乱舞 |
| 日舞の世界に取材した『連舞』の続編。家元夫人として、梶川流を陰で支えて来た秋子。夫の急死にあって、彼女はどう対処して行くのか。芸術家として、一人の人間として大成して行く、秋子の姿が描かれる。 |
| 出雲の阿国 |
| 秀吉から家康へと移り変わる時代を背景に、歌舞伎の創始者と言われる阿国の生涯を描いている。有吉文学切っての大作で、綿密な調査に基づいて描かれた、優れた歴史小説である。 |
| 華岡青洲の妻 |
| 世界で初めて全身麻酔による手術を行った華岡青洲。しかし、この小説はその偉大な医師が主役ではなく、その妻と母親の確執を描いた小説なのである。ハストリアンの著者ならではの着眼点が光る名作。 |
| 華岡青洲の妻(戯曲) |
| 世界で初めて全身麻酔による手術を行った華岡青洲。この作品は、偉大な医師の陰に隠れた、彼の妻と母親の確執を描いた同名の小説を劇化したものである。 |
| 真砂屋お峰 |
| 11代将軍家斉の頃の江戸を舞台とした時代小説。正直者が馬鹿を見るような矛盾した世の中を、短期で気っぷの良い江戸っ子らしく生き抜くお峰夫婦の姿が描かれている。 |